永坂更科 布屋太兵衛 札幌大丸店 (北海道札幌市) 更科そばの始まりのお店を札幌で味わう

北海道のおいしいそば屋

 北海道の札幌駅とつながる、大丸デパートのレストラン街にあるお店です。このレストラン街には和食、洋食、中華、ビュッフェなど、多くのお店が入っており、いつも賑わっています。

 レストラン街を歩いてお店に行きます。お店の入り口左手に商品サンプルが並んでいます。店名に更科と書かれていますが、生粉打ちそばと細めのざるそばもあります。


 11時半頃にお店に入りました。入り口には店員さんが立っており、お店に入るとすぐに席に案内してくれました。平日の少し早い時間だからか、お客さんは四割程度の着席具合でした。女性のお客さんが多く、ひとり客の女性も何人かいました。女性店員さんが6人ほどいて、てきぱきと動いています。席についてメニューを見ていると、店員さんがお茶を持ってきてくれて、あとで注文を聞きに来る旨を説明していきました。注文を急かすでもなく、そしてちょうど良いタイミングで注文を取りに来てくれて、無駄のない接客を感じました。

 内装は全体的に落ち着いていて、壁、床、テーブル、椅子などが温かみのあるベージュ色で揃えられています。照明も暖色系のもので、全体的に目にも落ち着いた色でまとめられていました。

 メニューを見ると、御前そば(更科)、生粉打ちそば、太兵衛ざるの3つのそばの説明がありました。生粉打ちそばは太兵衛ざると比べると少し太めのようです。温かいそばと冷たいそば(せいろ)のうち、冷たいそばのセットの種類が多くあるように感じました。メニューには、永坂更科の由来が書かれていました。なぜ更科そばを御前そばというのかなど、興味深い内容でした。

 二色天せいろを注文しました。これは、御前そば(更科)とざるそばが一度に食べられます。注文を待っている間、他のお客さんの様子を見ていると、談笑しながら食べている女性グループや、ひとりでお蕎麦を楽しんでいる男性のお客さんなどが目に入りました。どのお客さんも、ゆっくりと蕎麦を味わっている様子がありました。


 注文してすぐ、蕎麦猪口と汁が運ばれてきました。薬味は長ネギを薄く輪切りにしたものとわさびです。汁はあま汁とから汁の2種類があります。どちらも色、味ともに濃く、そばに少しつけて味わう汁です。猪口に注ぐと、香りも強く出ています。あま汁は砂糖の甘みが目立ち、出汁の香りは控えめに感じました。味にまろやかさがあります。から汁はあま汁に比べると塩気が強いですが、出汁の香りと合っており、汁だけを飲んでも塩辛いほどではありません。

 しばらくすると蕎麦が運ばれてきました。朱色の長方形の器に、半人前位ずつ御前そばとざるそばが入っています。もうひとつの器には天ぷらが入っていて、具はエビ、ナス、ししとう、かぼちゃです。御前そばは真っ白で細く、ざるそばは少し茶色がかったねずみ色をしています。どちらもしっかりと水切りされています。


 永坂更科は、更科そば発祥のお店の一つといわれています。ソバの実の一番内側の白い部分だけを使い、真っ白でのどごしがよいのが特徴のこの蕎麦は、「更科」というお店が提供していたために、更科そばと呼ばれるようになったという話があります。今回食べた御前そばも真っ白で、のどごしが良いものでした。箸で何本がつまんでみると、細くて白い麺はとても綺麗です。そのまま何も食べずに食べると、つるっとしていますが噛むと少しモチモチ感があります。あま汁に少しつけて食べてみると、するっと口に中にはいり、のどごしがとてもよく感じられます。御前そばはあま汁が合うように感じました。蕎麦の甘みと汁の甘みが合っています。

 ざるそばは、香り、味ともに甘みがありました。ふんわりとそばの香りが鼻を通ります。切りそろえが一定で角があり、長さも箸でつまむとちょうどよく猪口に入ります。麺に星はあまりなく、色は茶色がかったねずみ色をしています。こちらはあま汁とから汁で印象がかなり違いました。あま汁だとそばの甘みが引き立ち、から汁だと出汁とそばの味がとてもよく合いました。

 付け合わせの天ぷらは、そのまま何もつけないで食べました。何もつけなくても十分に美味しく、蕎麦の合間に食べると食が進み、あっという間に食べてしまいました。

 蕎麦湯は濃いどろっとした白い濁りが底にたまっていました。混ぜて飲んでみましたが、それでもどろっとしていました。あま汁、から汁とも濃いので、蕎麦湯の濃さはちょうど良いように感じました。

 今では更科そばを出すお店はたくさんありますが、北海道にいながら更科発祥のお店の蕎麦を食べられるという意味で、このお店はとても価値があります。更科そばを知るためにはぜひおすすめしたいお店です。

(レポート提出/ゑみう) 

【店名】永坂更科 布屋太兵衛

【読み(ひらがな)】ながさかさらしな ぬのやたへえ さっぽろだいまるてん 

店の電話番号 】011-828-1250

【 住 所 】北海道札幌市中央区北五条西4丁目7 大丸札幌店 8F

アクセス 】札幌駅から大丸デパートに入り、8階へ

営業時間 】11:00~22:00

】大丸デパートと同じ

【ひとり分の平均的な予算】昼 1000円  夜 1000円

【 予 約 】

【クレジットカード】可

【 個 室 】なし

【 席 数 】 4人がけテーブル12席、2人がけテーブル席程度、小上がりテーブルあり

【駐 車 場】 あり

【 煙 草 】 不可

【アルコール】あり

【店のホームページ】http://www.nagasakasarasina.co.jp

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/YNsg7FUsft5Rwf727

どんごろやす
手打ちそば ながお(広島県東広島市)こんな所に豊平流の蕎麦屋さん

いつだったか東広島市の南部に豊平流の美味しい手打ち蕎麦屋さんがあると聞き、居ても立ってもいられず食べ …

のほほんと。
手打そば処 谷屋 (愛知県名古屋市) 元綿問屋を改装した店内でいただく手打ちそば

ゴールデンウィークの初日、名古屋市西区の手打そば処「谷屋」さんへ伺いました。名古屋城までのウォーキン …

どんごろやす
蕎麦 降松(くだまつ) (山口県下松市) 小山の中にある古民家改装の蕎麦屋

下松市東部の山あいにある、古民家を改装した今年ちょうど開業十年になる蕎麦屋さんです。国道2号線やJR …

error: Content is protected !!