関東地方のおいしいそば屋

平日でも多くの外国人観光客で賑わう東京上野のアメヤ横丁のすぐ近くに、このお蕎麦屋さんはあります。「3階建のビルで1、2階のフロアが客席になっており、3階のフロアは調理場になっています。」と店員さんに教えてもらいました。


私はこの日、東京に出張中だったのですが、この店の三代目店主に一度会ってみたいという強い思いから、仕事を終えて一人上野に向かいました。平日夜の開店10分前に店の前に到着したのですが、すでに同じような出張中のサラリーマン4名が店の前に並んでいました。

外観は昭和を思い起こさせるような雰囲気のクリーム色のタイル壁で、情緒があります。開店と同時に、紺色ののれんをくぐって中に入りました。店内は、まるで昭和にタイムスリップしたような空間で、私が幼少期に親に連れて行ってもらったお蕎麦屋さんを思い出させるような伝統を感じる内装でした。

真っ先に目に入ってきたのは、鮮やかな朱色のカウンター席と座布団が敷かれた木の椅子でした。そのカウンター席に囲まれるように手打ちそばの作業場があり、ガラス越しに打ち台や捏ね鉢、数本の麺棒を見学することができます。その反対側は、鮮やかな黒色のテーブル席になっています。たくさんの猪口や明治25年創業を感じさせる提灯が飾られていました。店員さんに案内されて、私はそのカウンター席に座りました。

1階にはカウンター席が6席あり、テーブル席は9卓だったと思います。店内は、サラリーマンが3組、中年夫婦が2組、友人同士が1組でした。人気店なので開店して10分ほどでほぼ満席になり、その後に来店した外国人客は2階フロアに案内されていました。

夕方ということもあり、皆さんは「そば前」を注文していました。店員さんの注文を伝える声が歯切れ良く、テーブル席から聞こえる会話の声が賑やかで、庶民的なお店の雰囲気でした。店員さんがメニューとおしぼりと冷たいそば茶を持って来られました。


私も折角なので、生ビールと板わさを注文しました。名店だけあって、こだわりがあります。生ビールは「白穂乃香(サッポロビール)(税抜780円)」で、一口飲んだ印象は、泡がクリーミーで口当たりがよくまろやかで、よく冷えており、苦みがなく、スッとのどを通っていき、さわやかな味わいでした。生ビールには、「そば味噌」が付いてきました。江戸味噌の甘さに唐辛子のピリッとした辛さがアクセントになっており、煎ったそばの実がコリっと歯ごたえ良く、お酒に良く合う味でした。

「板わさ(税抜780円)」は、「鈴廣」の上板蒲鉾が厚めに切られており、本山葵が添えられていました。蒲鉾に山葵を乗せて、しょうゆをつけて食べました。冷たくてモチッとして弾力があり、噛み応えがあり山葵の辛みとしょうゆの香りが口の中に広がって、ビールにもよく合いました。

そばのメニューには、関西人には聞きなれない「花巻」というのがありました。山本海苔店の最高級ものを使用と書かれていたので、海苔の香りを想像しながら、興味を持っていたのですが、悩んだ挙句、「天せいろう(税抜1,890円)」を注文しました。

店員さんが、注文した品を持ってきてくれました。お蕎麦は「北海道旭川市江丹別産の二八そば」です。そばの外観は、白色でつやがありました。麺の太さは細く、長さはちょうどよい長さで、量もちょうどいい量でした。麺は、みずみずしく断面は角がありました。大根おろしとネギが添えられていました。

一口目は、麺を左の手のひらに乗せて、そのままいただきました。麺の舌触りは、つるつるしており、麺のコシはしっかりしており、歯ごたえがありました。二口目は、そばの上に板わさの本山葵を少し乗せて、そのままいただきました。山葵の辛味が鼻に抜けるのと、細麺なのに噛み応えがあり、そばも冷たくてとっても美味しいですよ。


