そば乾麺の茹で方。乾麺を自宅で美味しく食べる方法 「片山虎之介の蕎麦の学校」日本蕎麦保存会jp

蕎麦乾麺を自宅でおいしく食べる
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乾麺や半生麺など、スーパーやコンビニで買ったそばを、自宅でおいしく食べる工夫を紹介します。ひと手間かけるだけで、驚くほどおいしいそばを家庭で食べることができます。
自宅で食べる蕎麦の代表格は乾麺です。
乾麺は、保存性も良く、取り扱いも簡単で、自宅そばの王者ということができます。
そばの乾麺は、今、手打ちそばと間違えるほど、おいしくなっています。
今年の大晦日は、スーパーで乾麺を買って、家族みんなで年越し蕎麦を楽しみましょう。

 

 

乾麺をおいしく食べる茹で方

 

2018年10月9日放送のNHKテレビ「あさイチ」の番組に、片山虎之介が出演して、乾麺のおいしい茹で方など、家庭でそばを美味しく食べる工夫について、お話ししました。

そこで紹介した、乾麺をおいしくする茹で方は、次の通りです。

 

 

1、大きな鍋を使う

2、たくさんのお湯を沸かす

3、一度に、たくさんの麺は投入しない。

4、お湯の温度を守る

5、差し水はしない

6、湯で時間を守る

7、茹で上がったら水で洗う

8、冷たい水で締めるとコシがでる

9、おいしい「そばつゆ」を使う

10、薬味に大根おろしを使う

11、のびないうちに、すぐに食べる

 

詳しく説明していきます。

 

 

1、大きな鍋を使う

乾麺のおいしい茹で方の秘訣は、ここです。「大きな鍋を使う」ということ。大きな鍋を使えば、あなたはそばの「茹で名人」になること、間違いありません。

普通、家庭では、それほど大きな鍋は用意してありません。

だから、自宅で乾麺を茹でるとき、どうやっても、おいしく茹でることができないのです。

この際、思い切って、大きな鍋をひとつ、購入してください。

大きな鍋があれば、これからずっと、食べたいときに、おいしい蕎麦を自宅で簡単に楽しむことができます。

それ以外にも、知り合いが集まって鍋ものを楽しむとか、カレーをたくさん作るとき、大量のお湯を沸かす必要があるときなど、便利に活用できます。

ホームセンターに行けば、直径、30cmほどのアルミ鍋を売っていますので、それを購入してください。1,000円ほどで購入できます。

 

 

2、たくさんのお湯を沸かす

大きな鍋に7分目ぐらい水を入れて、火にかけます。

水をあまり多く入れると、麺を茹でるとき、ふきこぼれる危険が高くなります。

かといって、少ない量では、大きな鍋を買った意味がありません。

だいたい7分目ぐらいの量が、そばをおいしく茹でる適量だといえます。

 

直径30cm(内径)の鍋に、7分目の水を入れると、以下の写真の通りです。

乾麺を茹でる鍋
自宅で乾麺を茹でるのに適した鍋です。直径(内径) 30cm。約7分目の水を入れた状態です。たくさんのお湯で茹でることがコツです。

 

これで6リットルの水が入った状態です。

乾麺の製品の袋に書いてある説明書きには、一人前(約100グラム)を茹でるのに1.5リットル以上のお湯を使うようにと指示されていますが、余裕をもって、このぐらいの量のお湯を使うと、おいしい蕎麦ができます。

この鍋に加熱して、十分に沸騰させます。

 

なお「鍋のお湯に対流を起こさせるために、鍋のセンターをずらして乗せると良い」ということがネット上などに書かれていますが、これは、うっかり手が当たったりすると鍋がひっくりかえる危険があり、大火傷をおう事故になるリスクがありますので、絶対にやめてください。

危険な乗せ方
家庭用のコンロで、鍋のセンターをずらして乗せると、ひっくり返る恐れがあり、非常に危険です。

 

 

3、一度に、たくさんの麺は投入しない

1.5リットルのお湯に、一人前の麺(約100g)というのが、一回に茹でるのに適した最大限だと考えてください。

できるだけ湯の量は多く、麺の量は少なくすることが、おいしいそばを作るコツです。

何人もの人が、そばを待っている場合は、茹で上がったものを、半量ずつ器に盛って出しましょう。それを食べている間に、さらに茹でて、それをまた半量ずつ盛って出せば、そばものびることもなく、おいしく食べられます、

