手打蕎麦 渡邉(東京都新宿区)新宿で大変人気のある手打ち蕎麦店を訪問
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今回、少しゆっくりと見学させて頂きたく、ランチラッシュを避けてお伺いしたつもりが、まだまだお忙しい時間帯であった。ただ、繁忙店ならではの手際の良さや、厨房とフロアの連携の良さを学ぶことが出来た。
ゴールデンウィークが終わり、日常を取り戻した5月の平日に西新宿にある人気店を訪問しました。場所は新宿郵便局のすぐそば。
新宿駅西口からは徒歩10分ほど、あまり小綺麗とは言えない路地を通り抜け、新宿郵便局方向へと進むと、先程までとうって変わり、背広姿のサラリーマンやOL風の人達が行き交っている綺麗に整備された道に出る。その一角に「手打蕎麦 渡邉」がある。
まわりには、レストランが並ぶが、蕎麦屋はここ一軒だけの様で、蕎麦屋独特の外観や暖簾が少し離れたところからでも目に留まる。ビルの1階部分に和風の造作をした入口がある。
外観に安っぽさはなく、しかし気取った高級店の様な敷居の高さは感じない、とても入りやすそうな店構えです。 私が外観を写真に収めている間にも、何人ものお客様が出たり入ったりして活気がある。
ゆっくり、じっくり観察したかったので、あえて昼のラッシュ時を避けて1時半頃にお伺いしたが、店内はほぼ満席で、明るく元気のよい花番さんに「ご相席になりますが、よろしいでしょうか?」と案内され、窓際の二人掛けのテーブルへと導かれる。
相席にするには少し狭い席には既にサラリーマン風の男性客が食事中でテーブル全面を使って蕎麦を食べていたが、慌てて半分を空けてくれた。
店内は、四人掛けテーブルが9卓、二人掛けが1卓、コの字型のカウンターには8人分の椅子が用意されている。やや昭和の雰囲気のある店内は木が多く使われた内装で明るく、新しくはないが清潔感があり好感が持てる。
中央にガラス張りの打ち場があり、職人さんが忙しそうに蕎麦を打っているのが見える。花番さんが4人、息つく暇なく動き回っている。下膳もすぐに手隙の花番さんが行って、次のお客様をお通ししている。スタッフトレーニングもしっかりとされた店なのだろうと感じる。
おそらく12時台は、もっともっと忙しかったのであろうと、床に落ちてる箸や天かすなどで察することが出来た。
場所柄、また昼の時間帯ということもあり、会社員風の男性客が多かった。年齢層は40代~70代が中心。酒類を注文したりして、のんびりと蕎麦屋を楽しむお客様は、あまり見受けられなかった。
元気の良い花番さんが4人、テキパキと動いていて、とても気持ちがよい。これだけ忙しい店でありながら、蕎麦湯を絶妙なタイミングで持って来て頂けるのは、花番=技術職 というのを感じる。
メニュー数は多く、蕎麦のほかにうどんや、数は少ないが丼物も提供している様だ。市販のファイルに印刷した用紙を入れてあるだけの簡単なメニューではあったが、値段が安いのには驚いた。印刷したメニューのほかに季節ものなどは手書きのメニューに写真を添付してファイルに入れてある。
その一つ、しらす蕎麦は、大変興味深かった。しらす、わかめ、ネギなどが載ったぶっかけの様だ。今回は自分の勉強を兼ねて既に注文する品を決めてから来店してるので、次回、このそばを食べてみたいと思った。
注文したメニューは、①天ぷらせいろ、と、②かけそば。その感想は次のようなものだ。
①天ぷらせいろ 蕎麦は丸抜きを製粉したもので、星はない。
とても忙しい店の様で、わたしが入店した時に、ちょうど職人さんが追い打ちをしており、その蕎麦が提供されたので、まさにうちたて、茹でたての蕎麦を味わうことが出来た。
粒状感はなく、打ちたての蕎麦のつややか感を感じた。粉は北海道産のキタワセとタスマニア産(品種不明)をミックスしたものを使用しているとのこと。太さはおよそ15mm×10mm の平べったい感じの二八蕎麦であった。
おそらくあまりに忙しく追い打ちした蕎麦を急いで切られた様なので仕方ないかとは思うが、切り損じた蕎麦が混じっていたのは、少し残念であった。次回は、もっと落ち着いた時間帯にお伺いしたいと思います。
天ぷらはエビ2尾、かぼちゃ、人参、海苔の盛り合わせで、あまり花は咲いてないがサクッと揚がっていて、蕎麦によく合ってました。
蕎麦は枠が塗りのザルに盛られて、黒い枠に白い蕎麦がよく映えていた。天ぷらも塗りの器に盛られ、汁、薬味と共に1つのお盆に載せられて提供された。
②かけそば 温かい蕎麦も丸抜きから製粉したもので星はない。温かい蕎麦も冷たい蕎麦も同じ麺を使用している様子でした。汁は、濃口醤油を使った関東風の、蕎麦を引き立てる甘汁でした。
これだけ忙しい店だと、厨房とフロアの連携が悪いことが多く、せっかく作った料理も、麺が延びてしまったり、温かいものが温かく提供されない事はよくあることで、正直、その点については、あまり期待をしてなかった。
しかし、この店では、しっかりとアツアツの天ぷらとキリッと締まった蕎麦が同時に1つのお盆に載って運ばれてきた。厨房とフロアの連携の良さを感じました。
私は、これまでタスマニア産の蕎麦を食べたことがありませんでした。
タスマニア産の「新蕎麦」は、それほど強い香りはなかったですが、日本と季節が真逆のオーストラリアの蕎麦をブレンドする発想は大変興味深かったです。ブレンドは無限の組み合わせがあると思いますが、その季節に合った最適な組み合わせが見つかれば、一年中、新蕎麦の味や香りが出せるのではないかと思いました。
蕎麦を食べた食感は、粒状感がなく、つるっとした舌ざわり。細かい目で落とした粉から作った麺だと感じました。私自身が少し固めの蕎麦を好む傾向なので、それを基準に考えてしまうと、少し柔らかく、コシが弱い気がしてしまいましたが、まあ標準的な硬さなのではないかと思います。
汁は、かつお節、さば節などの風味を感じる、やや甘めのもので、しっかりとした重めの汁。重めの汁なので、あまりたっぷりと付けずに、麺先だけを少し付けて食べるとちょうど良い感じでした。汁が麺とよく絡んでました。
ただ、残念なことに徳利がつかずに、そば猪口に直接汁が入って提供されるので、自分好みの汁の量で付けて食べることが難しかった。
温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供された点。厨房とフロアの連携。花番さんのプロ意識に、この店の心意気のようなものを感じました。
(レポート提出/はやおき)
【店名】手打蕎麦 渡邉
【読み(ひらがな)】てうちそば わたなべ
【 店の電話番号 】03-3348-9126
【 住 所 】160-0023 新宿区西新宿1-12-10
【 アクセス 】新宿駅西口 徒歩7-8分 新宿郵便局そば
【 営業時間 】11時-22時
【 定 休 日 】日曜日
【ひとり分の平均的な予算】昼1000円 夜
【 予 約 】不可
【クレジットカード】不可
【 個 室 】なし
【 席 数 】 46席
【駐 車 場】 なし
【 煙 草 】分煙
【アルコール】あり
【地図にリンク】https://goo.gl/maps/AwAiNLoGptB2