小田急線町田駅またはJR町田駅で下車し、徒歩10分位以内で到達できるお蕎麦屋さんです。店構えは、古民家風の表玄関から入って、屋外のテーブル席のある庭の中を通って屋内の玄関に到達します。

庭の大きさは約300㎡。いろんな樹木を鑑賞できます。とくに、ひときわ立派なイヌマキが存在感を出しています。このイヌマキは町田市から保護樹木に指定されるほど立派です。庭は、現在の経営者が、父親の居宅をお蕎麦屋さんに改装してときに、当時のまま残したそうです。お蕎麦をいただく前に、庭を鑑賞するのも良いでしょう。

玄関で、靴を抜いであがると、いろんな装飾品が目に入ってきます。ひな人形、茶道で使用するお茶碗や絵画が陳列してあります。お店の3階は「白泉美術館」になっており、白泉コレクションを鑑賞できるようになっています。室内は、すべて椅子席です。お客さんはお蕎麦を楽しみに来店した雰囲気を出しています。

「天ぷらくに作蕎麦」（1,650円税込）をオーダーしました。メニューの添え書きには、「二種類のつけ汁（醤油のつけ汁・木の実のつけ汁）の板蕎麦と天ぷら五種」とあります。

辛汁は二種類出てきます。「鰹の本枯節二年熟成の一番だしと、羅臼昆布の合わせだしでとった辛汁」と「細かく砕かれたクルミとアーモンドが入った辛汁」である。メニューには、「返しは、無添加、化学調味料は一切使用しておりません。」との記載もあります。

さらに、蕎麦は、「出羽富士」と呼ばれる山形県の鳥海山の清流水を一等級に輝く上質な「出羽かおり」の蕎麦粉を使用した十割蕎麦、と記載してあります。お店の方によれば、十割蕎麦は切れやすいので、日によって水分量に変えているとのこと。

板に乗せられて運ばれてきた十割板蕎麦の外観は、つやがあり、ホシが少し出ています。麺は全体に細く、ところどころに太めの麺が見られます。口に運ぶと、蕎麦の香りが漂い、触感は十割蕎麦の特徴であるネットリ感が伝わってきます。蕎麦をそのまま食べても美味しい。鰹の風味のきいた辛汁は少し甘みがあり十割蕎麦とあいます。さらに、木の実が入った辛汁は、不思議と十割蕎麦の風味と合致して美味しい。木の実が入っているので、てっきりアーモンドバターのように濃厚な味を想像したのですが、さにあらず、醤油味を邪魔することなくほんのりと木の実の風味を伝えてきます。「なるほど！」と思わず納得する辛汁。

食事が終わるころに、専用の器に入って蕎麦湯が運ばれてきました。蕎麦湯の器は、よく見かける赤い胴体と蓋に取っ手が付いている漆塗りタイプではなく、蓋の無い黒い陶器です。装飾品として多数並んでいる茶道用お茶碗にこだわるお店の気持ちが蕎麦湯の陶器に表れているような印象を受けます。

この蕎麦屋さんからは、単なる蕎麦処だけではなく、十割板蕎麦を中心に据えた「Soba Restaurant」としてお酒やサイドメニューを楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってきます。たとえば、日本酒冷酒として、山形の「くどき上手」、「冽」、「雪漫々」、福井の「梵」、新潟の「洗心」、山口の「獺祭」や、日本酒熱燗として、山形の「初孫」、埼玉の「神亀」、石川の「菊姫鶴乃里」が置いてあります。焼酎もあります。いずれのお酒も楽しみな銘柄です。

お店にはサイドメニューも多くあり、ランチコースや懐石コースも用意されています。
この蕎麦屋さんは、十割板蕎麦を中心に、庭を鑑賞しながら、季節や食べたい物に応じて、いろんな楽しみ方のできるお店です。

（レポート提出/Lysine（ライシーン））

【　店　名　】　十割板蕎麦　そは処　くに作

【　読　み　(ひらがな)】　じゅうわりいたそば　そばどころ　くにさく

【 店の電話番号 】042-722-7264

【　住　所　】東京都町田市森野1-27-11

【 アクセス 】小田急町田駅　北口から徒歩4分

【 営業時間 】11:30～14:30、17:00～20:30

【 定 休 日 】夜は不定休、1/1~1/3 (年始)

【ひとり分の平均的な予算】昼　2,000円~3,000円　　夜　本人次第で5,000円~10,000円

【　予　約　】可

【クレジットカード】可

【　個　室　】有（6人テーブル席　1宅）

【　席　数　】　32席（4人掛けテーブル席　4宅、2人掛けテーブル席5席、6人掛けテーブル席　1宅）

【駐　車　場】　無し。近くにコインパークが複数あり。

【　煙　草　】禁煙

【アルコール】有

【店のホームページ】http://www.kunisaku.com/

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/12Zgxk54bzkXkT4Q6