一人前のそばを、二枚に分けて出すのです。プロのお店でも、お客さんにおいしい蕎麦を食べてもらいたいと考えている蕎麦屋さんは、こういうことをする店があります。

投入する
一度に茹でる量は、お湯の量を考えながら、なるべく少なめに茹でる。

 

4、お湯の温度を守る

鍋のお湯は、できるだけ高温を保つことが重要です。

たくさんのお湯に、少量の麺しか入れない理由は、ここにあります。たくさんの麺を一度に投入すると、お湯の温度が一時的に下がってしまうからです。家庭用のガスは、火力が弱いため、一旦下がったお湯を再び沸騰させるには、時間がかかります。これが麺の茹でに失敗する最大の理由です。規定の時間、茹でても、シンのある、煮足りないそばになってしまうのです。

麺を投入したら、一旦、鍋にふたをして、再沸騰したら蓋をとって、吹きこぼれに注意すれば、完璧です。

 

 

5、差し水はしない

お湯が吹きこぼれそうになったからといって、差し水をすると、失敗の原因になります。差し水が冷たすぎると、急激にお湯の温度が下がって、再沸騰までに、かなりの時間がかかってしまいます。

ですから、差し水をすることは避けて、火力を一旦、弱めて、吹きこぼれを防ぐようにしてください。

沸騰させながら茹でる
吹きこぼれないように注意しながら茹でますが、沸騰が静まらないように火加減を調整します。

 

6、茹で時間を守る

乾麺のメーカーは、何度も試験を重ねて、最適な茹で時間を説明書に書いています。

たくさんのお湯を使い、少量の麺を茹でるということを守れば、指示通りの時間、茹でれば、ちゃんとおいしい麺になります。

例外としては、標高が高い場所で茹でた場合、沸点が低いので、沸騰していてもお湯の温度が上がらず、シンの残ったそばになってしまうことがあります。

茹で時間の最後に、麺を2〜3本、取り出して、水でさっと冷やして、味見してみましょう。ここに書いてある通りにしていれば、おいしくできているはずです。

 

 

7、茹で上がったら水で洗う

すぐに麺をお湯からあげて、水道の流水などで、ていねいに洗いましょう。手でこするように洗って表面のぬめりをとると、蕎麦を食べるのに、ある程度時間がかかっても、麺どうしがくっついてしまうことを回避できます。

洗う
茹で上がった麺は、流水でぬめりをとるように洗う。

 

8、冷たい水で締めるとコシがでる

水道水が生あたたかい季節などは、洗ったあとで、氷を入れた冷たい水に、数秒間、麺をひたして締めると、麺のコシが出ます。

ただ、冷やしすぎると、十割蕎麦など、味を楽しむ麺の味を感じにくくなってしまうので、冷やしすぎないようにしましょう。

盛り付け方
器に盛り付けるときは、一回に箸ですくいとる分くらいずつ盛り付けると、食べやすく、見栄えも良く仕上がります。

 

 

9、おいしい「そばつゆ」を使う

おいしい蕎麦ができたら、おいしい蕎麦つゆを合わせて、味わいましょう。

蕎麦つゆは、麺の美味しさを助ける、車の両輪のひとつのようなものです。

蕎麦つゆの味にこだわると、さらにおいしい蕎麦を楽しむことができます。

市販の、濃縮タイプのつゆも、おいしいものがありますので、選んで買ってください。「どのつゆも同じ」では、決して、ありません。

 

 

10、薬味に大根おろしを使う

そばの美味しさを引き立てる、最もおすすめの薬味は「大根おろし」です。ちょっと辛い大根が理想です。

おろした大根を、蕎麦つゆの中に入れ、そこに麺をつけて食べてください。

おいしいそばが、2倍、3倍、おいしくなります。

 

 

11、のびないうちに、すぐに食べる

なんといっても、これが重要。のびてしまったら、もう蕎麦ではないとさえいえます。

蕎麦は、時間と温度とタイミングの食べ物です。

懐石料理などで「あたたかいものは、あたたかいうちに。冷たいものは、冷たいうちに」と言われますが、そばの場合は「出されたそばは、のびないうちに」、これが、せっかく作っていただいた蕎麦を、おいしく食べるための鉄則なのです。

茶そば
乾麺には種類も多く、茶そばなども手軽に楽しめる。

 

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そば打ち体験が人気です。

 

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