無策房 逸香(千葉県東金市) 緑豊かな落着いた立地の蕎麦屋さん

関東地方のおいしいそば屋

店がある東金市は千葉県のほぼ中央に位置していて、農業が盛んな町ということで、市内には市民農園・観光農園もある。

高円宮家の三女の絢子様が通っていた、城西国際大学があります。

東金駅から見て、市街地と逆方向の山側に店はあります。

駅を出て東金文化会館を目指していくと分かり易いと思います。文化会館までは行かないですが山道っぽくなってきたら、小さな溜池もしくは『セントラルパーク 自然体験の森』の看板を目印にしていくと近くの電柱に「手打ちそば 逸香」の案内が出てくるので見落とさないよう注意が必要です。

あとは案内通りに溜池に沿って細道を登っていくと、自然に囲まれた中にお店があります。漆黒の建物に広い駐車場、店舗に続くアプローチ、芝の植えられた庭、森林に囲まれた隠れ家のようなお店です。

大きい暖簾をくぐり店内へ入ると、その日に使用されている蕎麦粉が掲出してあります。

この日は【北海道 沼田町産 北早生種】でした。

北海道を代表する品種で1989年に農林水産省へ命名登録され、初めて登録番号が付けられた蕎麦。

早熟で採れる量も多いので、早ければ夏のうちから「新そば始めました。」と書いてある蕎麦屋さんでは比較的に多く使用されているので、見たことある。聞いたことある。という人は多いと思います。

店内の様子に話を戻して、入ってすぐのところに簡易的な下駄箱があり、スリッパに履き替えて店内に入ります。

客席に案内され最初に目につくのは、大きな窓から見える庭一面に植えられた芝と森林の木々の緑なのですが、店内のオレンジ色の優しい電気の色の落ち着いた雰囲気が相まって、ものすごく趣がありとても落ち着いた空間を作り上げています。

外観からも感じ取れた隠れ家感が、より一層増してきます。

メニューは、季節限定で1日10食限定の生粉打せいろを出しているようで、開店直後に店に伺ったので注文できました。通常のせいろは九一のようです。

食べ比べようと思い、2種類のお蕎麦を注文しました。

自分の前に3組の方が注文を終えて料理待ちのようで、料理が出てくるまでに20分弱でしたが、店内には自由に読める蕎麦の本が置いてあり待ち時間はあっという間でした。

・生粉打(十割)

最初にこちらの蕎麦が出てきました。

麺は丸皿の竹すだれに盛られ、薬味はわざびとねぎ、おしんこが少し。

麺はよく水切りされていて、ホシの全くない細切りです。

自分の好みなので期待が膨らみましたが、食べて驚きました。

単純に「ものすごく美味しい!」です。

雑誌で多く紹介されていたりと、グルメサイトで高評価なので元から期待はしていましたが、その期待を超えてくるほど美味しかったです。

麺だけを食べると、最初の一噛みから一気に蕎麦の香が口の中に広がり、自分の呼吸と合わせて鼻から蕎麦の香が抜けていくのを飲み込むまで終始感じます。

生粉打とは思えないコシがあり噛みごたえがり、ほんの少しの粘り気はあるが歯ぬかりはほとんど無く、食感としては噛んだときにスパっと切れるというよりはつぶれながら切れる。舌触りもなめらかな蕎麦は、つゆ無しで十分に美味しいお蕎麦です。

・九一

十割と比べると少しホシがあり、歯切れも良く蕎麦の香も強い。

粘り気も十割よりあり、二番粉と三番粉を混ぜ使用していのかな!?という印象。

店の人に聞こうと思ったのですが、すっかり忘れてしまいました。

こちらも美味しい蕎麦なので人気店なのが納得できます。

つゆは6種類から選ぶことができて、一部はプラス料金がかかります。

今回は普通のつゆで辛口と甘口の2種類をいただきました。

・凛(辛口)

濃厚で旨味が存分に出ていて、ずっと口の中で味が残っている。

濃厚な味なのにキレがありさっぱりと食べることができます。

・優(甘口)

つゆの色が薄いので凛(辛口)より味が薄いだけなのかな?と思ったのですが、食べてみたらそんなことはなく、塩分控えめでつゆの旨味がすぅーっと数秒で口から鼻から一気に抜けていき、非常にさっぱりして食べやすい。

蕎麦と汁を2種類ずつ注文したので、各組合せごとの感想も簡単に書きます。

・十割×濃口

汁の味が濃いので、最後まで汁の味が口の中に残ります。

蕎麦の風味に勝ってしまうため、つゆの味を楽しむのに麺は好みの触感で選ぶのが良いと思います。

・十割×甘口

蕎麦の風味 → 汁の味 → また蕎麦の味、順番に感じる。

食べていても味の変化があるので、次から次へと食べたくなります。

蕎麦の味も汁の味も楽しめるので、自分はこれがオススメです。

・九一×濃口

味がキリッとしまる印象。

蕎麦だけをお腹いっぱいに大盛りで食べる人に良いと思います。

・九一×甘口

蕎麦と汁の風味が噛んでいるうちに抜けていってしまうので、薄味が好みの人、軽く食べたい人、蕎麦以外にも丼ものを一緒に食べる人に良いと思います。

麺もつゆも種類があり全てが美味しく、ひとつの店舗で自分の好みを探りながら食べ比べできたので、とても楽しく美味しく良い食べ方をできたと思います。

雑誌を見て知ったのですが、店主は老舗蕎麦屋「神田まつや」にて修業したそうです。

蕎麦好きなら一度は名前を聞いたことある、有名なお店で修業していたことを納得すること間違いなしのお店です。

店の雰囲気も良く、接客もあたたかく、美味しい蕎麦を食べことができる【無策房 逸香】はお気に入りの店になりました。

(レポート提出/まぁーと)

【 店 名 】無策房 逸香

【 読 み 】むさくぼう いっか

【 店の電話番号 】0475-55-8021

【 住 所 】千葉県東金市松之郷2420-3

【 アクセス 】東金駅から1.3km

【 営業時間 】11:30~14:00・17:30~20:30(蕎麦が無くなり次第終了)

【 定 休 日 】 火曜

【ひとり分の平均的な予算】1000円前後

【 予 約 】可

【クレジットカード】不可

【 個 室 】無

【 席 数 】 カウンター2席 4人テーブル×3卓 2人テーブル×3卓

【駐 車 場】16台

【 煙 草 】禁煙

【アルコール】有

【店のホームページ】無

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/wpVEjBandepLkMTM8

 

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