江戸蕎麦手打處 あさだ(東京都台東区)老舗の秋野菜天せいろ
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この夏の長かった猛暑もようやく陰を潜めて頃は秋。季節の天せいろをいただきに、浅草橋の「あさだ」に参りました。浅草橋駅から歩いて2~3分、江戸通り沿いにある老舗蕎麦屋です。ここは、浅草橋近辺に用事があって立ち寄るたびに訪れていたお店です。
創業は安政元年と言いますから、今から160年以上前になります。初代がこの地にお店を構えてから、現在のご主人は八代目になるそうです。
このお店に初めて来たのは、かれこれもう30年以上前になると思います。浅草橋に仕事の用事で来た時に、取引先の人が連れてきてくれました。それからというもの、浅草橋に来るたびにあさだに立ち寄るようになっていました。
様々なお店でいろいろなそばを味わうようになった今になって、このお店のこだわりである「石臼挽き自家製粉の手切り十割蕎麦」の旨さがようやくわかりつつありますが、それまでは単に「美味いお店だ」くらいにしか考えていませんでした。それでもこのお店に足を運んでいたのは、知らず知らずのうちに他店とは違う“何か”を感じ取っていたのかもしれません。
店内は木製の卓と椅子と壁で、“昭和の蕎麦屋”の趣きあふれる落ち着いた雰囲気。いいですねぇ、一人昼酒のお客もチラホラといらっしゃいます。2階席もあるようです。
初訪から今日まで、それぞれの時代の自分の状況を思い浮かべながら、今回注文したは「秋野菜天せいろ」(税込1350円)です。以前は「季節の野菜天せいろ」というメニューで春夏秋冬の野菜天がありましたが、どうやら名前を(値段も)多少変えたようです。私はいつもこれを注文していました。
待つことしばし、秋野菜天せいろが運ばれてきました。
まず蕎麦ですが、店内の灯の下では赤みを帯びたそば色のように見えますが、外から入り込んでくる光に当ててみると多少緑がかって見えます。太さは一般的なものだと思います。使用の新そばは北海道雨竜町産だそうで、2、3本そのまま啜るとしっかりと蕎麦の香りが立ちます。しっかりと冷水に晒して水切りもきちんとしている蕎麦がうれしい限りです。麺のコシ、歯ごたえ、のど越しも良くとても美味しい蕎麦だと思います。
蕎麦つゆですが、出汁の香りに醤油の香りが合わさったもの。舐めてみると甘さ控えめですが、この塩味、甘みの一体感あるバランスは私の好みです。苦味は感じません。
蕎麦をつゆにつけて啜ります。この最初のひと啜りは、いつものことながら軽く緊張します。フィニッシュまでどう食べようかという私の選択が、この一口で決まるからです。つゆを絡めた麺は、口の中でより蕎麦の香りを引き出します。天ぷらを食べる前に、蕎麦は半分以上なくなってしまいました。ここらで天ぷらにも手を付けねば‥‥。
秋野菜天ぷらは、舞茸・茗荷・薩摩芋・蓮根・椎茸・万願寺とうがらし、茄子の7種(春に来たときはインゲン×2串、ズッキーニ、万願寺とうがらし、こごみ、ヤングコーンの5種類でした)。すべてサクサクとしており、天つゆにしっかりとしたダシの味を感じるのも好みでした。
蕎麦湯は白濁した深い味と香りのものです。しかし、人工的なとろみでなく、とても好ましいそば湯だと思います。そば湯につゆを加えると、酸味が感じられるようになって、醤油の味が強く現れてきます。
ここ「あさだ」はこだわりの味を伝承しつつ、町の蕎麦屋の“普通感”を失っていません。普段使いのできる名店だと思います。
次回は蕎麦前で一杯といきたいお店でした。
ごちそうさまでした。
(レポート提出/木曽馬ジョージ)
【店名】江戸蕎麦手打處 あさだ
【読み(ひらがな)】えどそばてうちどころ あさだ
【 店の電話番号 】03-3851-5412
【 住 所 】 東京都台東区浅草橋2-29-11
【 アクセス 】 JR浅草橋駅東口 から3分、地下鉄浅草橋駅A4から2分
【 営業時間 】 11:30~14:30、17:30~21:30(土は~21:00)
【 定 休 日 】 第三土曜日、日曜、祝日
【ひとり分の平均的な予算】昼 夜
【 予 約 】 可
【クレジットカード】 可(1人3000円以上の利用より)
【 個 室 】 あり(2階:10~20名部屋、少人数は仕切り可)
【 席 数 】 60席(2階席含む)
【駐 車 場】 なし
【 煙 草 】 全面禁煙
【アルコール】 日本酒、ビール、焼酎
【店のホームページ】 https://www.asada-soba.co.jp/
1.秋野菜の天せいろ
2.そばアップ
3.店舗外観
4.表の貼紙