甜蕎屋源平(栃木県日光市)前日光と宇都宮の境界ローカルの逸品、絶対価値有!

栃木県のおいしいそば屋

栃木県日光市木和田島。日光と宇都宮の境にある地名です。生まれも育ちも栃木県の私ですが、このお蕎麦屋さんを知るまで、耳慣れない地名でした。日光市は平成の大合併で隣接する今市市などと合併し、その面積は栃木県の4分の1を占めるほどとなったので、普段馴染みがない私は、「どこから日光」という感覚がないのです。


「日光」といえば世界遺産もある、栃木県内有数のそば処であり、ご存知の方も多いでしょう。

ですが、、、日光市にあるこの御蕎麦屋さん、場所柄「知る人ぞ知る」名店です。というのも日光に行く際、電車、車で行く方が多いと思いますが、電車でも、車でも、日光に向かうメインルート上にはないのです。新里街道という、日光に向かう際の裏街道で、あまりお店もないようなエリアにひょっこりあります。
崩した字体で「甜蕎屋源平」そして、「営業中」のネオンサインが目印です。

訪れたのは14時過ぎ。遅い時間だったので駐車場に車はなく、あわや終わったかと思いましたが、15時までということでセーフ。駐車場に車を止めると、駐車場直結で八坂神社(甜蕎屋源平の神社?)があり、「美味しいお蕎麦が食べられますように!」とお参りしてから、石造りの階段を登り、引き戸を開けました。


「いらっしゃいませー」奥から女性の声が聞こえ、程なくすると「お好きな席どうぞー」と客席の方に出てこられました。貸切状態だったので、本当は厨房が見える場所が良かったのですが、こちらのお店は元々住宅だったようで、厨房は隔離されていてどの場所からも見えません。また、店内いたるところに「当店は二人で営業しているため、何かとご迷惑をおかけ致しますが、ご了承ください。尚、10名以上のグループの来店はご遠慮ください」ともあります。

座敷は2箇所に離れてそれぞれ10人程度のスペースがあり、テーブル席も20 席ほどあるし、この大きさで2人は確かに大変です。10人以上だと茹でたてすぐを提供するのが難しいから、でしょうか。蕎麦へのこだわりも感じます。

さてさて、メインのお蕎麦は大きく5種類あります。

月輪蕎麦(粗い粉で打った十割の味・香りともに強い蕎麦)
十割蕎麦(細かい粉で打った喉越しの良い蕎麦)
粗挽蕎麦(黒い田舎蕎麦でとっても香りの良い蕎麦)
礎蕎麦(当店で一番おとなしい飽きのこない蕎麦)
金剛蕎麦(月輪と粗挽きが半分づつ混ざった蕎麦)

と、バリエーション豊富で迷っちゃいます♪それにつゆは、冬限定として「きのこ」、つけ汁が温かい「海老寿蕎麦」ラー油のピリ辛つけ汁「雷蕎麦」があり、定番での「鴨汁」もあり、これでもか!ってくらいそばを堪能できる要素が揃ってます。

※ちなみに「月輪」は「がちりん」と読みます。泉福寺の住職さん命名です。

また、セットものとして、お蕎麦は「礎」と「粗挽き」で、それぞれ「ミニ親子丼」「ミニ天丼」「豚軟骨煮込み」「野菜天婦羅」「とろろご飯」とのセットが選べます。

欲張りな私は、あい盛りの金剛蕎麦穴子天ざる(1,600円)を頼み、「あのぅ、、、別盛りってできますか?」と聞いてみました。

金剛蕎麦は混ざった状態であるので、ゆでたてのそれぞれをズルッと味わいたいのです。もちろん、他のお客さんがいたらこんなことは言いません。ただでさえお二人での営業で大変なのですから。でも、たまたまの貸切のチャンス!わがままを許してもらいました!(奥様、ありがとうございます!)

注文後ふと店内を見ると、「そばもん」のやまもとおさむ氏のサイン。また、2002年の新聞スクラップで、「十割を超えた十割」「究極のそば」「粒子配合の至芸」など、胸高鳴るワードが並びます。来る前より期待値がぐんぐん上昇します!

スクラップを読んでいるうちにお蕎麦が運ばれてきました。まず蕎麦を見て、はっきりと対極にある蕎麦を一皿に盛っている時点でとても贅沢な気持ちになりました。


ズルッ。ズズルッ。月輪蕎麦は表面はつるっとしていて、香り高いでんぷん質の中に赤いホシがあり、更科的で蕎麦の高貴な、短くスッと抜ける香り。甘い。そばの甘みが口いっぱいに広がります。

粗挽き蕎麦はそば殻のざらついた口当たりと、コシの強さ、ズシっと来る重みのある香り。へぎそばのような繊維が入っているのかと思うくらいのかみごたえ。

それぞれに蕎麦としては対になる種類でありますがこれをいちどきに食べれるのだから贅沢の極みです。

つゆは甘口で口当たりがすごくまろやかなカエシになっています。

天ぷらはかぼちゃ、なす、しそ、穴子の天ぷら。ふわふわの穴子は絶品です。

お蕎麦それぞれを堪能したので、金剛蕎麦本来の姿に戻します!混ぜた状態では食感が面白いそれぞれがしっかりした麺でコシがありながらも、噛み締めて出る香りは重さが違うので、重層的な甘みも感じられ、スルスル食べられちゃいます。


食べ終えるまで蕎麦がへたらず独特の歯ごたえが続き、最後まで美味しく食べられる蕎麦との出会いに感謝!です。

(レポート提出/伍代目)

【店名】甜蕎屋源平

【読み(ひらがな)】てんきょうやげんぺい

【 店の電話番号 】0288-26-4675

【 住 所 】栃木県日光市木和田島2505-4

【 アクセス 】JR日光線下野大沢駅から約2.5km、
栃木県道22号大沢宇都宮線(新里街道)沿い。

【 営業時間 】【火~金】11:00~15:00【土日祝】11:00~15:00

【 定 休 日 】 月曜日

【ひとり分の平均的な予算】昼 1000~2000円

【クレジットカード】不可

【 個 室 】座敷有り

【 席 数 】 40席程度

【駐 車 場】有

【 煙 草 】禁煙

【アルコール】無

【地図にリンク】https://goo.gl/maps/U7k9Wt9Wegn

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