関東甲信越のおいしいそば屋

長野県長和町、上田市街を県道152号線に沿って南に進むと、長閑な農村地が続きますます。霧山地区に差し掛かると右手に白い壁と緑の屋根がインパクトの建物が見えます。その洋館が緑の花そば館です。駐車場は広く、建物内には物販エリアと飲食エリアが分かれており、ゆったりとした明るくキレイな白を基調とした内装となっています。飲食エリアの中央にはガラス張りの蕎麦打ち場があります。

緑の花そば館を運営する農事組合法人信濃霧山ダッタンそばは、担い手の高齢化や有給荒廃農地の増大と目玉となる特産品の開発など地域が抱える農業問題に挑戦することを目的とし、平成17年7月に設立されました。ダッタンそばを原料としたそば、お茶やケーキ、クッキーなどの加工製品の開発も進み、平成22年5月に加工品の消費拡大を期待し「ダッタンそば加工直販施設(緑の花そば館)」を町が建設し、同組合が指定管理者に指定されました。農山漁村の6次産業化にも取り組み平成24年に法人登録されました。平成26年に直営レストランをオープン。いまでは、耕作地面積は13年前の試験栽培当初の1ha(ヘクタール)から40haまで拡大し、収穫量も40tとなりました。遊休荒廃地が0%というほかに類を見ないモデル地域となっています。

そもそも、信濃霧山ダッタンそばとは何なのか。本来ダッタンそばは苦みが強く食用に適さないとされていましたが、長和町霧山地区で栽培したダッタンそばは、高い機能性成分を保持しながら、苦みがほとんどありません。ルチン(そばポリフェノール)は普通のそばの120倍以上含まれており、毎日適量摂取することにより、脳や身体をリフレッシュし、心身を健やかに保つ効果が期待されます。

なぜ、そのような奇跡的なダッタンそばが霧山地域で栽培できるかというと、諸説はいくつかありますが、はっきりとした根拠はわからないとのこと。ひとつ尾根や沢を超えた隣の地域に同じダッタンそばを蒔くと苦みが出てしまうそうです。日本の39箇所に蒔いたが結果は同じとのこと。標高800mの霧山地区から1350mの鷹山地区の一帯は火山灰が堆積した地質で湧き出る水がアルカリ性で、黒曜石が沢山発掘される地区としても知られています。そういった環境が作用しているのかも知れません。

レストランでは、その奇跡のダッタンそばを使った様々な料理を食べることができます。「10割、8割のダッタンそば」をはじめデュラム小麦とブレンドした「ダッタンそばパスタ」、「ダッタンそばのそばがき」や「ダッタンそばエキス入りのソフトクリーム」など、和洋たくさんのメニューがあります。これらの食品は全てレストランに隣接された加工場で製造されています。

10割、8割のダッタンそばは、鮮やかな黄色~オレンジ色をしており、一般的に知られるダッタンそばの灰色掛かった色とイメージが全く違います。食感は歯切れがよく舌触りも良いです。風味は更科そばに近く、さっぱりしています。舌に残る苦みは全くと言ってよいほど感じられません。社長の北村さんの話によると、4、5年繰り返し同じ土壌で育つと年々苦み成分が感じられなくなり、ダッタンそば感が薄れていくので、新しいダッタンそばを蒔き直して風味の調整をしているとのこと。

薬味にもこだわりがあり、通常そばであるようなネギやワサビは相性が悪く、細かく刻んだ大葉、みょうが、大根おろしとの相性が良いです。つゆは少し甘味があり、長野地域で好まれる色の濃い塩気の強いつゆには合わないそうです。それらの薬味とつゆに付けてダッタンそばを食べると、口の中で旨味が広がり、薬味の風味のアクセントも相まってとても美味しく、食が進みます。

最後に出てくる「そば湯」は、綺麗なオレンジ色をしており、濃縮されたオレンジジュースのようです。そばに含まれるルチンは茹でた際に半分くらい茹で湯に溶けだしてしまうので、茹で湯をそば湯として飲むことが健康効果を上げるためには必要になります。そば湯の味はそばと同様に苦みはなく、少しとろみがあります。残った薬味とつゆにそば湯を入れて軽く混ぜて、飲み干します。

そばがきはそばの味が凝縮しており、匙で軽く力を入れるだけで取り分けられるほど柔らかいです。色鮮やかなので、一瞬デザートのように思えます。

パスタは押し出し式の生パスタスパゲティでダッタンそば粉とデュラム小麦が配合されています。パスタの配合比率はコンマ何パーセントの比率で試作を繰り返し、パスタとダッタンそばのそれぞれの特徴を生かすか殺すかギリギリの配合になっているとのことです。パスタの食感は、デュラム小麦だけで作ったパスタに比べると触感は劣りますが、ほのかなダッタンそばの風味と柔らかさのバランスがとても良いです。パスタには必須のオリーブオイルやチーズもダッタンそばの相性が良くないので、使えません。トマト、牛肉など限られた食材の中から最高の味に仕立ててあります。ミートソースには牛肉の他に焙煎したダッタンそばの実も入っており、食べ応えがあり、なにより味付けが抜群に美味しいです。

この様に、機能的で美味しいダッタンそばを「奇跡」といえば簡単ですが、決してその言葉では片づけられない努力とセンスがこの緑の花そば館にあります。北村社長のお人柄も色濃く表現されています。是非訪れて体感してみてください。

(レポート提出/はねた)

【店名】緑の花そば館

【読み(ひらがな)】 みどりのはなそばかん

【 店の電話番号 】0268-68-4232 / 0268-68-0520

【 住 所 】長野県小県群長和町大門2464-2

【 アクセス 】岡谷ICから車で約30分、上田菅平IC、佐久ICから車で約40分

【 営業時間 】11:00~16:00(LO15:30)

【 定 休 日 】木曜日

【ひとり分の平均的な予算】2,000円

【 予 約 】可

【クレジットカード】可

【 個 室 】無し(ペット同伴可のテラス席あり)

【 席 数 】60席

【駐 車 場】有

【 煙 草 】不明

【アルコール】有

【店のホームページ】http://www.dattan.jp

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/6UxZ8Bz4wLypJGRk6

 

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