有喜屋 先斗町本店 (京都府京都市) 京都の三条大橋の近くにあるお店
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京阪本線「三条」駅の6番出口を出ると、三条大橋があります。その橋を渡って直進すれば、黄綬褒章と藍綬褒章を受章されたこの店の三代目店主が講師を務める「有喜蕎心流そば打ち塾」があります。そば打ち実習の後は、店主の打った特別の蕎麦を試食することができます。
さて、このお店は、先斗町(ぽんとちょう)にあり、橋を渡ってすぐ左に曲がって歩いていけばあります。たくさんの観光客で賑わう観光スポットにあり、昭和4年に創業された地下にも客席がある2階建ての老舗のお店です。歴史を感じさせる「有喜屋」と書かれた赤い大きな提灯が目印です。
日曜日の12時過ぎに到着しましたが、やっぱり1階は満席でした。「1人です。」と女性店員さんに伝えると、2階へ上がるようにと案内されました。階段を上ると、女性店員さんがいて、靴を脱いで座敷に上がるように案内されました。畳の上には、2人掛用のテーブル席が9卓、3人掛用のテーブル席が1卓ありました。ご夫婦や家族連れや友人同士が先客で、ほぼ満席の状態でした。正座が苦手な私には、テーブル席はありがたいです。内装はベージュ色で和風モダンな落ち着いた感じで、壁には舞妓さんの絵が飾られていました。店内には長唄のBGMが流れており、三味線の音色と相まって、如何にも京都らしい雰囲気のお店といった感じでした。
女性店員さんがおしぼりとそば茶を運んでくれました。女性店員さんの笑顔で明るく溌溂とした応対が印象的でした。
テーブルに置かれたメニューの中で、「京都府南丹市 美山二八ざるそば 数量限定売切れ御免」(1,000円税別)と手書きで書かれているものがありました。お店が契約しているそば畑で、「今秋収穫した新そば」とも書かれていましたので、「これだ!」と思い即決で注文しました。美山町に契約している蕎麦畑があり、そこで収穫された蕎麦をお店でも食べてみたいと思っていたからです。
6分後に女性店員さんが、注文した品を持ってきてくれました。蕎麦の外観は、薄い小豆色です。ホシはなく、麺の太さは極細で、長さは短く、量は小食の女子にはちょうどいい量でした。麺は出来立てなので、瑞々しく断面には角がありました。もちろん、刻み海苔がかかっています。
一口目は、麺を左の手のひらに乗せて、そのままいただきました。蕎麦は、ほんのり甘さを感じました。麺の舌触りは、つるつるしており、麺のコシはしっかりしていました。歯を麺に当てた時の弾力が切れ具合もプツンと切れるぐらいに歯ごたえがありました。
二口目は、そばの上に山葵を少し乗せて、そのままいただきました。山葵の辛味が鼻にツーンと抜けていくのと、冷たく冷やされたそばが、口の中の頬にあたり、冷たく感じるのと、麺がしっかりしており、極細麺なのに噛み応えがあり、そばのおいしさを感じることができました。
徳利に入ったつゆを猪口に入れて、つゆを味見してみました。汁を舐めてみた印象は、ほんのり甘く、香り高い鰹出汁の味がしました。私はこの味が好きです。
いよいよ、そばに山葵を乗せて、そばにつゆをたっぷりつけて、一気にそばを口の中に入れました。そばが冷たいのと、麺がツルツルしているせいか非常にのど越しがよく、つゆの香りも口の中に広がって最高でした。あとは、この繰り返しで一気に平らげました。
そばを食べ終える寸前に、女性店員さんが蕎麦湯を持ってきてくれました。半透明の蕎麦湯でした。つゆに入れて飲んだのですが、飲んだ印象はつゆの味が程よく薄められて飲みやすくなっていて、さっぱりとした味わいでした。
折角大阪から来たので、この店の名物である「有喜天そば」(1,100円税別)も注文しました。熱いのと冷たいのがあるのですが、今回は熱いのを注文しました。「有喜そば」(920円税別)(温)は、温かいかけそばに、中粒納豆(京都紫竹納豆)と卵(ヨード卵光)を混ぜて練りこんだものをそばの上に乗せてあります。このお店でしか食べられないものです。
「有喜天そば」は、その上に天ぷら(海老、海苔、獅子唐)が乗っているものです。数分後、店員さんが注文した品を運んできてくれました。外観は、まるで黄色いメレンゲのようなふわっとした感じのものが、器を覆っていました。早速、お蕎麦から頂きました。お蕎麦を箸で持ち上げると、そのクリーミーなメレンゲのようなものが絡んでおり、口の中に入れると触感がふわトロなので、大変食べやすく、口の中でとろけるような味わいです。納豆独特の匂いは、全くありません。やわらかい大豆です。納豆と出汁の相性も良く、抜群です。最後に納豆が残るのですが、スプーンで、出汁と一緒に味わいながら、あっという間に完食しました。
ネットで調べたのですが、納豆と言えば茨城県水戸市が有名なのですが、納豆の発祥の地は、なんと京都であるという説があるのだそうです。そもそも「納豆」という言葉はなかったのだそうで、朝廷に「豆」を「納める」ことから「納豆」という言葉が生まれたのだそうです。納豆は関東のイメージが強いですが、私は関西人ですが、納豆は大好きです。
食べ終わると、女性店員さんが、温かいそば茶を湯呑に注いでくれました。そば茶は、香ばしいので、食後の一服には最適な飲み物です。
私の今回の採点ですが、お店の雰囲気は、和風モダンな内装とBGMが京都の風情を感じさせる空間を作り出していて抜群でした。女性店員さんは気立てが良くて、明るいおもてなしでした。蕎麦は、三代目店主が認めた職人しか打つことができない蕎麦ということで、お店の品格を感じることができました。
私としては、お店の雰囲気、接客態度、お蕎麦の味等を総合して、もちろん100点をあげたいと思ったお店でした。
(レポート提出/いり番茶)
【 店 名 】有喜屋 先斗町本店
【 読 み (ひらがな)】うきや ぽんとちょうほんてん
【 店の電話番号 】075‐221‐2978
【 住 所 】京都市中京区先斗町通三条下ル石屋町125
【 アクセス 】京阪電車「三条」駅から徒歩3分
【 営業時間 】昼の部 11:30~15:00
夜の部 17:00~20:30(L.O.)
【 定 休 日 】月曜(月曜が祝日の場合、火曜)
【ひとり分の平均的な予算】昼 1,000円
【 予 約 】可
【クレジットカード】不可
【 個 室 】有
【 席 数 】52席
【駐 車 場】無
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】有
【店のホームページ】有
【地図にリンク】https://g.page/ukiyahonten?share