そば処 碧水庵 (山口県下松市) 周南で愛される目立たない小さな蕎麦屋
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周南エリア(周南・下松・光)では今でこそ美味しい蕎麦屋さんも珍しくなくなったが、碧水庵は28年前の創業当時より数少ない美味しい手打ち蕎麦屋さんとして人気があった。今でもその名前は有名で、この地域を代表する蕎麦屋の一つである。
お店は瀬戸内海に沿う山陽本線の跨線橋を降りて直ぐの広い道路沿いにあり、薄オレンジ色の小さな2階建て建物の1階にあるが、シンプルな看板と大きな簾しかなく、幟が数本立っていなければ見過ごしやすい。特に山側から向かうとNTTの大きなビルにすっぽり隠れてしまうので、何年かぶりに食べに来た私は気づかずに一度通り過ぎてしまった。
駐車場は横道を挟んだ向いにある。以前は数台しかなく停めるのも順番待ちで苦労したが、今は数が増えていて難なく停めることができた。
あらためて店先を見ると、高さ1mくらいの目立つ看板には営業時間だけしか書いてない。お店の名前はというと、洒落た字体で墨書きされた小さな紙だけが扉に貼ってある。地味で目立たないが味わいがある。
店に入ると狭いエリアの中に、二人用の小さいテーブルが3つ、奥の壁に向かって一人用のカウンター席が4つ、全部で10席ほどである。昼のピークを過ぎて遅くに入り、ちょうど入れ替わりだったためだろう、お客さんは4人だけでテーブルの片づくのを待つと直ぐに座ることができたが、しばらくすると席はまた全部埋まった。アルバイトと思われる若くて元気な店員さんが部屋の隅から隅まで忙しく働くが、何分狭いのでお客さんにぶつからないように妙に気を使っているところが微笑ましい。店主はというと、背の高い仕切り壁の向こうで黙々と蕎麦や天ぷらを調理している。
メニューは全て壁に貼ってある。一品一品の写真とともにカラフルな台紙で説明が加えられており分かりやすい。以前来た時とは品揃えが少し違っていた。季節に合わせて変わった蕎麦も食べられるよう色々工夫がされているようである。また、壁には本日の蕎麦の産地も紹介してあり、山形県庄内地方の「でわかおり」が記してあった。
私はせいろの大盛を注文、しばらく待つと横長で深めのせいろにたっぷり盛られた蕎麦が運ばれてきた。蕎麦は、均一なうす小豆色でかなり小さなホシが疎らにあり、表面は比較的滑らかな二八蕎麦。1.2㎜角くらいの細切りで綺麗に切り揃っており、70㎝くらいの長さが多かった。
食べると香りがふわっと湧いてくる。舌触りはつるつるとまではなく僅かなざらつきくらい、弾力は硬すぎない程度で歯切れもそこそこ、甘さがややあった。そばつゆ無しでも思わず半分以上食べ進んでしまいそうな美味しさだ。
そばつゆは、節の香りが強く色がかなり濃いが、それほど塩辛くもなくやや甘めで、そのまま飲んでも美味しかった。麺をつゆに浸けて口に入れると、水っぽさを感じることもなく上手く絡んで、つゆの味を感じながら食べることができた。
終盤は、辛味大根と刻み白ネギをたっぷり入れ、山葵も時々アクセントにして美味しくいただいた。少し残して蕎麦湯の味付け用としてもいただいた。
一緒に行った相方は温かい合鴨のつくね南蛮蕎麦を頼んだ。こちらはやや甘く色薄めで濁りのあるつゆに浸った柔らかい蕎麦。三つ葉がトッピングしてある。軽く焼いた白葱がとても香ばしくて美味しい。また合鴨のつくねが6つも入っているところが嬉しい。
この合鴨つくね南蛮は冷たい蕎麦でも食べられるメニューがあり、温かいつくね南蛮のつゆと、せいろと同じ冷たいつゆの両方に浸けて食べることができるのでお得感がある。次に来た時は是非こちらを食べてみようと思う。
(レポート/どんごろやす)
【 店の電話番号 】0833-44-2554
【 住 所 】山口県下松市大手町2-10-23
【 アクセス 】JR山陽本線 下松駅から360m
【 営業時間 】昼11:30~14:15、夜17:30~20:00
【 定 休 日 】月曜日、水曜日夜(昼は営業)
【ひとり分の平均的な予算】昼・夜 1,000~2,000円
【 予 約 】
【クレジットカード】なし
【 個 室 】なし
【 席 数 】 10席
【駐 車 場】 12台
【 煙 草 】禁煙、屋外に喫煙コーナー有
【アルコール】日本酒・ビールあり
【店のホームページ】なし