手打ちそば きむら(北海道岩見沢市) 住宅街にある、ゆっくりくつろげる蕎麦屋(家)

北海道のおいしいそば屋

北海道岩見沢市にあるお店です。国道12号線からナビを頼りに行きました。どんどん住宅地に進んでいくので、ここで合っているのかと思いながら進むと、住宅地の狭めの通りにまで入ってしまいました。本当にここにあるのかと疑い始めたころに、ちょうど看板と暖簾が見えて、ホッとしました。住宅の1階を改修したお店です。暖簾も看板もなければ気づけません。店の前に車が2台停まっていたので、その横に停めて中に入りました。

玄関のドアを開けて入ると、正面に入り口の引き戸があり、右側に下駄箱があります。靴を脱ぎ、下駄箱に入れて中に入りました。

引き戸を開けるとすぐに広間になっており、4人がけのテーブルが3つと、右手には掘りごたつになった10人程度が座ることのできる大きなテーブルがあります。テーブル席は囲炉裏がついており、テーブルの間隔が広いので、足を投げ出して座りたいくらいでした。テーブル席には大きな窓があり、日差しが入るのでとても明るいです。ラジオが流れていてお客さんのおしゃべりも聞こえますが、広いので気になるほどの大きさでもなければ、特に賑やかということもありませんでした。きっと元々が広い居間だったのではないかと思います。薄茶色の壁、少し濃いめの茶色のフローリング、ところどころに飾られた小物など、落ち着いてはいるものの、明るくて快適な空間です。

女性店員さんが出迎えてくれました。「お好きな席へどうぞ」とのことで、窓の近くのテーブル席に着きました。

店の奥には厨房があります。厨房と客席は仕切りがあり、ぱっと見では厨房の奥まで見えないようになっていますが、会計の時に覗いてみたところ、ご主人が釜前で茹でており、先ほどと別の女性の方が盛り付けや配膳の準備をしている様子でした。厨房の右側にそば打ち場がありました。そば打ち場の壁に「江丹別そば」ののぼりがありました。

席に着くとすぐに、お水とほうじ茶、そしてそばを揚げたお菓子が出てきました。メニューは手書きのものをコピーして作ったものです。全てのメニューに簡単な説明があります。冷たいそば、暖かいそばのどちらも10種類ずつあり、お持ち帰りそばもあります。このお店には北海道では珍しく、高遠そばがありました。箸と薬味を兼ねた長ネギで食べるそばです。高遠そばとぶっかけそばは、イラスト入りのメニューで紹介されていました。

おすすめも気になるところでしたが、二色そばと鴨南そばを注文しました。そばが出てくるまで15分ほどだったと思います。お菓子をつまんだり他のお客さんの様子を見たりしていると、おそばが出てきました。

二色そばは、太めで黒い田舎そばと、一般的なせいろそばの合い盛りです。薬味は長ネギ、わさび、大根おろしです。

田舎そばはいかにもといったような、黒くて太いそばです。見ただけでコシと硬さがわかります。星が多く、これがさらに黒さを出しています。薄いところでも4mm、太さは1cm近くありそうです。太くても、箸で持ち上げると十分な長さのあるそばです。つまんでみると、予想通りの硬さがあり、1本1本をしっかり噛んで味わうそばとなっています。箸で持ち上げると太く固いことがわかるような麺の絡み方をしています。

細いそばは、田舎そばの横にあると細く見えますが、1.7から2mm程度の太さはあると思います。クリーム色に近い茶色で、星がわずかに見えます。断面を見た感じではつるっとした印象です。鼻を近づけてみると、香りがほのかにあります。口に入れてみると、少し柔らかい感じもしましたが、そばの甘みがあり、味はしっかりしています。

汁は徳利に入っており、量は少なめです。猪口に入れると、色は濃いですが香りは甘みが強いです。味は、色から想像するほどの塩辛さはなく、濃いが甘めでちょうど良く、太いそばとも細いそばとも合う味になっています。

鴨南そばは、具は鴨5切れ、焼いた長ネギ、舞茸、三つ葉、ゆずの皮がのっています。盆には山椒もついてきました。丼の上に具がぎっしり並んでいて、そばの麺が丼の端に3本くらいしか見えません。ゆずの皮と三つ葉の良い香りがします。汁の出汁の香りと合って、とても食欲をそそります。鴨が柔らかく、すぐに嚙み切れるほどです。脂はありますが、汁に溶け込んでもくどくなく、三つ葉とゆずの皮の香りと味もあるので脂気がほとんど感じられません。焼きネギは汁に入れる直前まで焼いていたのか、熱々で入っていました。想像したよりも柔らかくて食べやすかったです。焦げの感じと切れ目が入っているところに丁寧さを感じました。

蕎麦湯は食事の途中で運ばれてきました。食べ終わってから蓋を開けても白濁している部分が沈んでおらず、とろみがかなりある蕎麦湯です。そばの香り、味ともに強く感じられます。

蕎麦湯のあとから熱い緑茶が出されました。食事の後ににいただくと、口の中がさっぱりしました。

住宅地の、しかも狭い路地に入らないとわからないお店ですが、お昼時にはお客さんが途切れることなく来ていました。通りかかって寄るというよりも、探さなければ見つけられないお店ですが、足を運ぶ価値は十分にあると思います。

(レポート提出/ ゑみう)

【店名】手打ちそば きむら

【読み(ひらがな)】 てうちそば きむら

【 店の電話番号 】0126-20-1616

【 住 所 】北海道岩見沢市元町1条東8丁目3-9

【 アクセス 】岩見沢駅から車で5分程度、住宅街にあります

【 営業時間 】11:30-14:30

【 定 休 日 】月曜日・火曜日

【ひとり分の平均的な予算】昼 1000円

【 予 約 】可

【クレジットカード】不可

【 個 室 】なし

【 席 数 】座卓4人×3席、掘りごたつ12人×1席

【駐 車 場】店の前に3台程度

【 煙 草 】不可

【アルコール】あり

【店のホームページ】なし

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/CMqc1ppdFBKHbpPc9

どんごろやす
蕎麦 降松(くだまつ) (山口県下松市) 小山の中にある古民家改装の蕎麦屋

下松市東部の山あいにある、古民家を改装した今年ちょうど開業十年になる蕎麦屋さんです。国道2号線やJR …

のほほんと。
蕎麦割烹 黒帯(愛知県名古屋市) 十割そばと二八蕎麦の食べ比べ

ラストオーダー30分前の13:30頃に店舗に到着。店内は満席で、前に3組のお客様が待っている状態でし …

ルーモス
蕎麦割烹 黒帯(愛知県名古屋市)伝説の蕎麦職人の味を受け継いだ蕎麦割烹「黒帯」で希少種「幻の蕎麦」をいただく

以前、鶴舞店へ伺った「蕎麦割烹黒帯」さん。特徴ある蕎麦をもう一度食べてみたいと、今回天白本店へ伺いま …