もりそば
茨城県のおいしいそば屋

ちょっと遠いけど、旨いそば屋があると、そば好きの友人から聞いていた「そば処 楓の森」に行ってきた。
場所は茨城県の小さな田舎町。ナビを頼りに走っていくと、ほとんど人が歩いていない古い町の中に連れていかれる。こんなところに本当に店があるのかと思っていると田んぼが開けて道端に「そば処 楓の森」の木製の看板があらわれた。

駐車場に入ると板塀の向こうは、たしかに緑の楓が こんもりと茂っている。
のれんをくぐって庭に入ると、これはほんとうに楓の森だ。
楓の木ばかりを主人が山から集めてきたのだと友人がいっていたが、
よく見ると楓の葉の形や色合いがそれぞれ違う。これだけの種類をよく集められたものだ。
こういう人が打つそばとは、どういうものなのだろうと期待が大きくなる。

若葉から落ちる木漏れ日の中を歩いて、やっと店の扉に到着。

そば処 楓の森

 

小柄で品のいい女性が、いらっしゃいませと笑顔でむかえてくれる。
まだ12時前だというのに店内はほとんど満席。ふたりがけのテーブルにかけさせてもらってメニューを開いた。

メニュー名が凝っている。
「香りのかげろう」は十割そばと九一そばがある。これは、ほかの店でいえば、もりそばだろう。
ぶっかけの色の黒っぽいそばは「谷を渡るセキレイ」。
セキレイの舌のような繊細な麺の食感が楽しめる、と解説に書いてある。

初めてなので基本の「香りのかげろう」と季節の天ぷらの盛り合わせを注文してみた。

奥の厨房では主人とおぼしき男性が、こまめに動いている。3人ほどの人数で店を運営しているようだが忙しそうだ。
しばし待つと期待のそばが運ばれてきた。

端正な印象のそばだ。淡い緑の色が、うっすらとついている。この時期に緑の色が残っているそばなんて、珍しいはず。
ささっと写真を撮って、さっそくそばをいただく。

えっ…
これはなんだ!?
「香りのかげろう」という名前の意味が食べてみたらわかった。
香り高いそばとは、こういうのをいうのだ。
すごい。
新そばのようなさわやかな香りが口いっぱいに広がる。うーん、すごい。
しかも、このそば、食感が普通ではない。
粗挽きのそばなのだろう。舌に触れる感じに、心地よいザラザラ感がある。
腰がしっかりあるのだが麺に硬さはない。弾力に富んでいて口の中で香りを放ちながら、のどに流れこんでいく。
こんなそばは食べたことがない。

汁につけるのがためらわれるそばだったが、猪口に入った辛汁につけて口に運んだ。
これは、もっと驚いた。
ちょうど良い。
香りのしっかりしたそばの良さを、じゃませずに引き立てている。
そばと汁のバランスの良さが お見事。
絶妙なハーモニーだ。

あっという間に、ざるを一枚完食。思わず、ため息が出た。
こんなすごいそばを出す店が、どうしてこんな田舎にあるのか。それが不思議だ。

おっ、と 気がついたら天ぷらに箸をつけていなかった。

地元の野菜をつかっていると言う野菜の天ぷらは
どれもサクサクの食感。。
軽くてくどさがない。良質の油を使っているのだろう。
海老はかなり大きめで、お得感がある。
天ぷらは、地元の旬の野菜や山菜を使うそうなので
6月には山菜、秋はキノコが楽しめるそうだ。またそれも楽しみだ。

「香りのかげろう」と辛汁が、あまりにも好みだったので、
温かいかけそばに興味がわいた。
かけそばを食べれば、その店の格がわかるという人がいるくらいだ。
お腹には、もう少し余裕がある。というか、興味が 胃に余裕を作ってしまった。

さきほどの女性に、かけそばを追加注文した。

ほどなく白い大きな器に入れられたかけそばが到着。
これには凝った名前がついていないようだが、どうしてだろう。
おすすめメニューではないのだろうかと心配になる。

かけそば

 

だが、食べてみて驚いた。
汁の味、香り、なんともいえない上品な甘みと、控えめだが底力のある醤油の味。
鰹?にしては味があるし、鯖のような臭みはないし、華やかな味わいがある。
いったいどうすれば、こんな汁ができるのだろう。
つい、ごくごくと飲んでしまった。

頭をひねりながら会計に立つ。
レジで、先ほどの女性に、そばも汁も とても旨かったと告げる。
「どうしたら、あんなそばができるのですか」とつい尋ねたのだが、
「ありがとうございます、うちの店に昔から伝わる方法を守っているだけです」
と、軽く流されてしまった。
まあ、そうだろう。聞いた私が間違っている。

店の入り口には、もう3人の客が席が空くのを待っていた。
花番の女性は、
「もう十割そばが売り切れてしまって、二八そばしかないけれど、それでもいいですか」と、
客に聞いていた。

店内は早い時間から満席になっていたが、11時半から14時という短い営業時間なので、
打つそばの量も、少ないのかもしれない。

この次は、もっと早い時間帯に来よう。そして「谷を渡るセキレイ」を、ぜひとも食べてみよう。

口の中に漂う、そばの香りの余韻を楽しみながら、
満ち足りたお腹で見上げる緑の木々は、また格別の美しさだ。

どうもご馳走さまでした。

(レポート/小手投げ)

 

【 店 名 】そば処 楓の森

【 読 み 】そばどころ かえでのもり

【 電話番号 】029-292-5715

【 住 所 】茨城県東茨城郡茨城町駒場1619

【 アクセス 】車がおすすめ

【 営業時間 】11時30分~14時 17時30分~20時(夜は予約のみ)

【 定 休 日 】木曜、金曜

【ひとり分の平均的な予算】昼 2000円

【 予 約 】可

【クレジットカード】不可

【 個 室 】なし

【 席 数 】30席

【駐 車 場】有

【 煙 草 】

【アルコール】あり

【店のホームページ】あり http://kaede-no-mori.com

 

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