かんだやぶそば(東京都千代田区)明治13年創業の老舗の蕎麦屋
- By: Reporter
- カテゴリー: 千代田区のおいしいそば屋, 関東地方のおいしいそば屋, 関東甲信越のおいしいそば屋, 東京都のおいしいそば屋、江戸そば, おいしいそば屋の食べ歩きレポート, 入り番茶
この日、私は東京に出張しておりました。仕事を終わらせて、帰阪する途中だったのですが、この店に「ぜひ一度行ってみたい。」という思いから、JR線で神田駅に向かいました。神田駅は東京駅の次の駅なので、新幹線で帰るには便利のいい駅であると思いました。この店はその駅の北口から徒歩5分の距離にあります。
お店の外観は、老舗の蕎麦屋らしい風情を感じる庭園と「藪蕎麦」の看板と石畳が印象的でした。あいにく、この日は小雨が降っていました。傘をさして、趣のある石畳を歩いて入口の自動扉に近づくと1人の店員さんが迎えてくれました。「一人です。」と伝えると、「どうぞ傘を入れてください。」と丁寧にビニール袋を差し出してくれました。店に到着したのは16時30分だったので、店内は幸運にもそんなに混雑はしていませんでした。
お店に入ると、店員さんから「いらっしゃい~」という明治時代のことばなのでしょうか、普段聞いたことのない言葉のイントネーションに、当時の時代にタイムスリップしたかのような気持ちにさせていただきました。
案内していただきました店員さんが「お好きな席にお座りください。」と勧められましたので、言われる通りにしました。1階は73席あり、小上がり席が4卓あります。2階にも個室が3室あるようですが、詳細は分かりませんでした。店内は、ベージュ色でモダン和風の土壁で囲まれており、天井も同色で、落ち着きと高級感があふれる広々とした室内空間でした。
観光客で行列ができるお店と聞いていましたが、多くのお客様をご案内できる席数と店員さんの数に圧倒されました。上品な感じのお客様ばかりで、物静かでゆったりとした雰囲気であると感じました。
席に着くと同時に、折角なので、店員さんに生ビール(700円税抜)を注文しました。うれしいことに、そば味噌がついてきました。甘辛いので、ビールのつまみにはぴったりですね。
ビールを飲み干すころに、「せいろうそば」(750円税抜)をお願いしました。店内には「せいろう~1枚」の情緒豊かな感じのいい声が店内に響いて、少し嬉しくなりました。注文して5分後に注文した品を美人の店員さんが運んで来てくれました。蕎麦は、「鹿児島産と茨城産を使用しており、外一の蕎麦です。」と教えてくれました。
麺の長さは長く、色は緑色で、太さは細いです。麺の舌触りはつるつるしています。片山先生(蕎麦WEB.JP)によりますと、蕎麦の色が緑色なのは、クロレラを混ぜてあるからだそうです。初代店主の堀田七兵衛が夏の蕎麦は味が落ちるので、見た目だけでもお客様に清涼感を楽しんでもらおうとそばの若芽を練りこんだのが始まりなのだそうです。
つゆは、昆布と鰹出汁の辛口の濃い目の味なのですが、このつゆにそばをつけて食べますと、抜群の相性になり、何とも言えない味に変化し、大変美味しくいただくことができます。山葵を乗せて食べると、更においしいです。
蕎麦を食べ終わるころに、店員さんが蕎麦湯を運んでくれました。蕎麦湯は、夕方なのに意外と半透明でした。いつものように、ネギを入れていただきました。ネギのシャキシャキ感とそば湯のさっぱりした味に満足しました。
メニューには、「季節のおすすめ」ということで、じゅんさいそば(1300円税抜)や冷し茄子そば(1300円税抜)がありましたが、悩んだ挙句やっぱり、玉子とじそば(1100円税抜)を注文しました。注文して5分後に、店員さんが注文した品を運んできてくれました。
想像通りのそばは、ふわふわとろとろの玉子に包まれており、海苔と蒲鉾も入っていました。湯気が立ち昇って、まさに出来立てです。早速、箸を入れてそばを持ち上げて、蕎麦と玉子と海苔を贅沢にも一緒に口の中に入れました。蕎麦が細麺で長いのと、のど越しがいいのが相まって食欲が一層増してきました。あっという間に平らげました。玉子と海苔を絡ませて、食べる蕎麦も最高ですね。そばつゆも、玉子の甘みとつゆの味が、絶妙なバランスで引き立てあっており、大変美味しくいただきました。
お勘定をお支払いしたときに、美人の店員さんから「ありがとう存じます。」という普段聞きなれないお礼を言われたのが心地よくて、また食べに来たいと素直に思いました。
店員さんにいただいた小さな案内には、お店の名称の由来が書かれていました。それによりますと、幕末の頃より本郷団子坂にあった「蔦屋」(竹藪が多く、やぶそばの通称を得ていた)の連雀町店を、明治13年(1880年)に堀田七兵衛が譲りうけて、「藪蕎麦」の屋号で営業を開始したそうです。その後、団子坂本店の廃業により藪蕎麦本店として看板を受け継ぎ、今日に至っているとのことでした。
さすが明治創業の老舗の名店と言われる由緒ある超有名な蕎麦屋でした。蕎麦のおいしさはもちろんのこと、笑顔で対応していただいた美人の店員さんの気配りや、お店の歴史を垣間見ることができました。いいお店でした。
私の今回の採点は、蕎麦の味、風情を感じさせる趣のある店の雰囲気、美人の店員さんの感じのいい接客等を総合して、100点満点とさせていただきました。
(レポート提出/いり番茶)
【 店 名 】かんだやぶそば
【 読 み (ひらがな)】かんだやぶそば
【 店の電話番号 】03-3251-0287
【 住 所 】東京都千代田区神田淡路町2-10
【 アクセス 】JR神田駅から徒歩5分
【 営業時間 】平日11:30~ラストオーダー20:00
【 定 休 日 】水曜日
【ひとり分の平均的な予算】 1,000円
【 予 約 】可
【クレジットカード】可
【 個 室 】有
【 席 数 】1F 77席、2F 20席
【駐 車 場】無
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】有
【店のホームページ】有
【地図にリンク】https://goo.gl/maps/FRtXin5yGZAdL6mP8