以前、鶴舞店へ伺った「蕎麦割烹黒帯」さん。特徴ある蕎麦をもう一度食べてみたいと、今回天白本店へ伺いました。

GWの渋滞で、お店についたのは昼のラストオーダー30分前。専用駐車場は満車で隣のコインパーキングへ車を止めて店舗へ。店員さんからは3組待ちですのでお待ちくださいね、との事でホッとしながら店外で待ちます。

オフィスビル1階の店舗。「黒帯」の名のとおり、店全体が黒い木の面格子で覆われています。「黒帯」の墨文字は丸く味のある字で書かれており、全体的に
黒基調でシンプルな外観と言いたいところですが、面格子には「駐車場の案内看板」「従業員募集」入口には「メニューが掲載された電照看板」と、至る所に案内看板が掲出されていて、その結果庶民的な居酒屋風の外観に。飾らない街の蕎麦屋という印象で良いと思う。

駅から近いが、裏に入るため目立つ場所ではありませんが、私たちの後にも1組、2組と来店があり人気が伺えます。店のあるビルの横には天白川が流れており、端午の節句の今日、川沿いを鯉のぼりがヒラヒラ舞うのを眺めながら10分ほどで元気な店員さんに呼ばれ、店内に入りました。

★店内の様子
通路は狭めですが席数は多くテーブル席、カウンター、奥に座敷も見えます。
太い柱やテーブル、カウンターは黒塗り。漆喰の壁、和紙のペンダントライトが武骨な印象を醸しつつも、店内あちこちに貼られたコロナ対策やLINE友達登録のPOP、マジックで手書きのメニューが画鋲で貼ってあり、店内も庶民的な居酒屋風。外の光がよく入る明るい店内で、BGMは満席のお客様の話し声とFM愛知。

★メニュー
このお店は希少品種の蕎麦がいくつかあって、選ぶのが楽しい＆迷う。
幻の蕎麦に目が留まります。宮城県椎葉村の焼き畑農業で栽培される希少な在来種。「蕎麦通憧れの蕎麦」とメニューに書いてある…通といえるほどの者ではございませんが、せっかくなので幻の蕎麦に挑戦です。

★頼んだメニュー
「海苔せいろ」を幻の蕎麦に変更。このお店の蕎麦は全体的にコシが強く、前回いただいた伊吹蕎麦は噛むのが大変だったので、柔らかめをお願いしました。空腹につき「玉子焼き」。あと主人の天ぷらせいろを十割蕎麦に変更。追加で「二八蕎麦せいろ」夫婦二人の注文に油断していた（と思われる）店員さんは慌ててメモを取りに行きました。

冷たいそば茶をいただきながら店内を見回すと、家族連れ、友人、カップル、一人女性客と様々な客層の方が、ラストオーダー前でもほぼ満席。席から「そば打ち工房」の看板とガラス張りの工房が見えていますが、時間があえば打つところが見られるのでしょうね。

★気になったメニュー
割烹なので一品メニューも豊富、とらふぐ料理やそば会席にも興味が沸きます。
蕎麦メニューではやはり「品種と産地」。前回の伊吹蕎麦も味がしっかりした蕎麦でした。徳島県祖谷の秘境蕎麦も気になる。十割蕎麦は細切りのみ、二八以外の田舎蕎麦や在来種の蕎麦は、多少小麦粉を混ぜているとのこと。
蕎麦の種類や品種によって挽き方、打ち方、切り方を分けているという事でしょうか。蕎麦への強いこだわりを感じます。

店内は忙しく、蕎麦湯を出すのも追い付かない様子。店員さんが元気にお客様に声をかけながら気持ちよく動かれています。

10分ほど待ち、最初に玉子焼きが出た後、主人の天ぷらせいろ、二八蕎麦、海苔せいろが時間を置かずに出てきました。あっという間にテーブルが賑やかになります。

★玉子焼き
こちらの玉子焼きは大きく十字に四つ切りにしてあり、見るからにしっかりした印象。口に入れるとジューシーかつ結構な食べ応え。
ふんわりという感じはありません。出汁の風味が良く、主食になりそうなボリューム感の美味しい玉子焼きです。

★海苔せいろ　幻の蕎麦（柔らかめ）
蕎麦は見た目から存在感があります。黒い。そして粗く大きなホシ。中太の麺は不揃いで見るからにざらついています。柔らかめをお願いしましたが、湯がき時間ではなく冷水の締めを調整しているのかな？表面の艶や角が立っているような印象は弱いように感じました。

1本そのまま口に入れ、噛んでみます。まず弾力がすごい。これで柔らかめ？ていうくらいの噛み応えです。舌触りは見た目の通りざらざらですが、柔らかそうに見えた麺はしっかり弾力があり、舌で角を感じます。しっかり噛むと蕎麦の香りが強く鼻を抜け、口の中にも広がる。この蕎麦は噛んだほうが味が濃く感じます。あら塩をつけると、甘みも出てきました。
つゆをなめてみます。出汁の風味強め。かえしが弱い印象です。玉子焼も出汁がしっかりきいていたな。
蕎麦をつゆにつけて食べると、ざらついた麺につゆがよく絡みます。
海苔をたっぷりのせていただきます。
噛みしめるとつゆに負けない蕎麦の味と、海苔の風味が口いっぱい広がります。
つゆの主張が弱めな分、蕎麦と海苔の風味が際立って美味しい！

しっかり噛んでいただいたので、喉ごしはあまり感じませんでした。
かなり食べ応えのある蕎麦で（よく噛むので余計に）、量は多くありませんが満腹感がありお腹は大満足。
これだけ味の強い蕎麦なら、鴨つけなどの濃いつけ汁でも十分味を主張できるでしょう。

蕎麦湯を最後にお願いしました。とろみのある蕎麦湯でおいしくいただきました。

帰り際、「そば打ち教えます」という看板を見かけた。だから店内にそば工房の看板を出していたのですね。
このお店は、元は名古屋の有名な蕎麦職人が大将をされており、体調を崩された後お弟子さんたちが引き継がれたと掲載されていました。大将のそば打ちを引き継ぎ、広げていこうということなのだろうな、深いな、と思いました。
大将はその後復活され、別店舗で蕎麦を打たれているとのこと、ぜひ今度そちらへ行ってみたいです。

(レポート/ルーモス)

【 店の電話番号 】052-806-9922
【　住　所　】愛知県名古屋市天白区原1丁目612幸商事ビル1階
【 アクセス 】地下鉄鶴舞線原駅から徒歩2分
　　　　　　　地下鉄原駅1番出口裏
【 営業時間 】昼11：30-14：30（LO14：00）
　　　　　　　夜17：30-22：00（LO21：30）
　　　　　　　日曜日・祝日は21時ラストオーダー、21時30分閉店
【 定 休 日 】月曜日　祝日の場合は営業
【ひとり分の平均的な予算】1,000-1,999円
【　予　約　】電話で予約可
【クレジットカード】利用可
【　個　室　】なし　※団体様は掘りごたつの座敷席を完全個室として利用可
【　席　数　】　50席（座敷あり）
【駐　車　場】　有り　店舗横に専用駐車場スペース5台分。満車の場合隣にコインパーキングあり
【　煙　草　】全席禁煙　店舗内に喫煙室あり
【アルコール】あり
【店のホームページ】あり