徳利に入ったつゆを、白い陶器の小鉢に移して味見してみました。猪口ではなく、小鉢なのはたぶん海老天をつゆにつけやすくするためだと思います。

汁を舐めてみた印象は、ほんのりカツオ出汁の味がして、僅かに甘さも感じました。香り高く、想像していた辛さもそれほどではなく、飲みやすく、この味が気に入りました。

いよいよ、そばに大根おろしを乗せて、そばにつゆを半分つけて、一気にそばを噛まずに飲み込みました。そばが冷たいのと、麺がツルツルしているので非常にのど越しがよく、つゆの辛さが大根おろしの甘さと混じって、香りも口の中に広がって最高でした。そばは、すぐに食べないといけないらしいので、あとは、大根おろしと本山葵を交互に乗せて、一気に平らげました。

天ぷらは大きな天然車海老が2尾と獅子唐1本、大葉が1枚でした。香りづけに、ゆずの皮がほんの少しと谷中生姜(やなか)が添えられていました。店員さんに頼んで、1尾は塩をつけていただきました。背筋がピンと伸びた海老天は、花咲ガニのような外観のモコモコした衣がサクサクで、身は大きくてぷりぷりして弾力があり、新鮮で食べ応えのある海老でした。もう1尾はつゆにつけていただきました。「皆さん、つゆにつけて召し上がります。」と店員さんに教えられたので、私も食べてみました。つゆと天ぷらの相性が抜群で、尻尾までザクザクいただきました。


葉生姜は食べたことがないので、店員さんに食べ方を尋ねましたら、「皆さん、根っこの部分を食べて、茎の部分はしがんで召し上がっています。」と教えられましたので、私もそのように試みました。ピリッとした自然の辛さが印象的で、おいしくいただきました。もちろん、獅子唐と大葉も美味しかったですよ。

 

そばを食べ終えると、店員さんがお蕎麦と一緒に持ってきてくれた蕎麦湯を飲みました。銅製の急須に入った白濁のとろっとした感じの蕎麦湯は飲みやすい温度になっていました。つゆに蕎麦湯を注いだ後に、ネギを全部入れました。先ずネギをいただきました。食感はシャキシャキしてそばつゆの味が染みており、とってもおいしいです。次に蕎麦湯を飲んだ印象は、つゆの辛さが蕎麦湯で薄められ、とろみ感もあり、さっぱりとした味わいでした。

食後は、そば茶をいただきました。香ばしく口の中をすっきりさせてくれました。

お勘定の際に、店員さんに大阪から来たことを告げ、「店主がおられたら、ぜひお会いしたい。」とお願いしたところ、開店の少し前に外出されたとのことでした。現在は、息子さんが四代目を引き継がれて社長になっておられると教えていただきました。私がこの世に生まれた年に三代目を引き継がれた店主は、もうお店では、そばを打たれることはないということでした。私も今年で58歳になります。また、いつかお会いできることを楽しみにしながら、自身の趣味でもあるそば打ちの技術が少しでも上がるように今後も一層精進しようと思いました。店員さんたちには、お忙しい中いろいろお尋ねして、誠に申し訳ございませんでした。忙しいことに感謝しているような表情で、手際よく、余裕さえ感じさせるすばらしい接客でした。また、是非立ち寄ってみたいと思いました。

今回の採点は、伝統のあるお店の雰囲気、丁寧で愛想がいい接客態度、お蕎麦の味、こだわりのある品等を総合して、100点満点とさせていただきます。

(レポート提出/いり番茶)

【 店 名 】上野藪そば

【 読 み (ひらがな)】うえのやぶそば

【 店の電話番号 】03-3831-4728

【 住 所 】東京都台東区上野6-9-16

【 アクセス 】JR上野駅から徒歩3分

【 営業時間 】平日11:30~14:30、17:30~20:30

土日11:30~20:30

【 定 休 日 】水曜日

【ひとり分の平均的な予算】 2,000円

【 予 約 】可

【クレジットカード】可

【 個 室 】無

【 席 数 】85席

【駐 車 場】無

【 煙 草 】禁煙

【アルコール】有

【店のホームページ】なし

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/h9mA87igcAyaqTqE7

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