丹沢山系　麓の登山道に繋がる県立戸川公園前にあるそば屋。合掌造り風の背の高い三角のとんがり屋根が際立つ古民家風の建物。室内は古民家の調度品などが目立ち、太い柱や黒っぽい色調から旧家の落ち着いた雰囲気に浸れる興味深いお店の空間である。そば打ち場もガラス越しに見え、粉挽き稼働中の石臼も見える。

人気のお店なので休日は混み合っており順番待ちの名簿に記入して待った。 この時期は登山シーズンで下山してきた若い女性グループや子供も含めた家族連れなど多くの客層が訪れていた。お店の名前の入ったTシャツを来たお店の方が現地で仕入れたご自慢の日本酒などを説明しながら賑やかに接客していた。過去に訪れた時に写真撮影も了解されていたのでそば打ち場をガラス窓越しに撮影していたらそば打ち場のドアーを開けて中を見学させてくれた。客の興味に敏感に丁寧に応対してくれることに嬉しくなってしまうお店の雰囲気がある。

メニューには冷たいおそば、温かいおそば各々に多くメニューがある。こだわりのそばを売り物にしているおそば屋さんらしく、全て石臼挽き自家製粉で、十割そば、粗挽きの二八そば、玄そば挽きぐるみの二八そばなど　そばの産地や品種を表示してあるのが好印象である。この時期の期間限定の”きのこせいろ”を楽しみにまた今回も訪れた。即座に二色（ヌキ、玄そば）せいろときのこが豊富に入った温かいつけ汁の組み合わせの”きのこせいろ”と”牡蠣の天ぷら”を注文した。

給仕されてきた陶器に盛られたそばは色が濃く星がたくさん際立つ玄そばを挽いたそばとマルヌキを挽いた明るい色のそばのメニューから想像した通りの二色もりである。そばは北海道深川産（レラノカオリ）と詳しく解説された印刷物が各テーブルに置いてある。

二八そばで細打ちされた二色盛りのそばは光沢がある。盛り付けられた量も十分である。早速そばだけを食べて見た。ほんのり感じる程度の甘さがある。香ばしい感じがする。色の濃い玄そばを挽いたそばは弾力があり腰がある感じである。白い色のヌキを挽いたそばは濃い味ではないが香ばしい味とともにもっちりした食感である。二八そばとしてのどごしが良い感じがした。そばだけを二色交互に食べ続けてもおいしい味がした。

期待していたきのこ汁はしめじの他いろいろのきのこが入っているようだ。だしのきいた汁が口の中全体にキリッと広がり食欲を刺激する。そばをきのこ汁に入れて食べるとそばの甘さが引き立つようだ。またそばだけを食べたり汁につけたり繰り返しながら味を噛み締めた。

合わせて牡蠣の天ぷらが牡蠣殻に盛られて運ばれてきた。塩を振って食べた。ぷりぷりの牡蠣の身からは海水の塩味がするようだった。天つゆにつけてもいい味である。木製の湯桶で出されたそば湯は普通の濃さだった。きのこ汁にそば湯を足しながら全てのきのこ汁を飲み干した。
車で来たので残念ながら店長ご自慢の数々の地方の地酒の日本酒を味わえなかった。中央の同じテーブル着いていた山ガールのグループが、曇りの天候の下山後に味わっている日本酒の味の感想を店長とやりとりしている様子は非常に羨ましい限りであった。

今度来るときは十割そばを食べてみたい。興味を引いたのは店長の説明の４台の石臼を使い分けの話だった。２台の大きな電動石臼が玄そば、マルヌキの粉挽きにそれぞれ稼働していた。１台は手回しの石臼で十割そばのそば粉を挽くのに使うと店長の説明だった。もう１台はドイツ製の木箱に納まっている小形の石臼で打粉や粗挽きの粉を挽いているということだった。

こだわりのそばを提供するお店と銘打っている通り、メニュー、石臼自家製粉、そばの産地や種類等々　食味体験には興味が尽きない発見がたくさんあるお店である。

（レポート提出/そば好き伝統の味）

【店名】　手打そば　さか間

【読み(ひらがな)】てうちそば　さかま

【 店の電話番号 】Tel: 0463-89-2533, Fax: 0463-80-5058

【　住　所　】〒259-1304神奈川県秦野市堀山下1291

【 アクセス 】小田急線渋沢駅から終点大倉バス停県立秦野戸川公園前15分、

車もおすすめ

【 営業時間 】11:00～18:00

【 定 休 日 】毎週木曜、第三水曜

【ひとり分の平均的な予算】昼　￥750～￥1,800

【　予　約　】可

【クレジットカード】可

【　個　室　】なし

【　席　数　】座敷座卓4人x 4、中央テーブル７人x 1、テーブル4人x4、

３人x 1、裏庭東屋　8人　裏庭屋根なしテーブル４人x 1　　　　　合計54席

【駐　車　場】　9台

【　煙　草　】禁煙

【アルコール】有

【店のホームページ】http://www.sakama.co.jp

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/PiFgnwjya8B2