寒ざらしそば芦生 (大阪府大阪市) 住吉大社の近隣にある蕎麦屋
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大阪で「すみよっさん。」と言えば、住吉大社のことです。正月三が日で約200万人の参拝客で賑わうほど、大阪では超有名な神様なのです。この蕎麦屋は、その神社の近くにあります。周囲には住吉公園や粉浜商店街もあり、下町情緒あふれる雰囲気の住宅地にあります。
ネットで蕎麦屋を探していたら、「寒ざらしそば」というお店の名前が気になり、「一度は食べてみたい。」と思いました。「寒ざらしそば」は主に東北地方で、真冬の川の清流に数か月浸けてから、寒風にさらし、乾燥させた玄そばを挽いて打つ蕎麦のことだそうです。
自宅から自転車で行ける距離なのですが、この日は雨が降っていたので、自家用車で直行しました。専用駐車場はありませんが、近くには安価なコインパーキングがあるので安心ですよ。
お店の入口の左側はガラス張りで、中は手打ちの作業場になっていました。暖簾をくぐり、格子戸を開けると、左手には4人席のテーブルが2卓、右手には12人席のテーブルが1卓、奥はカウンターになっており、5席ありました。一番奥が調理場になっています。開店して7分後に到着したのですが、店内には既に雨にもかかわらず、数名の先客がいました。内装は、白色を基調としたモダン和風の明るい感じでした。店内には、店主がお気に入りというニューエイジの音楽が流れています。お店の雰囲気は庶民的で、家族連れでも、サラリーマン同士でも気さくに立ち寄れる感じのお店だと思いました。
テーブルにあるメニューは手書きでした。お昼は、セットメニューがお薦めだったのですが、やっぱり「寒ざらしそば(税込1,260円)」を注文しました。5分後に店員さんが、注文した品を持ってきてくれました。
店のお蕎麦は、全て福井県大野産の玄挽きの十割そばです。そばの外観は、薄い小豆色で、つやがありました。ホシは少しありました。麺の太さは細く、長さは普通で、量は少食の女子にはちょうどいい量かもしれません。麺は出来立てなので、瑞々しく断面には角がありました。
最初は、麺を箸でつまんで、そのままいただきました。麺の舌触りは、つるつるしており、蕎麦の味はほんのり甘さを感じました。「アクを取ってあるので、蕎麦に甘みがあります。」と店主が後で説明してくれた通りでした。次に、そばの上にピンクの岩塩を少し乗せて、そのままいただきました。塩の甘じょっぱさと、麺がしっかりしており、細麺なのに噛み応えがあり、そばのおいしさを感じることができました。
陶器の猪口に入れられたつゆを味見してみました。汁を舐めてみた印象は、鰹と昆布の出汁が効いており、香り高く、濃い目に感じました。
いよいよ、そばに山葵を乗せて、そばにつゆを半分つけて、一気にそばを噛まずに飲み込みました。そばが冷たいのと、麺がツルツルしているせいか非常にのど越しがよく、つゆの香りも口の中に広がりました。十割は、二八に比べて伸びるのが早いので、すぐに食べないといけないと最近知りました。なので、一気に平らげました。
折角なので、「もりそば(税込860円)」を追加注文しました。山葵を乗せて、つゆを半分つけて、美味しく一気に完食しました。
そばを食べ終えると、店員さんが蕎麦湯を持ってきてくれました。半透明の蕎麦湯でした。いつものように、ネギをつゆに入れてから、それに注いで飲んだのですが、飲んだ印象はつゆがほんのりとした辛さなので、さっぱりとした味わいでした。お茶は、そば茶でした。香ばしく食後の一服には最適ですね。
さて、このお店の名前の「芦生」は、「芦生の森」と言って、京都丹波高原国定公園に指定されている清流の川や森林に恵まれたところから名付けられたとのことです。寒ざらしそばの玄そばは、店主が作っています。貝塚市にある家屋でタンクに入れた冷水に玄そばを入れて、数日かけて数回水を入れ替えた後、数日かけて天日干しにしているので、アクや渋みが取れるのだそうです。また、玄そばを仕入れて、製粉にするまでには、磨きという工程を数回繰り返し、選別という工程を経てから、製粉にするのだそうで、機械任せとは言え、とっても手間暇かけているということを教えていただきました。
店主が、「うちの職人は、真心こめて打っているので、美味しいんです。」と誇らしげに語っていただきました。自身も肝に銘じようと思いました。
丹精込めて作られた蕎麦とも知らずに、これまで、あっという間に食べていた自身の知識の低さを恥ずかしく思いました。十割蕎麦のはかなさに感動するとともに、今後は感謝の気持ちで食さないといけないという思いが強くなりました。
店主は、とても親切な方でした。製粉場所も見学させていただき、いい経験になりました。私にとっては、まさに蕎麦の神様でした。ありがとうございました。
(レポート提出/いり番茶)
【 店 名 】寒ざらしそば 芦生
【 読 み (ひらがな)】かんざらしそば あしう
【 店の電話番号 】06-6615-9980
【 住 所 】大阪市住吉区東粉浜3-27-18
【 アクセス 】南海本線「住吉大社」駅から徒歩3分
【 営業時間 】11:00~15:00、17:00~20:00
【 定 休 日 】月曜日
【ひとり分の平均的な予算】昼 1,000円 夜 2,000円
【 予 約 】可
【クレジットカード】不可
【 個 室 】無
【 席 数 】 25席
【駐 車 場】 無
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】有
【店のホームページ】なし
【地図にリンク】https://goo.gl/maps/UhTbSXTUfWKmHimE7
【写真の説明】S1 1456 寒ざらしそば
S2 1457 寒ざらしそば
S3 1458 そばつゆ
S4 1459 そば湯
S5 1461 もりそば
S6 1449 手打ちの作業場
S7 1470 店内の様子、カウンター、調理場
S8 1460 店内の様子