関東地方のおいしいそば屋

JR町田駅または小田急線町田駅から徒歩圏内にある一軒家で営業しているお蕎麦屋さんです。お店の外看板には、「北海道十勝産の蕎麦粉を使用」や「手打ち蕎麦と酒の店」と書いてあります。外看板の下には、打ち場を覗くことのできる窓ガラスがあります。窓ガラス越しに覗くと、打ち場に鉢などの蕎麦打ち道具が置かれています。

暖簾をくぐって店内に入ると、居酒屋さんに入ったような錯覚に陥るほど、日本酒の一升瓶が入ったお酒専用のガラス製冷蔵庫やビールグラス、さらにたくさんの焼酎の瓶が並んでいます。「まるで、居酒屋さんだ」と叫んでしまいました。

お店の中は材木の一枚板で作られた立派なテーブルが椅子席用と桟敷席用に使われています。壁には、和風月名(睦月、如月、…)ごとに12枚の小さな水彩画が掲げられています。壁を見渡していると、1枚の写真を発見しました。この写真を見つけて、ビックリ。

お店のご主人の蕎麦にかける情熱を感じることができる写真です。その写真とは、「町田蕎麦打ち研究会 2017.12.3 100回記念」と書いたホワイトボードを背景に、22名の方々が集合している写真です。前列真ん中にお店のご主人がいます。小さな写真のため見過ごしてしまいそうですが、蕎麦鑑定士にとっては見逃せない写真です。この写真を見ていると、「私は町田市の蕎麦打ち研究会で蕎麦の研究に情熱を注いでいる」とお客さんへ主張しているように感じます(事実かどうかは別として、蕎麦鑑定士の食味レポートを書くために訪問した私にはそのように感じられました)。

お店は、お客さんの対応係の女性一人と、調理場を仕切る男性一人で切り盛りされています。

メニューを見ますと、「金・土曜限定」という文字とともに、「十割」という蕎麦メニューに魅力を感じます。「十割1,000円」は美味しそうです。

「十割」以外のメニューに目を向けると、何も注釈の無いお蕎麦もあります。「二八蕎麦」です。店内の壁には、「お得なお昼ごはん はるきセット850円」と張り紙があます。この「はるきセット」は、お蕎麦を冷たいお蕎麦や温かいお蕎麦から選べるうえに、天ぷらが乗ったご飯物の小丼、小ばち、サラダなどが付いていますので、お腹がすいた人にとって、まさに「お得なお昼ごはん」です。

来店しているお客さんは、年配女性の6人グループ、背広姿の男性2人グループ、カジュアルスタイルの男性1人が、それぞれ3つのテーブルで、お蕎麦が運ばれてくるのを待っている状況でした。さて、私と言えば、入店した日が土曜だったので、迷わず十割蕎麦を味わうため、「十割天せいろ」(2,300円)をオーダー。

15分ほど待ちました。他のお客さんが注文したお蕎麦が順番に運ばれていくのを眺めながら、待ちました。私がお店に入ったときは、お昼時だったので、お客さんに運ばれていくお蕎麦は、すべてが「はるきセット」。人気メニューなのでしょう。

私がオーダーした「十割天せいろ」が運ばれてきました。お蕎麦を見た第一印象は、「とても美味しそう!」。

十割蕎麦はザルの上に盛られています。麺からソバの香りが漂います。十割の麺の色は、「はるきセット」の二八蕎麦に比べると、明らかに色が濃いのが分かります。ホシはありません。

麺の細さは細麺でもなく中ぐらいの太さというところでしょうか。麺の細さは均一ではなく、ところどころに不揃いな切り端が入っているのは、手で切っている証拠で好感が持てます。少しダマが入っているのは、お客さんのオーダーに一人で対処しているお主人の姿を想像すると、愛嬌です。

麺の量は、意外にも多め。冷たい水で、キュッとしめてあります。まずは麺だけを口に運ぶとソバの良い香りが漂います。麺はしっかりとしたコシが出ています。すこしネチッとした感触とともに、噛みしめると、噛み応えとともに十割蕎麦の甘みが感じられます。飲み込むときに喉越しの良い感触が伝わってきます。食する私に、一連の動作を通じて、十割蕎麦を味わう幸福感が生まれました。「美味い!」の一言です。

辛汁は、鰹節のだしがきいた少し辛めの味です。麺を辛汁に半分ほど浸して口に運ぶと、これはこれで美味しさを味わることができます。「やはり十割蕎麦は美味いな!」と実感できる瞬間です。

食べ終えてから、壁に貼られたメニュー書き「お得なお昼ごはん はるきセット850円」を眺めていると、「この値段で、小丼などの蕎麦セットメニューを提供するのは経営的に大変だろうな」と想像できます。

蕎麦は手間暇がかかる食なので、価格を抑えながら美味しい蕎麦を開発維持するのは大変なだけに、価格を抑えた蕎麦セットメニューには、蕎麦をいつでも誰でも食べられる身近な食として、さらに、満腹になるセットメニュー食として地元の人たちへ提供したいという、蕎麦に向けたご主人の情熱を感じられます。

ご主人に、「町田蕎麦打ち研究会」で研鑽を積んで、いつまでも美味しい蕎麦を地元の人たちへ提供していただきたいというエールを送りながら、お店を後にしました。

(レポート提出/ Lysine)

【 店 名 】蕎麦はるき

【 読 み (ひらがな)】そばはるき

【 店の電話番号 】042-721-3535

【 住 所 】〒194-0013東京都町田市原町田四丁目16-16

【 アクセス 】JR町田駅から徒歩10分、小田急線町田駅から徒歩15分

(町田市民文学館の隣り)

【 営業時間 】午前11時から午後8時(LO7時30分)

【 定 休 日 】日曜、祝日、年始

【ひとり分の平均的な予算】昼 650円~3,000円  夜 お酒の値段次第

【 予 約 】可

【クレジットカード】不可

【 個 室 】無

【 席 数 】 17~18席(4人掛けテーブル2卓、5~6人掛けテーブル1卓、4人掛け桟敷席1卓)

【駐 車 場】 無(近くにコインパーキング多数あり)

【 煙 草 】禁煙

【アルコール】有

【店のホームページ】http://sobaharuki.com/

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/o2Z4dgZHCb3Ckjis5

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