江戸蕎麦ほそ川 (東京・墨田区) 本来の江戸そばを味わえる屈指の名店/日本蕎麦保存会

江戸蕎麦ほそ川 (東京・墨田区)
そばは全て、風味豊かな生粉打ち(十割そば)。
牡蠣や穴子などは、店主が産地まで出向き、吟味して仕入れたトップレベルの食材です。
ミシュランの星を9年連続で獲得した、江戸そば屈指の名店。
東京・両国の『江戸蕎麦 ほそ川』を紹介します。
この店も、日本蕎麦保存会会員の蕎麦店です。
江戸時代、そばの最高峰は生粉打ち、いわゆる十割そばでした。
江戸そばの隆盛期、小麦粉をつなぎに使うことが大流行し、江戸には生粉打ちのできないそば職人が、大勢、出現しました。
そうした風潮に対して、自らが打つそばに誇りを持っているそば職人は、「手打ち」という看板を掲げ、「私の打つそばは、手打ちの生粉打ちです」と、そばの品格と、味の良さをアピールしました。これが「手打ちそば」という名前の起こりです。
「機械打ち」がない江戸時代に、なぜ「手打ち」の名前が生まれたのか、裏には、このような事情があったのです。
『江戸蕎麦 ほそ川』は、手打ちの生粉打ち。現在の東京で、江戸そばの看板を掲げながら、「手打ちの生粉打ち」でそばを供している店は、極めて少数。数軒しかありません。
江戸時代の腕の良いそば職人が、誇りをかけて打ったそばは、『江戸蕎麦 ほそ川』のそばのような味だったのかも知れません。
同店で使うそばの材料は、日本全国の産地から厳選した玄そば(殻に包まれた状態のソバの実)です。
それを店主の細川貴志(ほそかわ・たかし)さんが、店内の作業場で製粉して、納得のいくそば粉に仕上げ、自ら手打ちします。
「そばは、そば粉で決まるから、製粉は自分でしたいのです」と、細川さんは言います。

自信の「せいろ」を味わってみました。
玄そばは、四国の名産地、祖谷(いや)の在来種。
これは極めて貴重なそばです。
そば切り(そばの麺)は、細切りで、比較的、目の詰まったそば。そのためしっかりしたコシと、強い風味を備えたそばに仕上がっています。
張りのある、エッジの立ったそばが、舌に絡みつくように、踊りながら口中を通り過ぎていきます。まさに、そばならではの食感の楽しみ。なかなか、こういうレベルのそばには、出会えません。
材料を吟味する眼力がなくては、ここまでの製粉、そば打ちはできないでしょう。
製粉30年の経験と、食味に対する執念ともいえる追求心の結晶が、この一枚の「せいろ」なのです。


『江戸蕎麦 ほそ川』が素晴らしいという、もう一つの理由は、温かいそばも、生粉打ちで供するところにあります。
温かいそばの熱い甘汁に入れても、しっかりしとしたコシを維持する生粉打ちのそばは、本来の甘汁の江戸そばの食味を教えてくれます。
冬の温かいそばの代表、「かきそば」は、忘れずに味わってください。
吉野葛をまぶし、酒でボイルして、絶妙の加熱をした牡蠣には微塵も臭みがなく、クリームのような牡蠣の身肉の食感と味は、一度食べたら、生涯、記憶に残ることでしょう。
この店の冬の名物の一つだという理由が、よくわかります。

キリッとした冷たいそば切りと、天ぷらの組み合わせを楽しみたいという方へのおすすめは、「穴子天せいろ」。
穴子を丸ごと一匹使った穴子天ぷらは、食べ応えも十分。箸で天ぷらを割ると、ほくほくとして瑞々しい穴子の白い身肉が顔を出します。
見ただけで喉が鳴る、そばと天ぷら。
これぞ江戸そばの真骨頂です。

※『江戸蕎麦ほそ川』では、只今、従業員を募集しています。
江戸そばの真髄を味わえる店で働きたいという方は、店に電話してご相談ください。
電話番号 03-3625-1125
店名 江戸蕎麦ほそ川
電話番号 03-3625-1125
住所 東京都墨田区亀沢1-6-5
アクセス 都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩約1分
JR総武線「両国駅」東口より徒歩約6分
営業時間
昼 11:45~14:30 (LO 14:00)
夜 17:30~20:00 (LO 19:30)
※そばがなくなり次第、閉店。
定休日 月曜日、第一、三火曜日
平均的な予算(昼) 1,500円
平均的な予算(夜) 3,000円
予約 夜の予約のみ可能
クレジットカード 不可
個室 あり(8名)
席数 30席
駐車場 なし(近くにコインパーキングあり)
禁煙 禁煙
アルコール あり
注意 小学生以下のお子さんは、ご遠慮ください
ホームページ https://www.edosoba-hosokawa.jp/index.html
【地図にリンク】https://goo.gl/maps/G9rvdPmhbioM2erk9