生石大松家(山形県酒田市)板蕎麦と郷土料理が食べられる蕎麦屋
- By: Reporter
- カテゴリー: 東北地方のおいしいそば屋, 山形県のおいしいそば屋, 蕎麦Webレポーター別、そばのクチコミ, おいしいそば屋の食べ歩きレポート, 入り番茶
この日、私は山形県で庄内地域と言われる酒田市に出張していました。職場の友人が美味しい蕎麦屋を紹介してくれましたので、早速お昼休みに3人で行ってみることにしました。このお店はアクセスが不便なのですが、酒田駅から車で30分はかからないと思います。酒田市にある最上川の河口部は日本海の眺めが美しいですが、このお店がある内陸の美しい里山と広々した田園に囲まれた長閑な風景も素晴らしいですよ。お店の前には、20台ぐらいは駐車できそうな広い駐車場があります。宮城ナンバーの車が駐車されていました。
茅葺の立派な門をくぐり、奥に進んで行きました。このお店は、築150年以上は経っている旧家の豪農屋敷だったと思われる古民家を店主が3年かけて、郷土料理と手打ちそばの店に改装したそうです。
入口の格子戸が既に開かれており、中に入ると大きな土間になっていました。さらに進み、靴を脱いで座敷に上がりました。お店が開店してから少し遅れて到着したのですが、すでに3組の先客が座っていました。すべての席に囲炉裏がありました。女性の店員さんが、「お好きな席に。」と案内していただきましたので、日当たりがいい場所に座りました。すぐに、湯呑に冷たいお茶を入れて持ってきてくれました。
メニューを見ると、手打ち蕎麦、焼き物のほかコース料理もありました。「庄内豚天そば」(1,300円、税別)がありました。庄内豚と言えば、酒田市で有名な平田牧場の豚肉かもしれないと思い、食べてみたいと思いました。「くるみ蕎麦」(1,000円、税別)がありました。くるみのつゆで食べるのですね。長野県上田市の蕎麦屋が有名ですね。
「孟宗汁(もうそうじる)」(400円)がありました。「孟宗汁」は、鶴岡市出身の直木賞作家である藤沢周平が「毎年5月になると思い出す季節の味」と言ったほど、代表的な郷土料理です。かつて、修験者が北前船で京都から孟宗筍を持ち帰り、寺社に植えたのが始まりと言われています。味噌、酒粕を使用し、具には孟宗筍(たけのこ)、厚揚げ、しいたけなどが入っています。庄内地域では「厚揚げ」のことを「あぶらげ」と言い、通常の「油揚げ」のことを「うすあげ」と言うそうです。5月に行われる「酒田まつり」でも「孟宗汁」はごちそうとして親しまれているそうです。そのほかに、「山菜蕎麦」(1,300円、税別)や「鴨汁蕎麦」(1,500円、税別)がありました。
悩んだ挙句に、やっぱり「手打ち蕎麦と弁慶飯セット」(900円、税別)を注文することにしました。「弁慶飯」はおにぎりに味噌を塗り、青菜漬(せいさいづけ)に包んで、焼き網に乗せて焼いた、庄内地域に古くから伝わる郷土料理です。
女将さんが、「平田で採れたキュウリをご自由にお召し上がりください。」と勧めてくださいました。キュウリは瑞々しく、味噌をつけていただきました。
6分後に女性の店員さんが、注文した品を持ってきてくれました。手打ちそばは「板蕎麦」でした。「そね」に入っていました。「そね」は庄内弁で浅い木箱のことです。ネギと山葵が添えてありました。箸置きは葉っぱでした。
そばは、山形県大平産の出羽かおりの九一そばで、挽きぐるみの田舎そばです。そばの色は、茶色です。長さは長く、太めです。表面は瑞々しく光沢がありました。
山葵を麺に乗せて、つゆをつけてそばを口に入れました。そばが冷たいのと、麺がザラザラしており、歯ごたえがあるのでモグモグ噛みながら食べました。つゆはほんのり甘さを感じる濃いめの味です。そばは、すぐに食べないといけない食べ物なので、あとは、この繰り返しで一気に平らげました。
「弁慶飯」は青菜漬が焦げて味噌の風味と相まって香ばしく、大変美味しくいただきました。そばを食べ終わり、蕎麦湯をお願いしました。白濁の蕎麦湯をネギの入ったそばつゆに注いで飲みました。さっぱりとした味わいでした。
このお店は何と東京の銀座にもあるのです。
「大松屋 銀座本店」住所:東京都中央区銀座5-6-13西五番街ビル7F
定休日:日曜・祝日
お店を出た際に、「銀座の本店にも行ってみたい。」と思いました。
私の今回の採点ですが、板そばの味に加え、店員さんの接客、お店の雰囲気等を総合して、大満足のお店でした。
(レポート提出/入り番茶)
【 店 名 】生石大松家
【 読 み (ひらがな)】おいしおおまつや
【 店の電話番号 】0234-94-2617
【 住 所 】山形県酒田市大字生石上坂125
【 アクセス 】酒田駅より車で30分ぐらい
【 営業時間 】昼11:30~15:00
夜17:00~21:30(L.O/21:00)
【 定 休 日 】毎週火曜日
【ひとり分の平均的な予算】昼2,000円程度
【 予 約 】可
【クレジットカード】可
【 個 室 】あり(7人用以上)
【 席 数 】座敷50席
【駐 車 場】あり
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】あり
【店のホームページ】http://omatsuya.jp/