蕎麦料理 仲佐 (岐阜県下呂市) 本物のそばを知りたければ、この店に来てほしい / 日本蕎麦保存会jp

岐阜県のおいしいそば屋

《全国 おいしい蕎麦屋ランキング》 写真と文=片山虎之介

 

蕎麦料理 仲佐 (そばりょうり なかさ)

 

『蕎麦料理 仲佐』のそばが、おいしい理由

そばの美味しさは、複雑です。

まず何よりも、香りの良さが蕎麦の大きな魅力です。

そして、食べたとき、噛んだときの味の良さも重要です。

さらに大切なのは食感。「コシ」とか「のどごし」、「歯ごたえ」、「舌ざわり」、さらにいえば、「角が立っている」などという言い方も、すべて食感を表現する言葉です。

 

『蕎麦料理 仲佐』のそばは、香り、味もすばらしいけれど、食感の個性が、飛び抜けています。

このような食べ心地のそばを供する店を、私はほかに知りません。

食べた人が、皆、驚くのも、この食感です。

『蕎麦料理 仲佐』のそばの美味しさの80%は、食感にあると言えるでしょう。

 

 

なぜ『蕎麦料理 仲佐』のそばは、他の店と違うのか

細切りの蕎麦に、際立つ個性の食感を与えるために、『蕎麦料理 仲佐』主人、中林新一さんは、自分にできる、すべての努力を傾けます。

そばを作るうえで、最も基本となるのが、畑です。

畑とは、言葉そのままの土地をあらわす「畑」の意味もあるし、そこに種をまいて育てるソバの「品種」まで含んだ言葉です。

さらに言えば、その土地を包む気候や、ソバを栽培するために直接手をくだす、生産者(農家)までも含めた、広い意味を持っています。

つまり、おいしいそばを作るためには、おいしさの要素を完璧に備えた、良い玄そば(黒い殻に包まれた状態のソバの実)が、どうしても必要なのです。

もとの材料に、おいしさの要素がなかったら、あとからどんな名人が力を尽くしても、ないものは引き出せません。

おいしいそばを作るには、おいしい材料。

これがそばの鉄則です。

そば職人、中林新一は、この鉄則を、まず大切にします。

 

蕎麦をおいしくするために、どのような技術を使っているのか

中林さんは、自分で畑の管理をして、自分で手をかけて、ソバの栽培をします。

収穫の秋には、店を臨時休業にして、車で北アルプスの山中にある畑に出向き、鎌を持って手刈りします。

それを、天日干しといって、自然の状態で乾燥させるのです。

昔から、普通の農家が行ってきたソバの作り方で、この栽培方法が、おいしいソバを育てるのです。

一切の手抜きをせず、かけられる手間は、惜しみなくかける。

ここに、『蕎麦料理 仲佐』のそばの、おいしさの理由が、あるのです。

 

 

独特のそばの打ち方が、個性を生み出す

そばは、同じ粉を使って、同じ打ち方をしたら、同じそばしかできません。

同じ粉を使っても、別の打ち方をすると、別のそばができます。

中林さんは、自分で育てた、他のどこにもないそばを使って、ほかの誰とも違う、独特の打ち方をします。

この技術が、『蕎麦料理 仲佐』のそばのおいしさの源になっています。

この方法で作らなければ、店で出している、あのおいしさは、絶対に出てこないのです。

どこか一点、手を抜いたら、もう、それで終わりです。

畑から大切に育ててきたそばの美味しさは、すべて台無しになってしまいます。

 

そばは、ある意味、悲しい食べ物で、多少、手を抜いても、そこそこおいしいそばができてしまうのです。

そんな、中途半端なそばでも商売ができてしまうので、ひとは、それ以上、手をかけてそばを作らなくなります。

世の中に、手抜きのそばが蔓延する理由が、ここにあります。

 

中林さんは、違います。

徹底的に手をかけて、引き出せるすべての美味しさを引き出します。

だから、本物のおいしさが、そばに宿るのです。

 

 

すべてのお客さんに食べてもらえないことを、中林さんは申し訳なく思っています

中林さんは、毎晩、店を閉めてから、手挽きの石臼をゴロゴロ回して、翌日使うそば粉を製粉します。

そして、次の朝早く、その日、店で供するそばを、手打ちします。

石臼も、そば打ちも大変な重労働で、毎日の作業の結果、中林さんの肩の筋肉は、プロレスラーのように盛り上がっています。

精一杯の努力をしても、一日に作ることのできるそばの量は、限りがあります。

『蕎麦料理 仲佐』のそばを食べたいと、遠くからきてくれて、店の前に並んでくれたお客さんに、そばが終わってしまったら、食べずに帰ってもらわなくてはなりません。

中林さんは、このことに心を痛めて、宣伝はあまりしたくないと、テレビや雑誌の取材は、ほとんど断っています。

予約制にすると、今まで店を支えてくれた、なじみの常連さんに迷惑がかかります。

「よっ、きたよ!」といって、そういうお客さんは、きてくれるからです。

無名の時代から、長いあいだひいきにしてくれたお客さんに「明日からは、予約してきてください」とは言えません。

店のホームページも消そうとまで考えたのですが、グルメサイトを見て、お客さんは来てくれるので、これも意味がありません。

だから、私がこの記事を書くことも、中林さんは、きっと、こまったなあと思っていることでしょう。

 

 

『蕎麦料理 仲佐』のそばを、売り切れる前に食べる秘策

しかし、中林さんのそぱは、多くの人に食べてもらう必要があると、私は感じています。

これこそ、本物のそばだからです。

そばにかかわるすべての人、そばを愛するすべての人が、一度は食べてみる必要のあるそばだと思います。

これほどのそばを作る職人は、ほかにいないのだから、そばの人間国宝のような人だと私は思っています。

「そばとは何か」と心に思った人は、機会をみて、下呂市の『蕎麦料理 仲佐』に、足を運んでください。

日本そばの食文化が、どれほどすばらしいものであるかが、その日、あなたの記憶に、深く刻まれることでしよう。

 

『蕎麦料理 仲佐』のそばを、味わいたい方は、休日は避けて訪ねることが、コツです。平日、早い時間に行けば、日本そばの至宝に会える確率は、かなり高くなるはずです。

 

 

 

【 店の電話番号 】

0576-25-2261

 

【 住 所 】

岐阜県下呂市森918-47

 

【 アクセス 】

下呂駅から徒歩約7分。

下呂駅から約500m

 

【 営業時間 】

11:30~売り切れまで

夜はそばの製粉をするため、営業しない

 

【 定 休 日 】

水曜日(祝日の場合は営業。不定休があるので、遠方から訪ねる場合は要確認)

 

【ひとり分の平均的な予算】

昼のみ 2,000円~3,000円

 

【 予 約 】

不可

 

【クレジットカード】

不可

 

【 個 室 】

あり、6席

 

【 席 数 】

カウンター、座敷もあるので人数は不確定

 

【駐 車 場】

あり

 

【 煙 草 】

禁煙

 

【アルコール】

日本酒あり

 

【店のホームページ】

http://nakasasoba.com/

 

【地図にリンク】

https://goo.gl/maps/XE5EBd4hRd5uVQQ49

 

 

 

 

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