手打蕎麦こより(石川県金沢市) 戸隠そばに最接近できる古民家の蕎麦屋

石川県のおいしいそば屋

家族で金沢へ昼食で向かう途中、ネットで蕎麦屋を当たっていた娘の提案で訪ねてみることに。当日は平日の月曜13:00過ぎにもかかわらず、キャパ6台の駐車場は既に満車でした。おまけに3、4組の待ち客もいる始末。古民家風の蕎麦屋は落ち着きが感じられ、当たり感ムンムン。店員さんに教えられるまま、とりあえず名前と人数を書いて車で1分ほどのコイン駐車場に直行。再度歩いて店まで戻り待つことにしました。県外ナンバーあり、旭川ナンバーも。知る人ぞ知る蕎麦屋なのか?早速撮影の許可をもらい、店の外観から撮ることに。若いお客さんもいましたが、年配の落ち着いた感じの夫婦が数組。店の雰囲気も客も概して落ち着いた感じ。後から聞いたことなのですが、店主は戸隠出身で実家も蕎麦屋を営んでおり、金沢出身の奥さんの実家をリフォームして蕎麦屋にした由(元々店の所在地の高岡町は農家集落だったそうです)。

 

暖簾をくぐり中に入ると石で設えた、以前は土間だったというアプローチは意匠性を感じさせます。見上げると天井を渡っている頑丈な梁も見事な骨太の作り。コロナ禍により、今は待合になっているテーブルで待つことに。我々が腰を下ろした所のちょうど正面に年季の入った木鉢や花器?が納まる棚。その上には昔は左官職人が漆喰の壁を塗りつけていたあの骨組みとなる竹細工をバックに宮澤賢治の『雨にも負けず……..』の散文詩の版画(陶芸家 大道正男作)が飾ってあります。百姓家を改装した蕎麦屋に岩手の農学校出身の賢治の『雨にも負けず……』の詩が。店主のセンスと蕎麦職人としての志の高さを感じさせてくれます。この待合も以前は席として使っていたそうですが、今は店全体で6卓22席の営業。

店内を撮影しながら待つこと40分。店員さんの案内があり、我々3人は長卓に並んで座り、注文へと相成りました。女房と娘は天ぷらざるそば、当方は鴨ざるそばを頼みました。蕎麦を待つ間蕎麦前といきたいところですが、車の運転があるのでアルコールフリー・ビールで我慢。野沢菜漬けがついてきました。長すぎず短すぎず、程よい待ち時間で蕎麦登場。笊に盛られた蕎麦はやや緑っぽい色の極細麺。両サイドの束が挟み込む形で中央に3つの束、合計5束の並びで構成。これが戸隠そば特有のぼっち盛りというやつか。

まずはつゆに浸けず蕎麦だけいただくことに。程よい柔らかさ。噛んだ時に押し返す程の弾力はないが、さりとてけっしてグチャッともしておらず清涼感がありツルッとした喉ごし。戸隠から仕入れた抜き実(信濃一号)を店主自らが挽いた蕎麦粉で打ったものだそうですが、食感と喉越しのよさは夏の新蕎麦を使い、極細切り(1.2mmよりさらに細い)であることも関係しているのでしょうか?つけ汁は鴨肉とネギ入りの温つゆで、山椒の粉付き。山椒を入れていただく温つゆは極細麺にマッチしていて誠に美味でした。

天ぷらそばをいただいた女房と娘の評価も上々。よい蕎麦屋に巡り会えたことに感謝です。実は、店主の話を改めて聞きたく思い、2週間後に当方一人で再度訪問することに。この日は蕎麦そのものを感じたいと思い、ざるそばとかけそばを注文しました。やはり蕎麦の香りはそれほど強く感じられませんでしたが、涼やかに蕎麦の風味が鼻に抜けていくのを再び感じることができました。麺もやはり硬すぎず柔らか過ぎず程よい加減。もりつゆも甘すぎず、しょっぱすぎずのいい塩梅で、鰹節の風味と香りが強いつゆでした。帰りがけに店主に尋ねたところ、鰹の本枯れ節と鯖節と利尻昆布で出汁を取っているとのことでした。江戸風に昆布は使わず鰹節だけかと思った当方の見当は全く外れてしまいました。醤油は地元産の丸大豆醤油を使っているとのこと。鰹節が香り雑味がなく、上品な醤油の味が引き立つ出汁の仕掛け。本枯れ節?鯖節?それとも丸大豆醤油自身のなせる技でしょうか?薬味はネギ、山葵と辛味大根が付いていたので、蕎麦だけを試した後でそれぞれ山葵と辛味大根を麺に絡めてみましたが、この蕎麦には辛味大根の方が薬味としては合う感じがしました。

かけ蕎麦の方は麺柔らかめでつゆも薄味ですが、鰹風味の出汁がよくきいた甘汁の塩梅も絶妙……。具も余分なものは一切入れず、サヤエンドウ2切のみというのもより温蕎麦を楽しむことができました。蕎麦湯は濃くドロッとしていたので、店員さんに尋ねると茹で汁に若干蕎麦粉を加えているとのこと。

最後に、何よりも感心したのは店員さんの接客態度です。出すぎず控えすぎずでちょうど良い感じ。当方の質問に対して答えられることはすぐ答えてくれ、そうでないものは店主に聞いてきますと丁寧な対応。嫌な顔一つせず本当に気持ちのいい態度でした。店主も食べ終えて帰るお客さんに対して従業員任せにせず、厨房の奥から顔を見ながら挨拶している(私の娘の話)のも好感度大でした。

(レポート/おらあ蕎麦っ食いだぜ)

 

【 店の電話番号 】
076-205-4591
【 住 所 】
石川県金沢市長田2丁目20-13
【 アクセス 】
金沢駅 金沢港口より徒歩10分 車で5分
幹線道路金石線の長田1丁目に案内看板あり
【 営業時間 】
11:30〜15:00 ラスト・オーダー14:30
売り切れ御免
【 定 休 日 】
毎週水、木曜日
【ひとり分の平均的な予算】昼 
1,500〜2,000円
【 予 約 】
夜は要予約だが今は昼のみの営業
【クレジットカード】
不可
【 個 室 】
なし
【 席 数 】 
当面はコロナ禍のため6卓22席
【駐 車 場】 
店の駐車場は6台まで 
車で移動1分ほどの近い所にキャパの大きいコインパーキングあり
1回目の時は混んでいて待たされたためコインパーキングに2h駐車(料金は300円)
【 煙 草 】
禁煙
【アルコール】
ビール 日本酒 焼酎
【店のホームページ】
あり

 

 

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