蕎麦研究家、稲澤敏行の軌跡/写真と文・片山虎之介
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稲澤敏行さんは日本を代表する蕎麦研究家で、そばの歴史などを丹念に調べています。
稲澤さんが長年にわたり研究してきた貴重な成果を、ご紹介していきましょう。
日本の蕎麦の歴史は、仏教とともに発展してきました。
江戸の町にそばが広まっていったのも、そうした流れが土台になっています。
初めて江戸で蕎麦を売ったのは、どこの店なのか。
これも稲澤さんが新しい発見をしました。
何十キロもの旧街道を自分の足で歩き、一軒一軒、蕎麦屋の数を数えたりして、稲澤さんの研究は積み上げられます。
何年後かに、同じ旧街道をふたたび歩き、激減した蕎麦屋の数を数え、蕎麦の歴史の栄枯盛衰を実数のデータとして記録するのです。
蕎麦の研究というものは、非常に地道な作業で、根気がいるものです。
聞いた人が「えっ!」と驚くような新事実を、稲澤さんはたくさん発見しています。
稲澤さんが取り組む研究は、蕎麦全般についてですが、特に日本そばのルーツに関しては、かなりの熱意を持って探求しています。
江戸そばや、日本各地の郷土そばの食文化を研究し、新しい事実を、いくつも発見しています。
稲澤さんの研究は、すべて資料にもとずいての考察なので、間違いがありません。
歴史的資料が、稲澤さんの研究を裏付けてくれます。