会合(えごう) (大阪府堺市) 何度も行きたくなるお蕎麦屋さん
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再訪です。平日の午後1時半過ぎに,前回同様,急坂をたどり,小高い丘の上に佇む隠れ家的なお蕎麦屋さんの白い大きな暖簾をくぐりました。店主の案内で,玄関を上がり,広めのそば打ち部屋の横を通った先がすべて畳敷きの広い客席スペースで,4から6人掛けの天然木風の座卓が4卓,ゆったりと置かれ,さらに6人掛けのテーブル1台の半個室が1室あり,先客が何組か残っていました。南向きの壁一面の窓からは郊外の丘の上にあるお店ならではの眺望が広がっていました。
前回訪問時に,今日の目当てのそばメニューは「釜揚げそば」と決まっていましたが,一応メニューを眺めますと,そばとしては,もりそば用と田舎そば用の2種類で,あとはそれらのそばを使ったぶっかけ,とろろ,山かけなど,温かいそばとしてはきのこ,ニシン,そばがきなどが書かれていました。天ぷらなどについては,当日は,人手の事情によりだしていないとのことで,又,当日のそば粉は九州産とのことでした。
メニューを眺めているうちに,やはり,冷たいそばも食べたくなり,この店のメニューでは「冷冷(ひやひや)そば」と称するもりそばと田舎そばのセットメニューをまずお願いしました。もりそばと田舎そばが同時に供されるのではなく,まず細麺のもりそばが薬味のねぎと山葵とともに提供され,食べ終わったのを見計らって,太目の田舎そばのもりそばが代わりのそばつゆに薬味の粗塩と辛み大根とともに提供されます。
蕎麦の盛られている竹笊も蕎麦ごとに異なる竹笊が用いられ細麺のもりそばの竹笊に比べると田舎そばにはやや武骨な感じの色黒な渦を巻くように編まれた竹笊が用いられていました。小皿に盛られた薬味のねぎは関西ではやや珍しい白ネギが薄く切られていました。
前回レポートできなかった田舎そばは,色黒目で表面はつるりとした光沢があり、太目、やや固めで、噛まねばならないものの、ふつりと切れて歯ぬかりせず、甘皮が多くひきこまれているためか野趣溢れる香りが口中に満ちていきます。店主おすすめの塩で食するのもいいのですが、添えられた辛味大根との相性はさらによく,食した後の口中が爽やかになりそばつゆをあまり使わずに食べてしまいました。
そして,本日のお目当ての「釜揚げそば」ですが。どんぶりにトロリと白濁した熱いそばの茹で汁が張られ,その中に先ほどの田舎そばが入り,それをそばもりそばと同様のそばつゆにつけて食べさせるものでした。トロリとしたゆで汁はなかなか冷めず最後まで温かいまま味わうことができました。
薬味は辛み大根と山葵が添えられていました。太めで固めの田舎そばが用いられていることで,ゆで汁の中でもしっかりとした様子を保っており,麺の表面はややとろりとするものの箸で持ち上げても細麺のようにふつふつと切れたり,張られたゆで汁のキレが悪くそば猪口のそばつゆの色をすぐに白濁させることもありません。具が何も入っていないことで,温かさでより強調されたそばの風味や立ち上がってくるゆで汁の風味に専心することができました。
店主によれば,この食べ方は山陰地方でよく食べられているとのことで,冬場の寒いころに食すればなお格別のものがあるだろうと思いました。
(レポート/sobayanoyutou)
【 店の電話番号 】072-239-3929
【 住 所 】大阪府堺市中区田園506
【 アクセス 】車が便利,電車では泉北高速鉄道の泉ヶ丘駅から徒歩約1.2キロ
【 営業時間 】11:30~15:00
【 定 休 日 】火・水・木
【ひとり分の平均的な予算】昼 1,500円程度
【 予 約 】不可
【クレジットカード】不可
【 個 室 】なし(半個室1室あり)
【 席 数 】26席
【駐 車 場】あり
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】有
【店のホームページ】なし