手打蕎麦 風りん(福岡県福岡市) 店主一人で切り盛りされているお店
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地下鉄渡辺通駅、またはバス停から少し住宅街に入ったところに『新そば』と書かれたのぼりが見える。ひっそり落ち着いた店構えで、入店すると静かに店主が迎えてくださった。オープンして約4年だが、店内は清掃が行き届いていていて、明るく気持ちがよい。
分かりやすい場所に、蕎麦茶は『ご自由に』と書かれていたが、カウンターに座るとすぐに店主自らお茶を出してくださった。お冷はセルフ方式で、ポットがあらかじめテーブルに置かれている。おしぼりやグラスも席に設置済みで、無駄のない効率的なセッティングに感心した。
お昼は、玉子丼、親子丼、天丼、海老天丼の4種類の丼もの小サイズ(300円~650円)に蕎麦をセットにして提供している。単品の蕎麦は、冷・温と分かれていてシンプルなラインナップだ。もりそば770円を注文すると、てきぱきと調理を始められた。カウンターから厨房を見ると、蕎麦をゆがく大きな釜が見える。打ち場はカーテンが引かれていて見えなかったが、コンパクトに設置されているようだ。とにかく清掃が行き届いていて清潔感が感じられる。
一品メニューはシンプルかつ定番のそば焼き味噌(500円)、そばがき(900円)、玉子焼き(700円)などがあり、夜は蕎麦と一緒にお酒も楽しめる。天ぷら盛り合わせが1,000円というのは大変良心的だ。どちらかというと、大勢で訪れるというよりは、一人か二人で立ち寄り落ち着いた雰囲気で過ごすのに向いている。
もりそばをカウンター越しに受け取ると、器も上品で盛り付けも美しい。
蕎麦の色は薄いが、細く、綺麗に切られている。まずは何もつけずに一口目をすする。ほのかに蕎麦の香りがするが、やや弱い。麺は細く長いため喉越しが良く、ややもっちりした噛み応えもある。
つゆにつけてみると、カツオだしの香りと旨味が一気に口の中に広がった。関東風の辛口だが、醤油辛いのとは違う。旨味があるため、つゆだけを飲んでみてもさほど辛くは感じない。薬味の大根おろし、わさび、ねぎを入れてみたが、このつゆをしっかり味わうのであれば、薬味はなくても良いかもしれない。
ちょうど食べ終わる頃に、蕎麦湯が運ばれた。蕎麦猪口に注いだ蕎麦湯は、御白湯のように透明だった。混ざりが悪いのかと思い、ふたを開けて中を確認し、蕎麦湯のポットを揺らして混ぜるようにしてみたが、蕎麦湯の状態はあまり変わらなかった。蕎麦湯のとろみと香り、つゆの混ざった具合をもう少し楽しみたかったので、少し残念に感じたが、もしかすると、つゆの味を消さないように薄めの蕎麦湯を提供されているのかもしれない。
店の外に出る際、最後まで頭を下げ丁寧に挨拶をしてくださり、店主の真面目な人柄が感じられた。一人で切り盛りできるよう、厨房や食器の配置などを工夫・整理整頓されている点が本当に素晴らしい。
店主は一茶庵のそば教室で学び開業されたそうで、関東風のつゆの味の理由が分かる。休日のランチをゆっくり過ごしたい、静かで落ち着いた空間を楽しみたい時の大人向けの蕎麦屋さんと言えそうだ。
(レポート提出/もがみ)
【 店 名 】手打蕎麦 風りん
【 読 み (ひらがな)】てうちそば ふうりん
【 店の電話番号 】092-531-6888
【 住 所 】福岡県福岡市中央区高砂1丁目6−6 サンクス高砂102
【 アクセス 】地下鉄渡辺通駅から徒歩5分
【 営業時間 】平日・土曜 11:30~14:30/18:00~23:00
【 定 休 日 】日曜
【ひとり分の平均的な予算】昼 ~1,999円 夜 ~3,000円
【 予 約 】可
【クレジットカード】不可
【 個 室 】カウンター、テーブル
【 席 数 】12席
【駐 車 場】なし
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】日本酒、焼酎、ワイン
【店のホームページ】なし