手打ち蕎麦切り屋木鉢坊(茨城県稲敷郡阿見町)  地元阿見に根付くハートフルな手打ち蕎麦屋

茨城県のおいしいそば屋

茨城には実に沢山の蕎麦屋が軒を連ねている。お洒落な住宅街から山の上の観光地に至るまでベーシックでありながら店独自の工夫とアイデアを駆使した様々な蕎麦を楽しめる環境が此処にはある。広大な土地で蕎麦を栽培している所もあれば、住宅街の真ん中で米や野菜と同列にポツンとこじんまりと栽培している所もある。(ポツンと言っても我々が想像するのとは規模が違うので素人目にはとーっても広く感じられるが…)麦や茶や果物等々何でもそこそこ育ってしまう豊かな土質なのであろう。「痩せた土地で旨い蕎麦は育つ」と昔はよく言っていたものだが、決してそうでは無い事を茨城は教えてくれる。

雨の休日、以前阿見に住む友人から「うちは子供の頃から此処の蕎麦。メッチャ混むけど美味しいよ~」と聞いていた阿見中央運動公園にほど近い、通称蕎麦街道と呼ばれる道沿いに店を構える木鉢坊さんを訪れてみた。丁度阿見町消防本部のはす向かい。風格ある純和風建築の日本家屋がそれである。

「いらっしゃいませ~」と明るく元気な女性の声に迎えられ、開店と同時に続々と入店する人々。毎日数量限定売り切れ御免の生粉十割蕎麦が目当てであろうか?(かく言う自分もそうなのであるが…)11:00というお昼にはまだ少し早い時間であるにも関わらず、地元の家族連れやサラリーマンの姿が目立つ。あっという間にテーブル席は満席に。年配の客の中には膝が痛いからとテーブル席が空くのを待つという人もいる。

この店では生湯葉の天麩羅や「蕎麦焼き」という蕎麦を切る前の生地を鴨汁のかえしで焼いたステーキの様な物が食べられると聞いて来たのだが、この日は純粋に十割と二八の蕎麦を食べ比べてみたかったので鴨せいろを生粉の十割にし、それとは別に二八の田舎蕎麦せいろも注文した。十割蕎麦に限り大盛りは受け付けない。従って殆どの客が蕎麦を2枚か大盛で注文している。


そうそう、この2枚のチョイスには注文を取りに来た前述の女性店員さんのアドバイスに依るところが大きい。鴨汁で十割と二八の食べ比べをしたい旨伝えたところお得に食べられる組み合わせを提案してくれたのである。配膳の順番も「先に鴨の十割をお持ちしますね~」とこの店の蕎麦事情をよく知り尽くしている感じ。温かいそば茶をすすりながら蕎麦の到着を待つ。店内を見渡すと仏像や平安女性の絵画が和風小物と共に品良く飾られている。年季が入った調度品も掃除が行き届いて清潔感が漂う。お品書きとは別にこの店で提供される3種類の蕎麦について丁寧な説明書きが掲げられているのも初めて来店する客には親切で分かり易い。蕎麦を食べる前だというのに、気付けばあまりの美味しさにそば茶を2杯もお替りしてしまった。いかんいかん、蕎麦が入らなかったらどうするのだ!

ほどなくして運ばれて来た十割蕎麦は箸で持ち上げた瞬間からふわっと蕎麦の香りが立つ喉越しの良い極細。4口か5口で食べ終わってしまう位の量である。案の定2枚頼んで正解である。ハート形の生蕎麦チップ?がせいろの中央に乗っているが、これは蕎麦の味見用なのか店主の遊び心なのか…?いずれにせよクスッと笑みがこぼれる仕掛けである。白みがかった蕎麦の中に星は見当たらない。どちらかというと柔らかで女性的な蕎麦である。大振りにカットされたネギと柔らかな鴨肉が濃くて甘めのつゆに良く絡む。ちょっと浸して一気にずるっと啜れば口いっぱいに焼けた鴨の香ばしさとつゆの甘みが広がってこの上ない美味しさを堪能する事が出来る。


次に運ばれて来た二八の田舎蕎麦は十割のそれと比較すると倍はあろうかという太めの蕎麦。そしてもの凄く1本が長い。30㎝はあろうか…。一掴みで持ち上げられないので少々手間取ってしまう。こちらもそれ程固くはない。適度な芯を残しつつも喉濾し良く柔らかくするっと飲み込める。十割より少し濃い色で所々星が確認出来る。(太さの違いでそう見えるだけかもしれないが…)つゆは黒々として濃い目。燻した様なスモーキーな香りが微かにする。確かに濃いつゆではあるが、本当に色々な出汁の繊細な味が選び抜かれた醤油と共に伝わってくるので蕎麦湯は薄めのさっぱり系だが、これがこのつゆと合わさると本当に美味しい「スープ」になるのである。

次回は是非とも天麩羅を頂いてみたいものだ。特に桜海老の生粉天麩羅、気になって仕方ない。蕎麦粉で衣を作るのだろうか?想像が膨らむ。それからこの店は蕎麦だけでなく饂飩も手打ちで提供している。この日も数名鍋焼きうどんを注文していたがこれまた凄~く美味しそう!これからの季節沢山出そうなメニューである。こちらも是非試してみたいお勧めの店である。

(レポート 玄)

 

【 店の電話番号 】
029-887-8631
【 住 所 】
茨城県稲敷郡阿見町若栗3353-11
【 アクセス 】

【 営業時間 】
月、火、水 11:00~15:00
金、土、日 11:00~20:00(休憩時間は15:00~17:00)
【 定 休 日 】
火曜日、第3月曜日(変更有)
【ひとり分の平均的な予算】
600円~1500円位
【 予 約 】
【クレジットカード】
【 個 室 】

【 席 数 】
約56席(4人掛けテーブルが3つ、2人掛けテーブルが2つ、座敷で6人掛けテーブルが3つ、ほかに2階にもある)
【駐 車 場】
有(約18台)
【 煙 草 】
禁煙
【アルコール】
ビール、焼酎
【店のホームページ】

おらあ蕎麦っ食いだぜ
生蕎麦 槐(石川県七尾市)能登島の在所でいぶし銀の輝きを放つ蕎麦屋

七尾市和倉(和倉温泉)から能登島大橋を渡り、橋から車を走らせること約10分。目当ての蕎麦屋は能登島の …

関東地方のおいしいそば屋
そば工房 篠 (千葉県山武郡芝山町) 最初から最後までソバづくしのお蕎麦屋さん

成田空港から車で10分ほどに位置しているお蕎麦屋さん。 芝山町は埴輪(はにわ)が有名で古墳が280個 …

おらあ蕎麦っ食いだぜ
蕎麦処 浄楽 (石川県羽咋市)日蓮宗妙成寺の門前で味わう石臼手挽きの粗挽き蕎麦

地域では五重の塔で有名な日蓮宗妙成寺の門前に位置する民家風の蕎麦屋です。以前、店主が粉を挽く貴重な休 …