凡味そばきり(群馬県高崎市)趣のある古民家風の蕎麦屋

群馬県のおいしいそば屋

この日、私は群馬県高崎市に出張しておりました。職場の友人が「お昼は何が食べたい?」と私に尋ねました。私は食べログの「そば百名店」に3年連続選出されているこの店に「ぜひ行ってみたい。」と伝えると、蕎麦好きな彼も「行ったことがない。」ということで意見が一致し、二人で行くことになりました。早速、車のカーナビに「凡味そばきり」を入力し、直行しました。「凡味(ぼんみ)って、どういう意味なのだろう?」と思い、ネットで調べましたら「気取らない味」ということでした。この店は、高崎駅から約3㎞の場所にあるので、車かタクシーを利用した方が良いと思います。


お店の外観は、古民家風の風情のある建物です。入口の石畳には打ち水がしてありました。夏の蒸し暑さを和らげる、さわやかな涼しさを感じました。紺色の暖簾をくぐり、格子戸を開けると、左手は調理場になっており、右手にはテーブル席と座敷があり、その奥にも座敷がありました。壁はベージュ色で、趣のある空間になっていました。開店して10分後に到着したのですが、さすが名店と言われるだけあって、金曜日でも既にほぼ満席でした。中年のご夫婦やサラリーマン、友人同士が、先客でした。ちょうど奥の座敷が1卓空いていましたので、私たちはそこに案内されました。まるで茶室のような部屋で、障子硝子から眺めるお庭が素晴らしくいい景色で、床の間には愛と書かれた掛け軸と陶器の花瓶には白い花が一輪生けてありました。店内は物静かで、お昼時というのに、あわただしくなく、時間がゆっくり流れていくような、落ち着いた雰囲気でした。


メニューを見ながら、「田舎そば」(税込780円)か「せいろそば」(税込780円)のどちらにしようかと悩んだ末に、「せいろそば」にしました。大盛もできるということなので、二人とも大盛(税込1,100円)を頼みました。注文して7分後に、店員さんが注文した品を運んできてくれました。漆黒の長方形の器に、蕎麦が3つ盛り付けられていました。薬味は、大根と山葵とネギでした。蕎麦は「北海道産の二八そばです。」と店員さんに教えてもらいました。蕎麦の外観は、みずみずしく、つやがあり、透明感もありました。麺の長さは短く、麺の太さは細く角がありました。ホシもありました。量は、普通盛は2盛ですが、大盛は3盛だったので、満足のいく量でした。


一口目は、麺を左の手のひらに乗せて、そのままいただきました。麺の舌触りは、つるつるしており、弾力がありました。二口目は、山葵を蕎麦の上に乗せて食べました。山葵の辛味が鼻にツーンと抜けるのと、細麺なのに噛み応えがあり、そばも冷たくてとっても美味しいです。

店主が選んだというセンスがいい陶器の徳利に入ったつゆを、同じ模様の猪口に移して味見してみました。汁を舐めてみた印象は、カツオ出汁の味が効いており、香り高く、甘さも辛さも強くなく、抜群の味に仕上がっていました。

いよいよ、蕎麦に大根おろしを乗せて、麺につゆをたっぷりつけて、一気にズズッと噛まずに飲み込みました。蕎麦が冷たいのと、麺がツルツルしているので非常にのど越しがよく、大根おろしの辛みがアクセントになり、つゆの香りも口の中に広がっていきました。友人には「伸びないうちに、いただきましょう。」と言って、私も大根おろしと山葵を交互に乗せて、一気に平らげました。

そばを食べ終えるころに、店員さんが蕎麦湯を運んで来てくれました。漆黒の湯筒に入った半透明な蕎麦湯をつゆに注いだ後に、ネギを全部入れました。先ずネギをいただきました。食感はシャキシャキして、とってもおいしいです。次に蕎麦湯を飲んだ印象は、大変さっぱりとした味わいでした。

柱に「わらび餅」(税込350円)と「そばアイス」(税込350円)の貼り紙がありました。気になったので、私は「そばアイス」を注文しました。友人は「わらび餅」を注文しました。

色は濃いベージュ色で、アイスクリームには煎ったそばの実が掛かっていました。冷たくてほんのり甘い味わいは、食後に最適でした。

友人に「わらび餅」の感想を聞くと、すでに完食しており、「とっても美味しかった。」の一言でした。

食後は、番茶をいただきました。温かいので、気持ちをほっこりさせてもらい、口の中もすっきりさせてくれました。

お勘定の際に、調理場の中におられた店主に「大変美味しかったです。」とお礼を言いましたら、笑顔で丁寧にご対応していただきました。

茶道には、「わび」「さび」の世界感がありますが、そういう空間を体験させてもらえたお店でした。「わび・さび」とは、「派手さや飾り気のないもの」または「質素で静寂に包まれた空間」という意味だそうです。まさしくこのお店のコンセプトにピッタリではないかと思いました。「凡味」という意味が、店主の言う「気取らない味」というのも納得ができました。

名店と言われる蕎麦屋は、蕎麦のおいしさはもちろんのこと、店の雰囲気や店員さんの接客態度等の総合評価が高いお店だと思いました。

お店を出た後、友人が開口一番に、「次回は、大切なお客様を是非ご招待したい。ここなら、きっと喜んでいただける。」と自信ありげに語ってくれました。

私の今回の採点は、蕎麦の味、盛り付け、趣のあるお店の雰囲気、人当たりがいい接客等を総合して、100点満点とさせていただきました。

(レポート提出/いり番茶)

【 店 名 】凡味 そばきり

【 読 み (ひらがな)】ぼんみ そばきり

【 店の電話番号 】027-361-4928

【 住 所 】群馬県高崎市問屋町西1-8-6

【 アクセス 】JR高崎問屋町駅から徒歩15分

【 営業時間 】昼11:30~14:30 夜17:30~19:30

【 定 休 日 】火曜日

【ひとり分の平均的な予算】 1,000円

【 予 約 】不可

【クレジットカード】不可

【 個 室 】有

【 席 数 】個室が3部屋

【駐 車 場】有

【 煙 草 】禁煙

【アルコール】有

【店のホームページ】なし

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/myAsiSqdSdJ7KjV49

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