地肴酒手打蕎麦ZARUBAKU Chigasaki (神奈川県茅ケ崎市) 湘南の絶品手打ち蕎麦 | 日本蕎麦保存会jp そば研究家片山虎之介の蕎麦情報マガジン

地肴酒手打蕎麦ZARUBAKU Chigasaki　(神奈川県茅ケ崎市)　湘南の絶品手打ち蕎麦

By: Reporter
2019年8月10日
カテゴリー: 関東地方のおいしいそば屋, 関東甲信越のおいしいそば屋, 神奈川県のおいしいそば屋, おいしいそば屋の食べ歩きレポート, はねた

関東地方のおいしいそば屋

神奈川県茅ケ崎市、茅ヶ崎駅北口から徒歩５分。駅から行くと、ヨーカ堂の手前の路地をミニストップ方向の左へ曲がり、100メートルほど進んだ左側に「ZARUBAKU」と白く光る看板が見えます。建物はコンパクトな一軒屋で看板が無ければ一見雑貨屋にも見えるお洒落なつくりです。開店は約一年前の2017年10月25日。そんなZARUBAKU　Chigasakiは、2005年にオープンした神奈川県藤沢市にある手打ちそば＆湘南旬菜ダイニングZARUBAKUの２号店です。
店内は明るく奥行があり中央に調理場と対面式のカウンターがあります。机や椅子は明るい木目調、天井は黒、壁は白く漆喰の風合いがあります。客層は男女組やサラリーマンの団体客など落ち着いています。店長の森田さんは粋があり接客に定評があります。女性店員も笑顔で細やかな接客をしてくれます。

メニューには神奈川県横須賀市の佐島漁港や静岡県伊東市の伊東漁港などの相模湾の漁港から直送で仕入れた鮮魚の刺身や地元の藤沢野菜を使ったサラダなど、蕎麦と並んで魅力的なメニューが沢山あります。お酒の種類も豊富で、お酒好きには堪らない品揃えです。

その中でも興味をひいたメニューは鴨肉を使ったメニューです。鴨鍋、鴨ロース、鴨とネギの塩焼き串、鴨せいろ、鴨南蛮、など様々なバリエーションがあります。メニューに写真の載っている鴨鍋は食材が色鮮やかで食欲をそそります。メニューの説明文によると、ネギ・セリ・クレソン・水菜・ゆずなどの香味野菜と枕崎産カツオだしが濃厚に香る一品で2人前より注文可能。鴨なべの残りつゆにざるそばを付けて食べるのも美味しいとのこと。藤沢店に行った時には数人で行って食べてみたいです。

沢山あるメニューのなかで、先ずは刺身の盛り合わせ、牛すじとシイタケの煮込み、和牛と揚げそばのコブサラダ、地野菜のおまかせキンピラ、鴨とネギの塩焼き串を注文しました。運ばれてきたメニューはどれをとっても器と盛り付けのバランスが良く、素材の味を感じられます。特に漁港直送の刺身は内地育ちの私には到底お目に掛かれない珍しい種類や肝などが綺麗に盛り付けられていて、見ても食べても楽しく、ついついお酒もすすんでしまいます。

最後にざるそばとカッペリーニを注文しました。ざるそばは小さ目の四角いざるに薄く盛られています。色は白と黒の中間色で透明感があります。均一に切られた細めの蕎麦で、ホシは少しだけ見えます。つゆを付けずに食べて感じた香りはすぐに鼻に抜ける爽やかさがあります。舌触りはつるつるとしていて、食感は弾力が強めで、ぷりっとしています。蕎麦湯は蕎麦を茹でた茹で釜から直接すくった、さらっとしたタイプです。

蕎麦は二八で、蕎麦粉は北海道や福島県会津地区の国産石臼挽きを使用して、小麦粉は中力粉とのこと。蕎麦粉の地区を限定してしまうと、年間通して安定した味になりにくいので、適宜に変更しているそうです。つゆは二年以上熟成させた枕崎産の亀節と本枯れ節を出汁に使っていて、さっぱりとしていながら奥深い味わいです。変わり種のカッペリーニは同じ蕎麦にトマト・ネギ・大葉が鮮やかに乗っていて、味のアクセントとしてオリジナルのガーリックオイルがかかっています。冷たい蕎麦・トマト・つゆ・ガーリックオイルの相性が抜群で、どの薬味が欠けても完成しない絶妙な味に仕上がっています。どちらの蕎麦も食べ終えた時にもう一品食べたいと思える量と味でした。