緊急事態宣言も明けた秋晴れの休日、少し足を延ばして以前から気になっていた栃木県の蕎麦屋を訪問する。が、二軒立て続けに臨時休業。（よくよく考えてみたら栃木県の緊急事態宣言明けは明日だった…）そばを食べる気満々で家を出てきたのでかなり落胆したが、今更他ジャンルの食事をする気にもなれず仕方なく今居る場所の近くで営業中の蕎麦屋をネットでひたすら検索する。
そんな中、地産地消を掲げ自社農園で蕎麦を栽培し石臼製粉の手打ち蕎麦を提供しているという友蕎庵さんに興味を惹かれ入店してみた。
広々とした駐車場の前には恐らく自社農園なのであろう、白く可愛い花を咲かせた蕎麦畑の美しい田園風景が広がっている。
出来て間もないのか、新しい木の香りが漂う店内。天井が高く大きな窓から差し込む光で非常に明るく開放感があり清潔感が漂う。店の奥にはガラスで仕切られた蕎麦打ち体験（有料、要予約）用の教室スペースが設けられており、どの席からも作業風景が見える作りとなっている。

冷えた蕎麦茶を頂きながら店内を見回すと、地元の常連さん数組と一人客がちらほら。どうやら此処ではセットメニューがよく出るようだ。蕎麦の盛りも普通盛り、特盛り、家族盛りとバリエーション豊かである。
私も蕎麦を限定の十割に変更してもらい他にサラダ、天麩羅盛り合わせ、コーヒーが付く「友蕎庵セット」をチョイス。暫く待って運ばれて来た十割蕎麦は細く艶やかで白みがかっており、星はあまり入っていない。ポロポロ感は無くこしがあるので噛み応え抜群。とても美味しい蕎麦である。蕎麦湯も白濁してとろみがあり濃い。蕎麦屋では先ずそのままの蕎麦湯を味わうが非常に美味しい蕎麦湯である。焼酎割にぴったり！

この日の天麩羅は海老、小エビと玉葱のかき揚げ、椎茸、南瓜、茄子、シソの実の6種。全体的に衣は薄い。特にシソの実の天麩羅は香り高くサックサクで美味。抹茶塩で頂くのがお薦めだが、一応天つゆも付いてくる。特筆すべきはサラダである。蕎麦屋でサラダは滅多にお目に掛かれない。新鮮な葉物にパプリカやプチトマト、小エビが加わった充実の一品。ドレッシングもあっさりしていて抹茶塩を付けた衣とも違和感なく口の中で溶け合う。あくまで蕎麦の味を邪魔しない全体のバランスは見事である。
素朴で美しい益子焼の器に盛られ、目もお腹も満足させてくれる蕎麦屋であった。薬味皿が欠けていたのは少し残念であったが、益子を訪れる際には再訪したいお勧めの店である。

(レポート　玄)

【 店の電話番号 】
0285-81-7211
【　住　所　】
栃木県芳賀郡益子町大字七井2402-2
【 アクセス 】
車がお薦め（七井駅近く）
【 営業時間 】
平日　11:00～14:00
土日　11:00～14:30
【 定 休 日 】
火曜日
【ひとり分の平均的な予算】
昼平均　1000円～1500円位
【　予　約　】
可
【クレジットカード】

【　個　室　】
無
【　席　数　】
約32席（4人掛けテーブル7セット、8人掛けテーブル1つ、6人掛け囲炉裏風円卓テーブル1つ）
【駐　車　場】
有
【　煙　草　】

【アルコール】

【店のホームページ】