福井県のおいしいそば屋

「蕎麦切り彦兵衛」は福井市門前町、閑静な住宅地からさらに奥まった、足羽山の麓にひっそりたたずむ隠れ家的なお店です。何年か前に、一旦引っ越しして、場所を変えて一昨年に再開。以前は喫茶店として使われていた店舗を和風の蕎麦屋に改装しました。店内には、古い机や調度品などが置かれ、落ち着いた雰囲気の店が完成しました。

店主は、若いときから、ありとあらゆる食の商売に関わって来たという苦労人です。話すとぶっきらぼうな感じもしますが、実は心に熱いものを持ち、仕事に関してもぬかりがなく、奥様と2人で、この店を切り盛りされています。

カウンターには、様々な銘柄のお酒が並べられています。ラベルを見ていくと、店主の好みがよくわかります。

酒にひかれて訪れる客も多く、明るいうちから一杯やっている人も少なくありません。

つまみ類は店主のこだわりを感じさせるものばかり。にしん棒、かもつくね、自家栽培の野菜を使った漬け物類、だしまき玉子、焼き鯖、水たこの刺身、などなど、どれも酒のすすむ旨い肴です。

移転する前から、よく利用してきた店であり、ほぼ店のメニューは食べ尽くしていますが、この日は気温30度という暑さであり、冷たくさっぱりしたものを食べたいと思い、「いもかけ蕎麦」を注文しました。

いもかけ、というと、すりおろしたタップリの山芋を、濃いめのダシ汁で溶いたものを、ぶっかけて食すのが一般的ですが、この店のいもかけは、すりおろした山芋が、ちょんと乗った、冷たいかけ蕎麦、という感じです。

つゆは、温かいかけそば用のものを冷やしたわけではなく、カツオと戻し椎茸の出汁がよく効いていて、かなり薄味のツユです。

薬味として、すりおろした山芋が少し、きざみ葱、戻した椎茸、おろしたての本生わさびが乗ります。

蕎麦は殻付きで石臼にかけた挽きぐるみ。結構な粗挽きで、色は濃く、星が入ります。

昨年は蕎麦凶作の福井県、どこの蕎麦屋も製粉所も、県内産(特に大野、勝山の奥越産)を確保できず、県外産を併用している現状ですが、この店ではJAから県内産の玄蕎麦を1年分確保。旧店舗内にある小和清水産の石臼を使った製粉所で、毎朝その日のぶんだけ自家製粉しています。

麺の厚さは2mm程度、幅はやや広めで5mmほど。平打ちとまではいきませんが、おろしそば等に合う感じの麺。つなぎ二割の二八です。

かけ蕎麦だけに蕎麦の風味は感じにくいのですが、それでも口に入れると、良い香りがたちのぼります。さすが自家製粉の効果ですね。

麺の舌ざわりはザラついていて、しっかりモグモグ噛んで食べる蕎麦。香りと甘みを殺さぬ薄味の汁は、カツオの風味のあとに椎茸の味が追っかけてきます。時間経過で味が変化していくのも、この店ならではの味わい。

冷たい蕎麦と山芋の取り合わせは、なんとも言えぬ清涼感で、まさに夏向きの一杯だと思います。

(レポート提出/ざいごのおんさん)

【 住 所 】福井県福井市門前1-110

【 営業時間 】11:45頃~20:00頃(中休みあり)

【 定 休 日 】毎週木曜

【ひとり分の平均的な予算】昼1000円   夜2500円

【 予 約 】可

【クレジットカード】たぶん無

【 個 室 】無

【 席 数 】カウンター5、机4、小上がり8人程度

【駐 車 場】あり。4台程度

【 煙 草 】可

【アルコール】有

【店のホームページ】なし

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