総本家にしんそば松葉本店（京都府京都市）にしんそば発祥の蕎麦屋

By: Reporter
2021年5月23日
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京都府のおいしいそば屋

このお店は、京阪電鉄「祇園四条」駅7番出口を出て、川端通り沿いの四条大橋の交差点の角にありますので、すぐに見つけることができます。お店の前には紅色の幟がありますので、わかりやすいです。隣は歌舞伎の公演で有名な南座です。創業は文久元年（1861年）で、160年の歴史がある老舗です。建物は5階建で、地下と2階、3階が客室になっており、4階は厨房になっているそうです。お店の入り口の右横では、お持ち帰り用のそばセットや、にしん、瓶詰などのお土産が販売されています。

紺色の暖簾をくぐり、自動ドアに触れると、女性の店員さんが迎えてくれました。地下に行くように案内されましたので、地下に行きましたら、休日のお昼時とあって、満員でした。なかなか順番が進まないので、あきらめて1階に戻ると、先ほどの店員さんが親切にも私に声をかけてくださいました。事情をお話ししましたら、「少しお待ちください。」と言ってしばらく待っていると、「2階席がちょうど空きましたので、お2階にお上がりください。」と丁寧に案内してくれました。

2階は見晴らしが良く、鴨川が流れる四条大橋が見えました。女性店員さんに「1人です。」と伝えると、ちょうど空いているテーブルに案内してくれました。店内は既に13時を過ぎていましたが、観光客などの先客でほぼ満席でした。すぐに、冷たいお茶とおしぼりを持ってきてくれました。

おしながきには気になる品が沢山ありましたので、ワクワクしました。「しっぽくそば」（1,296円、税込）は、しいたけ、ゆば、玉子焼き、海苔、かまぼこ、ほうれん草が載っています。「たらそば」（1,296円、税込）は棒鱈ととろろ昆布が載っています。「助六そば」（1,188円、税込）は、餅と鳥肉が載っています。「いもかけそば」（1,620円、税込）は、丸芋をすりおろしたものが載っています。「俵そば」（1,404円、税込）は、味付けした油揚げの中に、ウズラ玉子、鱧、こんにゃく、季節の野菜を入れて巾着にしたものが載ったあんかけです。

悩んだ挙句に、「にしんそば」（1,404円、税込）を注文しました。にしんそばは、このお店が発祥と言われています。京都で年越しそばと言うと、大抵「にしんそば」が食べられているそうです。なので、このお店の大晦日は「にしんそば」を買って帰られるお客様で賑わうそうです。

かつて、にしんは北海道の江差町から北前船で日本海を経由して、京都に運ばれていました。当時は鮮度を保つ技術がありませんでしたが、乾燥させた身欠きにしんは日持ちするため、京都の人々の貴重なたんぱく源となり、保存食としても人気があったようです。身欠きにしんは、内臓や頭を取り除き三枚におろして天日干しにしたものです。明治15年、この店の二代目店主松野与三吉氏が、にしんの棒煮（甘露煮）とそばを合わせることで、栄養バランスの取れた「にしんそば」を発売したのが始まりだそうです。

7分後に、店員さんが注文した品を運んできてくれました。九条ネギが小皿に添えられていました。丼のつゆは、関西風で薄色です。にしんの棒煮は身が柔らかく、程よい甘さで癖になる味です。鰹節、薄口しょうゆ、昆布の出汁で作られたつゆは、にしんの棒煮の甘さと相まって抜群の愛称でした。国産のそばは、細くて長く、全く均一な太さなので、のど越しもいいです。そばは、すぐに食べないといけない食べ物なので、あとは、この繰り返しで、つゆも一滴も残さず飲み干しました。丼の底には、「京松葉」の文字が書かれていました。

折角なので、「せいろ」（972円、税込）も注文しました。5分後に店員さんが、注文した品を持ってきてくれました。山葵とネギが添えられていました。

均一に揃った細長いそばに山葵を乗せて、つゆにつけていただきました。昆布の出汁が効いており、美味しくいただきました。そばを食べ終わり、蕎麦湯をお願いしました。白濁の蕎麦湯をネギの入ったそばつゆに注いで飲みました。さっぱりとした味わいでした。お店を出た際に、「次は、たらそばに挑戦してみよう。」と思いました。