神田まつや(東京都千代田区)歴史と共に味わう江戸蕎麦
蕎麦の何も解っていなかった頃に訪れて以来、約6年ぶりの訪問になります。
老舗店が多々残る町、神田須田町の蕎麦屋さん。
誰もが歴史あるお店だと見てとれる風情ある渋い外観は、道行く人が振り返ることもしばしば。
お昼や夕飯時を避けて来店しましたが、暖簾を潜るとお酒で話が弾むお客さん、蕎麦を楽しむお客さんで賑わっていて大盛況、静かな町の暖簾を潜れば笑い声飛び交う賑やかな店内、外見だけでは解らない外との温度差に思わず笑みが溢れました。
店内は外観からイメージするよりも広い間取りの印象を受け、その空間にテーブルと椅子がギュッと敷き詰められています。4人がけテーブルに小さな椅子が計6個並んでいる席もあり、席数が多く感じられる大衆っぽい雰囲気を醸し出すところは店の個性の1つかなと(来店時は1テーブル4人で囲む席と5、6人で囲む席と様々でした)。伝票片手に慣れた接客のおばちゃん達、テーブルの相席になったお客さんとは入りに「失礼します」帰りに「お先に」と、自然と挨拶が交わされるのも老舗店で見かける光景、あたたかい雰囲気も素敵でした。
ガラス越しに蕎麦打ちを観ることができるのも嬉しい造りです。
今回は腰を据えて蕎麦を楽しもうと、お酒と「わさびいも」を注文。
粘り気の強い芋のシッカリとした食感、青海苔と山葵の強い味、少量でも十分なお酒のお供になり、蕎麦打ちを観ながら嗜みました。
途中、大相撲一月場所の触れ太鼓がやってきて、蕎麦屋さんでの初体験。貴重な時間にめぐり逢う嬉しい出来事も。
蕎麦前の時間に決めた蕎麦メニューは、シンプルに「もりそば」。
調度良い細さに整っていて水々しいツヤを放ちながら、良く見ると蕎麦らしい粗目も微かに残る蕎麦は、見ているだけで美味しいだろうと思わせてくれるビジュアル。
薬味は葱のみ山葵なし、蕎麦を出来るだけそのまま味わってくださいという拘わりでしょうか、勝手ながらそう聞こえてきた気がしながら、お蕎麦をいただきます。
一口食べると、ほんのり甘めの蕎麦の香りが漂いました。コシは強めで噛むと蕎麦の味が増すのを感じとれたので噛み締めたくなる、それでいてそのまま飲み込むことに抵抗もないツルっとした食感もある蕎麦でとても美味しい。
お猪口に注がれた汁は、辛味の中に甘味も感じて強さを主張しすぎない濃い目の汁。個人的には蕎麦を汁に付け過ぎても6割かなと思えるくらいで、付け加減も楽しみながら食べることにしました。
癖を感じないまろやかな汁は、蕎麦の風味も邪魔しない抜群の相性と感じて、勿体ぶり噛み締めつつも、箸が止まらずスルッと食べ終わってしまいました。お代わりしたいけど、お客さんが並んできたので今回はお預け。
昔から変わらないのだろう大衆的な雰囲気の中で食べる、本格的な江戸蕎麦。
見る角度、味わう角度を変えるだけでこんなにも蕎麦の面白さは広がるのだなと、とても美味しく楽しい貴重な蕎麦の時間を過ごせました。
お店へのアクセスもJRや地下鉄メトロなどから訪問しやすい立地にあるので、タイミングの良い時にまた訪れてみようと思います。
(レポート提出/蕎麦と銭湯好き)
【 店 名 】神田まつや(東京都千代田区)
【 読 み (ひらがな)】かんだまつや
【 店の電話番号 】03-3251-1556
【 住 所 】東京都千代田区神田須田町1-13
【 アクセス 】新宿線 小川町駅 徒歩1分
丸ノ内線 淡路町駅 徒歩1分
千代田線 新御茶ノ水駅 徒歩2分
【 営業時間 】11:00~20:00(月~金)
11:00~19:00(土・祝)
【 定 休 日 】日曜(祝祭日は営業)
【ひとり分の平均的な予算】昼:約1000円
夜:約2000~3000円
【 予 約 】不可
【クレジットカード】不可
【 個 室 】なし
【 席 数 】約65席
【駐 車 場】なし
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】あり
【店のホームページ】http://www.kanda-matsuya.jp/