そば神田(北海道千歳市) 家族でゆったり味わいたいお蕎麦屋さん
- By: Reporter
- カテゴリー: そとみ, 北海道のおいしいそば屋, 蕎麦Webレポーター別、そばのクチコミ, おいしいそば屋の食べ歩きレポート
今秋ついに定年を迎えてしまった。家族は東京に残り、実家のある北海道は北広島市に40年ぶりに帰郷し、80歳を過ぎた母と暮らしつつ、札幌の支店で再雇用での仕事が始まった。
東京では、カメラを背負い自転車に乗って評価の高い蕎麦屋を探してはグーグルマップに☆印をつけて訪問することを楽しんでいた。コロナ流行後在宅勤務が始まり、北東製粉さんの教室で習った蕎麦打ちにも毎週自宅で挑戦するようになっていた。
これからもライフワークとして蕎麦と付き合っていきたい・・・。
そんな思いを持ちながらマップ上で北広島周辺の評価の高い蕎麦屋を訪ねることをふるさとでも開始した。
10月上旬のある土曜日、自転車修理のため、千歳の自転車屋まで走ることとなったが、いつもの通り経路上の蕎麦屋を地図上で当たってみた。千歳市街地の外れにある『そば神田』に目が止まった。評点4.1、いい評価の口コミ数が多い。若葉蕎麦を練り込んだルチン豊富な美味しいお蕎麦とある。少し遠回りになるが、家から終着まで30㎞弱と丁度良い距離でもあったので行ってみることにした。
午後1時半、空港に着陸する飛行機のルートの真下近くの住宅地の中に、2階建ての一軒家風の食堂をみつけた。4台程度停められる駐車場がある。自転車を家屋の壁沿いに立て掛け、開き戸を2回通り抜け中に入ると、外観から感じた和定食屋さんの雰囲気そのものだった。入って右奥の上にテレビが置いてあり、手前には4名テーブルが2卓、その奥は壁沿いにカウンター4席、左手奥に座敷がありテーブルが2卓用意されている。キッチンと帳場は左手にあるが、中は暖簾に隠れて様子はわからない。店員のおばさんに了解をとって、カウンターの一番左手の席に座った。全体に窮屈な間取りではあるが、お茶の間風の落ち着いた雰囲気があり座り心地も悪くない。
初めての店では通常もりを注文するが、遅い昼食で2時間ほど運動したあとでもあり、あつもりの「とりセイロ」を注文した。席はすでに半分ほど空いていたが15分程度と結構な待ち時間を経て届けられた。
蕎麦は、小さめの趣のあるセイロ二段の中に美しいウェーブを描いていた。お品書きには、北海道産蕎麦粉100%使用とある。挽ぐるみの細かな粉(白目)を使用したと思われる江戸蕎麦タイプである。まずは蕎麦だけを口に含むと、新蕎麦なのか、程良い香りと適当な弾力・粘りを感じた。若葉蕎麦添加の効果は不明だが、本格的な蕎麦である。
北海道らしい黒褐色のつゆには、食べやすく切られた鶏肉(手羽もとか?)と長目に輪切りにされたねぎが数本浮かんでいる。よく見ると肉厚の椎茸が1本そのまんま浮かんでいる。箸を入れると、器の底に分厚くかなり鋭角に切られたごぼうがごろっと数枚沈んでいた。熱々のつゆの味は、醤油の味を強く感じるが、鳥の油と野菜類のだしがバランスよく纏まっている。蕎麦との相性も抜群で、あっという間に2枚を平らげてしまった。量は普通盛と大盛の中間位だろうか。いつもはつゆは半分以上残して失礼しているが、今回はつゆを薄めつつ程よい薄めの蕎麦湯を何度も追加してすべて飲み干してしまった。運動で汗をかいたこともあるが、止められなかった自分に驚いてしまう。
こちらのお店は、715円(税込)のラーメンが一番の人気メニューであることが壁に貼られた新聞の記事で分かった。メニューには
- スープは本格西洋料理仕込みで、徹底して灰汁を取り除き、究極の透明感を得ました。
- そば造りで得た経験を生かし、小麦とかんすいの絶妙ブレンドで「こし」のある麺ができました。
- 決め手は「温度管理」。スープの熱さ、麺の茹で上げ温度・時間を徹底追及。
との説明書きが添えられており、強いこだわりが感じられる。つけつゆも同じ姿勢で研究されているのはないだろうか。
単価は良心的である。もり638円、とりセイロ825円、天ざる1,023円と普通の蕎麦屋と比較して100円から200円以上は安い。列を作る流行りの蕎麦屋は、おしゃれな和風のインテリアとこだわりの蕎麦を高い単価で大人に提供する店が多い。そのスタイルも勿論好きだが、家族が気軽に入って、団らんの中で子供たちがおいしそうに蕎麦をすすっている様子を見ると、こういった店こそが蕎麦本来のおいしさを日本人に浸透させているのではないかと思うのである。
後日、自転車を引き取った帰りに2回目の訪問を果たした。天ざるをいただく。つゆは、北海道らしく辛めだった。てんぷらは、衣はサクサク、種は野菜のうま味がしっとりと凝縮されている。ラーメンは、来年にとっておこう。
(レポート/そとみ)
【 店の電話番号 】
0123-24-1930
【 住 所 】
北海道千歳市梅ケ丘1丁目9−8
【 アクセス 】
JR千歳駅から3㎞弱(バス停はあるが不便)
東大通沿、北洋銀行祝梅支店近く
【 営業時間 】
11:00~14:30、17:00~20:30
【 定 休 日 】
なし
【ひとり分の平均的な予算】昼 700円~ 夜 1000円~
【 予 約 】
可
【クレジットカード】
不明
【 個 室 】
なし
【 席 数 】
20席
【駐 車 場】
4台
【 煙 草 】
不可
【アルコール】
あり
【店のホームページ】
なし