手打ちそばさか間(神奈川県秦野市)丹沢山の麓の山荘で在来そば

関東地方のおいしいそば屋

小田急渋沢駅からは週末になると、バスで山登りの人が大勢大倉に行き、そこから丹沢山に登って降りてくるのだが、昔はバスが無かったので、その人らを迎える山荘があまたあった。

ここ「手打ちそばさか間」が陣取る元山荘は、山登り客が少ない頃にはタバコ蔵だったのだが、日本タバコが秦野の生産工場を閉じるとともに山荘に衣替えして、バスが来るようになると、この「手打ちそばさか間」になった。

先代が脱サラして始めたのが2001年のことで、全国から在来そばを取り寄せて低速の石臼で自家製粉して、名水百選の湧水で十割で打って食わせてくれるし、定番のものも、大野在来混りの二八のことが多く(きょうは違う)、実に贅沢なそばである。

ちなみに、わたしゃ、秦野で広い畑を借りて、自然農をやり始めて、しばらく経って、ここを見つけ、2014年から通うており、もう数十回は来ている。わたしが培う椎葉在来を、ここの味比べに加えてもらったこともある。すこぶる評判が良かった。

土日の夕方は山を降りてきた客で賑わう。山登り客が主かと思うていたが さにあらず、平日は県立戸川公園で遊ぶ一般客で賑わう。

わたしゃ、かみさんが家の掃除に来た時に、大概月曜日に、ねぎらいに連れて行って馳走するのだが、正午を過ぎると混むので十一時半までに行くことにしている。

建物の作りは、元タバコ蔵とは言うが、立派な木材を使うていて、黒光りした柱や梁が、どっしりと存在感十分である。

きょう水曜日は、あらためてレポートの為に、ひとりで食いに来たのだが、もみじ見物の客が昼前から何組か入っている。

仲居さんが若大将のおふくろさんに加え女二人居て、そば茶を持って来て 物腰柔らかく注文取るが、常のごとく蕎麦の実大根おろし蕎麦を、ただしきょうは在来十割で注文すると、若い亭主が「二宮さん良い時に来た。福井の永平寺在来が入って、近頃まれな良い味ですよ」。おーそりゃぁ幸運だ。

器はどれも渋い色合いで、近くの陶芸家が作ったもの。

丸皿に盛られて、大根おろしと蕎麦の実のほかに、いくつか野菜も盛られている。小さい蒲鉾も嬉しい。薬味は刻みねぎとワサビだが別皿にあり、さらに別に塩がひと摘みある。この塩は、そばつゆを使う前に、まず生の味を 味わってほしいと言うことからである。亭主のこだわりが、見て取れる。

その塩も使わず、わたしゃ、ほどよい長さの麺を何本か、食うてみる。

碾きぐるみだが、星はほとんど無く、食感は弾力有り。しかし硬くはなく、のど越しも良い。

風味は、あとから出てくる。昔感激した鯖江の蕎麦ほどではないが、時期の問題もあるのだろう。

メニューには、冷たい蕎麦・あたたかい蕎麦・季節のお勧め蕎麦あり。きょうは飲まないが隣町の地酒松みどりが良い。そば前の天ぷらや鴨も旨い。

そばの種類を示すメニューが貼り出されており、丸抜きは南魚沼の「とよむすめ」、玄挽きは北海道滝川市のキタワセ。それに本日の十割そばは、福井の永平寺在来。いずれも新そばだ。

蕎麦湯は薄くもなく濃くもなく、焼酎を割って飲みたい濃さだ。

そばつゆは、かつを出汁の本返しで、これを蕎麦湯の味付けとして飲む。最高に旨い。満足しました。

(レポート提出/そば遊山)

【店名】手打ちそばさか間

【読み(ひらがな)】 さかま

【 店の電話番号 】

【 住 所 】神奈川県秦野市堀山下1291

【 アクセス 】小田急渋沢駅から大倉行きバス終点向い

【 営業時間 】11:00~18:00

【 定 休 日 】 木曜日と第三水曜日

【ひとり分の平均的な予算】昼1000~2000円 夜2000~5000円

【 予 約 】可 電話予約もしくはメール

【クレジットカード】可

【 個 室 】なし ただし小あがりと二階は仕切れる

【 席 数 】いす四人席X三つ 一人席X六つ

小あがり四人席X四つ 合せて三十四席

二階に宴会席二十人分

【駐 車 場】無料九台および近くのビジターセンター有料駐車場

【 煙 草 】不可

【アルコール】日本酒・ビール・焼酎

【店のホームページ】ありhttp://www.sakama.co.jp/index.html

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/Sp7QDNRHDxQ2

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