蕎麦 降松(くだまつ) (山口県下松市) 小山の中にある古民家改装の蕎麦屋
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下松市東部の山あいにある、古民家を改装した今年ちょうど開業十年になる蕎麦屋さんです。国道2号線やJR 岩徳線の傍に高良の社を祭る小山があり、その小山の中腹にあって林に隠れているため、入り口がとても分かりにくく、車で何度か通り過ぎてしまいます。狭い道を上ると、幟と駐車場が見え、その奥にお店があります。外からみると普通の古い民家にしか見えません。
玄関を入ると壁際に絵画や陶器が飾ってあり、ホワイトボードにはメニューや営業日が書かれています。お店の奥に入ると、部屋の仕切壁や床が抜かれ天井も梁が剝き出しとなっているためか、天井が高く部屋も広々と感じます。柱や欄間、壁板が濃茶でシックに統一され、和照明や間接照明もありお洒落な雰囲気です。各テーブルは淡色のカラフルな暖簾でさりげなく仕切られていますが、嫌みがなくとても良い雰囲気です。席に着いて窓の外を眺めていると、庭先にある手水鉢にセキレイが来て水を飲みながら鳴いていました。長閑なところです。
メニューは蕎麦定食と蕎麦稲荷だけしかありません。蕎麦が売り切れるとお店が終わりなので、この日は早めに予約してから向かいましたが、蕎麦稲荷の方は残念ながら売切れで注文できませんでした。
蕎麦定食の内容は、蕎麦切り(ざる又はかけ)の他、揚げ蕎麦搔き、甘味の二品がついています。甘味は蕎麦しるこ、蕎麦プリン、蕎麦ういろうから選べます。最初に、揚げ蕎麦搔きの汁碗と漬物が運ばれてきました。汁には揚げ蕎麦搔き、人参、獅子唐、南瓜、薩摩芋と薄い餅が入っており、赤いお椀とともに色がとても鮮やかで食欲をそそります。味は揚げ蕎麦搔きの香ばしさと薄味に胡椒がピリッと利いた汁で、とても上品さが味わえました。
蕎麦切り(ざる)は、群馬県産の常陸秋そばを使用し外二で打たれているとのことです。麺は薄灰色で星はなく1~1.2㎜くらいの太さで角が立っています。食べると蕎麦独特の香りが広がり、歯ごたえも歯切れもほど良くあり、とてもおいしい蕎麦です。つけ汁は色が濃く辛めですが甘みや節の香りも少し感じられました。薬味は、辛味大根と生わさび、さらし葱が小皿に少しずつ上品に盛ってあります。たくさん使う人には物足りない量かもしれませんが、麵やつけ汁の美味しさを味わってくださいというお店の主張が伝わってくるような気がして、私には十分でした。
最後は甘味です。私は蕎麦ういろう(果物付き)、相方は蕎麦プリンを選びました。山口の特産品として有名なういろうは、あっさりとした甘みで弾力が強くぷるっとした食感が特徴です。ここ降松の蕎麦ういろうもベースは同じですが、蕎麦切りと同じ色合いで柚子の香りがしました。中に柔らかで小さい蕎麦粒(?)が入っていて、これがざらつきを醸し出していました。
一方、蕎麦プリンの方はとろける食感で、底にマンゴーのような黄色い甘いソースが入っていましたが、見た目とは違い思った以上に蕎麦の香りを強く感じられました。どちらの甘味も上品でとても美味しかったです。
蕎麦定食で使われていたせいろやお猪口、お椀、小皿といった器は、いずれも赤から茶色に統一された木製のものであり、ここにもお店のこだわりや上品さを感じられ、何から何までとても満足できるお店です。
(レポート/どんごろやす)
【 店の電話番号 】0833-46-0333
【 住 所 】山口県下松市山田212
【 アクセス 】JR岩徳線 周防久保駅から1,400m
【 営業時間 】昼11:00~13:30(売切れ次第終了)
【 定 休 日 】火曜日、水曜日
【ひとり分の平均的な予算】 1,200~1,500円
【 予 約 】可能
【クレジットカード】なし
【 個 室 】なし(衝立に仕切られた4人席有)
【 席 数 】 22席
【駐 車 場】 17台以上(2ヶ所合計)
【 煙 草 】 禁煙
【アルコール】 日本酒・ビールあり
【店のホームページ】なし