【 ご あ い さ つ 】

 
 日本蕎麦保存会のホームページにおこしいただき、ありがとうございます。代表の片山虎之介です。
  私は、マスメディアを通じて、多くの方に事実をお伝えする仕事を、30年以上続けてきました。
 様々な食の現場に立ち会い、生産、流通、消費の様子をつぶさに見てきました。

 そして、今、気がかりでならないことがあります。

 それは、ひとことでいうと「食の荒廃」です。私たちが口にする食事の内容、栄養バランス、食材の流通の仕組み、質などは、ここ30数年で大きく変化してきました。

「簡便なもの」、「廉価なもの」、「大量に流通する規格化されたもの」たちが身辺に押し寄せる今の状態で、私たちは本当に健康を維持することができるのでしょうか。これから成長していく家族の命を、守ることができるのでしょうか。 
 自分自身の体を作るもとになる食事さえ、きちんと管理する余裕が持てないというのが、現代に生きる私たちの客観的な姿だと思います。 
 さらに深刻なのは「生産地の荒廃」です。ソバは、まさにその代表格ということができます。

 ソバを小規模に栽培しても、生産農家は利益をあげることはできません。ですから山間の小さな畑で行われていた、昔ながらの栽培法は、どんどん廃れ、忘れ去られていきます。今では、機械で大規模に栽培する生産地以外、ソバの栽培にたずさわるのは、ほとんどがお年寄りです。

 その方々も、年々高齢化が進み、「ソバを栽培できるのも、もうあと2~3年ぐらいだろう」とか、「今年の秋は、はたして刈り入れができるかどうか」とまでおっしゃる方が増えています。
 
 お年寄りが畑に立てなくなれば、今、白い花を咲かせているソバ畑は、やがて雑草に埋もれた耕作放棄地になってしまうのです。

 このようにソバ栽培の現実は、のっぴきならないところまで追い詰められています。 
 危機的な状況が日増しに深刻さを増す今、蕎麦の世界の現状を、少しでも多くの方に知っていただき、日本独自のすばらしい食文化である蕎麦を守りたいと思うのです。

 どれほどのことができるのか、わかりませんが、ソバ栽培に取り組んでいる方や、ソバを愛してやまない方々の力になりたい、そうした気持ちが「日本蕎麦伝統技能保持者認定制度」を始め、「蕎麦のソムリエ講座」「蕎麦鑑定士 認定制度」など、様々な活動の原動力になっています。 
 先人たちが、子孫の幸福を願って作り上げた、すばらしい伝統の輝きを、私たちが生きる時代に消滅させるわけにはいきません。

 蕎麦の食文化を守るために、私たちに何ができるのでしょう。

 その答えを、ひとつひとつ探して、拾い上げていくのが『日本蕎麦保存会』の活動です。
 文化を守るために差し伸べられた手の中に、あなたの手を見いだしてください。あなたのその手が、歴史の流れに変化を生み出す、かけがえのない力になるのです。
 どうぞ、私たちの仲間になって、日本蕎麦の食文化を未来に伝えてください。
 難しいことでは、ありません。
 あなたが蕎麦のことを知り、伝統の技術を身に付けることが、蕎麦の食文化を守るということなのです。
 おいしい蕎麦を楽しみながら、私たち仲間と一緒に、少しずつ前に進みましょう。
 
 私たちの考えに共感し、活動にご参加いただける方は、下のアイコンからメールを立ち上げて、ご連絡ください。

 昔から伝わる本物の日本蕎麦を、ご一緒に味わいましょう。

 お待ちしています。
 
                              片山虎之介