関東地方のおいしいそば屋

この蕎麦屋さんは、小田急電鉄小田原線「玉川学園前駅」北口を出ると駅舎から2軒隣にあります。玄関の軒先に目を向けると「名代砂場」の看板と暖簾の文字が視界に入ってきます。

この玉川学園前駅は、玉川学園が近くにあるとはいえ、むしろ、住宅地に隣接した駅のイメージが強いところです。

お店は二階建てで、玉川学園に通じる道路に面しています。駐車場はありませんが、100mほど離れたところに有料駐車場があります。


お店に入ると、一階は四人掛けテーブルが5テーブルあります。テーブルごとに腰のあたりまでの高さの仕切りが2テーブルごとに設けてあり、最大8人グループで纏まって入ることができます。ただし、4人掛けテーブルはこじんまりしているので実際に大人4人が座るには少し窮屈です。

壁にはいろんな蕎麦のメニューが貼りだしてあります。季節の蕎麦もあれば、蕎麦以外のメニューもあります。「やわらか いか天丼」や「当店のうなぎは浜名湖産を使用しております」という張り紙もあります。蕎麦以外の食事もできるようになっています。

接客は一人の女性が注文を取り、配膳していました。他のお客様は一人でいらっしゃっている方々が1組~2組で、オーダーの内容は、天せいろなどお蕎麦と天ぷらのセットメニューでした。

メニューには定番のお蕎麦以外にも季節の蕎麦の品書きが付いています。

とても寒い日だったので、迷わず、季節のお蕎麦として、温かい「牡蠣そば」をオーダーしました。メニューには「広島産のカキを4粒、三陸産のワカメとともにお蕎麦にのせました。カキの旨みたっぷりのそばつゆと海のミルクと言われている牡蠣をお召し上がりください」との解説があり、食欲を刺激されます。


お蕎麦は、メニューに書いてあるように、牡蠣4粒に、ワカメに加え、ネギ、鳴門、三つ葉が入っていました。汁は鰹節の香りが立ち込めるしょうゆ味で、少し甘みが舌に残る程度の甘さがあります。牡蠣そばの牡蠣の出汁が出て、とてもおいしい味を醸し出しています。

蕎麦は細く、表面にホシはなく、汁の色をしみこませています。蕎麦の色から推測すると、もともと白い蕎麦に醤油が軽く浸み込んで、淡い醤油色になっているように見えます。とはいえ、決して蕎麦が延びているわけではなく、蕎麦の表面に汁が纏わりついて醤油色をしているのでしょう。

蕎麦を口に含むと、舌触り良く、腰があることが分かります。温かいお蕎麦でありながら、しっかりと腰を持って料理されていました。牡蠣の味と香りが蕎麦に絡んで、交互に食べるととても良いハーモニーでした。また、途中に食べるネギ、鳴門、三つ葉が味の変化をつけ、「牡蠣そば」を楽しませてくれます。

ただ、蕎麦の量は、せいろと同じ量で、私にとっては腹七分目の量で、物足りなさが残りました。

汁の味はカツオと昆布の香りと旨みが出ています。魚臭さはありません。カツオと昆布の香りと味が鼻元で立ちます。味は薄めです。「牡蠣そば」をオーダーしたため、薄めの味の汁の中に牡蠣の味が引き立ちます。温かい蕎麦なので、丼に口を近づけるたびに、醤油とカツオと昆布、牡蠣の香りが、ぷ~んと漂い、「お蕎麦屋さんに来た」という、なんともいえない幸せな気持ちになります。

汁の味が薄めなのは理由がありました。お店によれば「牡蠣そば」も含め、蕎麦に使用している汁は減塩に気を使っているとのことでした。来店したお客様にも減塩した蕎麦つゆであること分かるように、お店の壁に「そばつゆ」に関するコメントが貼りだしてありました。

「当店のそばつゆにつきましてお客様のご要望に減塩というお客様のお言葉をお聞きして新しいそばつゆにいたしました。安心してそばつゆを最後までお召し上がりいただけますように出来上がりました。多少つゆが薄く感じるかもしれませんが醤油を減らした分の旨みを羅臼昆布を使うことで補いました。安心してお召し上がりください。砂場 店主」

汁の薄めの味は「お蕎麦の味を損なうのではないか」と危惧しましたが、味わってみると、むしろ、薄めの味は具の味を引き立てていました。薄めの味は蕎麦の味を損なうことはあく、とても薫り高いお蕎麦に仕上がっていました。

丼には「砂場」の文字が入っています。配膳の際に、お店の女性がお蕎麦の入った丼をテーブルに置いたときは、お客様にこの「砂場」の文字が良く見えるように置いていかれました。きちんと気遣いができていると好印象を受けました。

このお蕎麦屋さん「砂場」は、もともと小田急線の駅から徒歩15分ほどの距離の場所で営業していたのですが、数年前に現在の場所に移転してきました。あの「砂場」の系列です。

アルコールを飲む方には、日本酒、焼酎などが置いてあります。蕎麦の値段は昼夜ともに同じですが、お酒を飲むと、その分、高くなります。ちょい飲みで、お昼の2倍程度になりそうです。

このお店の良さは、なんといっても、あの「砂場」のお蕎麦を味わえることです。また、汁は減塩に努めているとのことで、塩分控えめの健康志向に沿った努力をされています。減塩でありながらも、汁の風味を失わない汁を考案されていますので、安心して蕎麦湯を飲むことができます。

今回は食味したのは「牡蠣そば」でしたが、つぎは「せいろ」に挑戦する予定です。

(レポート提出/Lysine)

【店名】砂場 玉川学園前

【読み(ひらがな)】すなば たまがわがくえんまえ

【 店の電話番号 】042-860-6062

【 住 所 】東京都町田市玉川学園2-21-7

【 アクセス 】小田急電鉄小田原線「玉川学園前駅」北口から徒歩1分

【 営業時間 】11:00~15:00、17:00~21:00

【 定 休 日 】火曜

【ひとり分の平均的な予算】昼1,500円  夜3,000円

【 予 約 】可

【クレジットカード】不可

【 個 室 】無

【 席 数 】1階20 席、2階16席

【駐 車 場】無

【 煙 草 】禁煙

【アルコール】有

【店のホームページ】無

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/9iEnK8E9hHp

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