そば処萬乃助泉本店(宮城県仙台市)本場の「山形そば」が食べられる蕎麦屋

東北地方のおいしいそば屋

この日、私は宮城県仙台市に出張していました。職場の友人と「山形そば」が美味しい「泉本店」に車で行きました。お店は、地下鉄「泉中央」駅から車で20分程度かかります。周辺は、仙台市内とは思えない風光明媚な景観に恵まれた田舎です。

外観は、築80年の古民家を改築した木造の建物です。人気店なので、店内はほぼ満席に近い状態でした。広い座敷で、座卓ごとに座布団が敷かれています。白い壁で、ガラス戸から景色を眺めることができ、天井には郷土風の飾りがあり、ゆったりとくつろげる空間になっていました。

山形そばと言えば、「板そば」が有名ですね。大きな板状の木箱に2~3人前の蕎麦が入っており、主に山形県の内陸部で食べられています。「板そば」は農作業の合間や寄り合いの席で分け合って食べる「振る舞いそば」が定着したもので、仕事や人との関わりが「板につきますように」という思いが込められた料理とされてきたそうです。

さて、このお店は、農業の神様が住むと言われる葉山の麓に約10ヘクタールのそば畑を所有しており、自家栽培した「最上早生」と「でわかおり」の2種類の玄そばを自家工房にて毎日製粉(石臼挽き)し、製麺しています。

お店の「板そば」は茹でる前の量を4種類から選べますが、値段はそれぞれ異なります。「小板」は200g、「板」は300g、「大板」は450g、「尺大板」は750gです。麺の太さも3種類から選べます。「細打ち」は割り箸の先の約半分の太さで、のど越しが良く、「普通打ち」は割り箸の先の約一本分の太さで、山形蕎麦の一般的な太さです。「太打ち」は割り箸の持ち手側の約一本分の太さで、極太で歯ごたえがあります。

「ランチセット」(1,210円)は、4種類あります。温かいのは、「鳥セット」と「かけセット」です。冷たいのは、「小板セット」と「肉セット」です。そのほかにも、「究極十割蕎麦(1日限定20食)」(1,540円)や「鴨板」(1,870円)、「ひっぱりうどん」(1,210円)など、山形名物の品揃えが豊富です。

悩んだ末に「小板セット」にしました。「ミニ天丼」と「ミニソースカツ丼」のどちらかを選ぶのですが、「ミニ天丼」にしました。そばの太さは、女性店員さんの勧めで、山形そばで一般的な「普通打ち」にしました。10分後に、お茶とおしぼり、漬物を運んでくれた同じ女性店員さんが、注文した品を持ってきてくれました。「ミニ天丼」には、海老、茄子、南瓜、獅子唐の天ぷらが載っていました。ビジュアルが素敵で、サクサクで美味しかったです。

蒸篭に盛られたそばは二八蕎麦で長く、若干太めで均一です。色はやや黒っぽく、ホシがあります。量も200gとやや多めです。表面は瑞々しく、光沢がありました。

山葵とネギが添えられていました。つゆは、鰹出汁の効いた甘さ控えめのまろやかな味わいです。そばをつゆにどっぷりつけて、モグモグと硬めの食感を楽しみながら味わいました。江戸蕎麦が好きなのですが、この田舎そばは美味しいです。蕎麦湯は流行りの半透明で、さっぱりした味わいでした。

後日、別の職場の友人と一緒に車で「岩沼店」に行きました。このお店は仙台空港から車で15分程度かかります。周辺は、広々とした田んぼがあり長閑です。

茜色の屋根が目印で、古民家を改築した木造の建物です。内装も、「泉本店」とよく似ており、ゆったりとくつろげる空間になっていました。店内はお昼時とあって、繁盛していました。今回は、「ミニソースカツ丼」と「冷たい肉そば」の「ランチセット」にしました。

「冷たい肉そば」は、山形県河北町谷地地区が発祥で、村山地方の名物です。鶏の出汁が効いた冷たいスープです。若鶏ではなく、出汁が良く出る親鶏を使用しており、肉も噛み応えがあるのが特徴です。冬でも「冷たい肉そば」が人気のようです。「ソースカツ丼」も有名です。

10分後に女性の店員さんが、注文した品を持ってきてくれました。麵の上には、白髪ネギがふんわりと載せられていました。そばの長さは普通で、「細打ち」です。麺は食べやすく、冷たい出汁が絡んで絶妙です。

白髪ネギのシャキシャキした食感は麺との相性が抜群です。山形から取り寄せている鶏肉は噛み応えがあります。特に鶏の出汁は鰹と昆布の旨味も加わった黄金スープで、冷たいので飲みやすく癖になるような美味しさです。やっぱり我慢できずに全部飲み干してしまいました。

山形で食べた「冷たい肉そば」でした。「ミニソースカツ丼」も適量で、衣がこんがりサクッと揚がっていました。ソースのたっぷりかかった豚肉も柔らかく、美味しくいただきました。蕎麦湯をいただいた後、「蕎麦茶プリン」(275円)も注文しました。そば茶の香りが香ばしく、プリンのねっとりした甘さ控えめの舌触りで、大変美味しかったです。

私の今回の採点ですが、「山形そば」の味に加え、女性店員さんの笑顔、お店の雰囲気等を総合して、大満足のお店でした。

(レポート提出/入り番茶)

【 店 名 】そば処萬乃助泉本店

【 読 み (ひらがな)】そばどころまんのすけいずみほんてん

【 店の電話番号 】泉本店 022-379-8223

岩沼店 0223-23-1770

【 住 所 】泉本店 宮城県仙台市泉区実沢字館屋敷12

岩沼店 宮城県岩沼市小川神田町22

【 アクセス 】泉本店 地下鉄「泉中央」駅から車で20分

岩沼店 仙台空港から車で15分

【 営業時間 】平日    11:30~15:00

土・日・祝 11:00~15:30

17:00~20:00

(L.Oは閉店30分前)

【 定 休 日 】火曜日

【ひとり分の平均的な予算】2,000円以内

【 予 約 】可

【クレジットカード】不可

【 個 室 】泉本店 あり 岩沼店 なし

【 席 数 】泉本店 70席 岩沼店 40席

【駐 車 場】あり

【 煙 草 】禁煙

【アルコール】あり

【店のホームページ】https://www.sobaman.jp/

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/HQDXpkznHb4FepLR7

https://goo.gl/maps/oYJcrTiJJBr9eEoP7

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