大黒屋半右エ門(東京都町田市)十割蕎麦と二八蕎麦を手打ちで食べ比べ

関東甲信越のおいしいそば屋

この蕎麦屋さんは、小田急電鉄小田原線「玉川学園前駅」北口を出て、5分ほど歩いた道路沿いにあります。お店が近づくと、「二八蕎麦」と書いた紫色の大きな立て看板が視界に入ってきますので、すぐに見つけることができます。

お店は二階建ての建物の1階にあります。駐車場は、お店の前にちょうど2台分のスペースがあります。有料駐車場は徒歩10分程度の場所にあります。


お店に入ると、こあがり座敷に4人用のテーブルが2つと、4人掛けのテーブル2つ、2人掛けのテーブルが2つで、合計18人が入ることができます。

店内は淡いベージュ色を基調にした内装が施され、ダウンライトで明かりをとっています。お店独自のWi-Fiを設置しており、無料でWi-Fiを利用することができます。お店の壁には、季節感のある様々なメニューが貼りだされています。たとえば、「由比漁港直送 生さくら海老のかき揚げ天せいろ」や「生ほたてと野菜の天せいろ」などなど。

日曜日のお昼時を過ぎて午後2時前にお店に入りましたが、お店は満席。先客の空くのを待って入店しました。玄関の横には数人用の腰掛が置いてあり、満席の場合はここで待つことになります。

お店は、一人の女性が接客を、奥でお酒の肴と蕎麦を調理する男性の二人で切り盛りされています。てきぱきと接客されており、好感が持てます。

このお蕎麦屋さんの特徴は、蕎麦を「十割蕎麦」か「二八蕎麦」を選択できることです。お店の外の看板には、大きな文字で「二八蕎麦」と書いてあるのですが、お店では「二八蕎麦」ばかりではなく「十割蕎麦」も提供しています。さきほどの季節感のあるメニューにも、「十割」と「二八」の両方を併記してあり、お客さんが好みに応じて選択できるようになっています。オーナーは、「二八蕎麦」にも「十割蕎麦」にも自信をもって打っているという印象を受けます。

メニューをみると、天ぷらの種類が多く、店内の壁には「天ぷら一品からご注文どうぞ」と貼ってあり、その横には、「小海老とぎんなんのかき揚げ」、「穴子一本揚げ」、「海老」、「かき」などなど、野菜類は「舞茸」、「原木しいたけ」などなどと貼りだしてあります。オーナーは天ぷらに自信があるのでしょう。お店の奥では、天ぷらが揚がる「プチプチ」という音がしており、ほのかに天ぷらの良い香りがします。

さて、このようなお店の状況から、私は、迷わず、「二八せいろ」と「十割せいろ」の2種類の蕎麦にくわえて、天ぷらを選択することにし、メニューに記載されている「合わせせいろ(十割と二八せいろ)二枚重ね」と、「海老と野菜の天ぷら」をオーダーしました。

「海老と野菜の天ぷら」が先に運ばれてきました。天つゆと辛汁とは別の器に入っています。天つゆは淡い醤油のつゆです。辛汁はカツオと昆布の風味がよく出ています。辛汁の香りをかいだところ、最初に、ほんの少しばかり魚臭さを感じましたが、辛汁を味わうと消えてしまいました。

蕎麦は、まず「二八せいろ」が運ばれてきました。麺は細く、ホシは無いきれいな白い蕎麦色をしています。さっそく、二八蕎麦をそのままいただくと、二八蕎麦の香りと腰の強さを感じます。


「二八せいろ」を食べ終わったところで、「十割せいろ」が運ばれてきました。「十割せいろ」の麺も細く、ホシは無いきれいな白い蕎麦色をしています。さっそく、十割蕎麦をそのままいただくと、十割蕎麦の香りを強く感じます。触感はモチっとした感触が歯の間に残ります。

二八蕎麦と比べると、両者の違いを実感できます。この違いを例えれば、二八蕎麦の方が麺の角が立っている腰の強さがありますが、十割蕎麦の方は噛む力に麺が負けて砕けていく感触が残ります。

香りは十割蕎麦の方が二八蕎麦よりも強く感じます。同じ種類の蕎麦と同じ打ち手なので、蕎麦とつなぎの割合による違いをはっきりと認識できます。「う~ん、なるほど、こんなにも違うものか」と感心させられました。両者の味比べができるのは、蕎麦鑑定士として良い勉強になります。

食べ終わるころに蕎麦湯が出てきます。すこしあっさりとした蕎麦湯です。

このお蕎麦屋さんの蕎麦は、蕎麦の実から石臼で粗挽きしているとのこと。「二八」と「十割」の食べ比べができるのはとてもお蕎麦を食べる愉しみが増えます。

ところで、このお蕎麦屋さんの名前にまつわる兄弟のエピソードを紹介します。もともと、この地にはかつて「大黒屋」というお蕎麦屋さんがありました。「室町砂場」で修業した兄が、この地でお蕎麦屋さん「大黒屋」を開店しました。弟は兄の「大黒屋」で修業し、数100m離れた場所にお蕎麦屋さん「大黒屋半右エ門」を開店しました。兄弟で別々のお蕎麦屋さんを経営し、互いに腕を競い合っていたそうですが、今や、兄の「大黒屋」は閉店し、弟の「大黒屋半右エ門」だけが営業しているとか。「半右エ門」は農家を営む父親の名前で、父親の名前を店名に入れたそうです。

このお蕎麦屋さんが提供するお蕎麦は、十割蕎麦と二八蕎麦を食べ比べしたくなるおいしいお蕎麦です。

(レポート提出/Lysine)

【店名】大黒屋半右エ門

【読み(ひらがな)】だいこくやはんえもん

【 店の電話番号 】042-721-3570

【 住 所 】東京都町田市玉川学園5-1-7

【 アクセス 】小田急電鉄小田原線「玉川学園前駅」北口から徒歩5分

【 営業時間 】昼:11:00〜14:30 夜:17:30~20:30

【 定 休 日 】月曜

【ひとり分の平均的な予算】 昼 1,500円 夜3,000円

【 予 約 】可

【クレジットカード】不可

【 個 室 】無

【 席 数 】18席(テーブル席10 席、こあがりテーブル席8席)

【駐 車 場】2台

【 煙 草 】分煙

【アルコール】有

【店のホームページ】http://daikokuyahanemon.web.fc2.com/

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/Lcw9sTjQMjM2

 

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