蕎麦と地球温暖化。私たちと子供たちの未来を守りましょう

日本蕎麦保存会

日本蕎麦保存会の片山虎之介です。
2023年11月18日と19日、「福井そば博2023」を、開催しました。
でも、「無事に開催しました」とは言えないのです。
深刻な問題が、表に出ています。
それは地球温暖化が、蕎麦にも明らかに影響を及ぼしていることが、わかる状況になってきたということです。

今回の「福井そば博2023」には、島根県から出雲そばのお店が出店してくれるはずでした。
ところが、温暖化の影響で、出雲の新ソバの収穫が遅れ、博覧会に間に合わなかったのです。だから、出雲そばは、今回、「福井そば博2023」への参加を見送らざるを得ませんでした。

気候変動の影響で、ソバの収穫が遅れたのは、福井県でも同じでした。
それでも福井のソバは、ギリギリ、なんとか博覧会に間に合わせることができました。
福井の在来種は、晩生で、収穫時期が遅い特徴を持ったソバです。
福井より南に位置する出雲そばは、さらに晩生です。

播種期に増えている雨量は、ソバの播種を遅らせます。
夏の異常な暑さは、昆虫の活動を妨げ、ソバの受粉に影響を及ぼします。
また、ソバそのものの生育にも、悪影響を与えます。
収穫期の雨量も、深刻な問題です。早刈りしようと思っても、収穫作業ができません。
ソバの品質を、間違いなく、落とします。

「福井そば博2023」では、これらの問題も、シンポジウムの中でとり上げました。

今、私たちの愛するソバは、危機に瀕して、苦しみの声をあげています。
環境破壊によるソバの危機は、私たち人間にも共通する危機です。
これからの時代を生きる子供たちに、さらに深刻な問題としてのしかかってきます。
ソバが、そのことを、いち早く、教えてくれています。
このサインを見逃しては、なりません。
視線を上げて、未来を見ましょう。

私たち自身と、子供たちの未来を守るための活動を開始しましょう。
今からでも遅くありません。

日本蕎麦保存会は、蕎麦と未来を守る活動を、押し進めていきます。
一緒に、歩きましょう。

            日本蕎麦保存会 会長・片山虎之介

 

⬇️「福井そば博2023」の様子。来年度「福井そば博2024」は日本全国の蕎麦の食文化のすばらしさがテーマです

 

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