蕎麦游膳 阿部(福島県福島市)駅そばかと思いきや…
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大阪生まれの私にとって、電車の駅に隣接されている蕎麦というのは、「手軽で素早く食べられる蕎麦」といったイメージだった。
サラリーマンが出勤前だとか、昼間にさっと、あるいは立ち食いで掻き込むような蕎麦。勢いと共にアツアツのつゆと啜る。これもなかなか美味しい。
あれは3年前、まだ私が大阪在住だったころである。福島県への移住を検討する中で、たまたま立ち寄った「卸町」の駅に隣接する「蕎麦游膳 阿部」さんを見つけた。
正直、「なんとなく蕎麦が食べたい」といった気持だった。夕方ごろで小腹の空いた時間。ただの駅そばで軽く蕎麦を啜って帰ろうという軽い気持ちで入った。
しかしそれから3年。結局福島に住むことを決めたのには、あの時に食べたざるそばの味に衝撃を受けたからだ。
「これだけ美味しい蕎麦が、福島では当たり前なのか。」この感動が忘れられず、今回ぜひレポートにまとめたく、改めて訪れたのだった。
テーブル席3つ、座敷が3つ、カウンター席が8席。
大きな蕎麦屋というわけではないが、給仕のおばちゃんが4人と、打ち手らしき親父さんが1人。落ち着いた雰囲気だ。
メニューには堂々と、契約栽培している蕎麦畑の写真。
『当店の「十割そば」は北海道浦臼産契約栽培の牡丹そばを自家製粉し提供しております 挽きたてによるそば本来の豊かな味と香りをご賞味ください 店主』
福島では、ちらほら「牡丹そばを出す」と謳っているお店がある。私はこのお店で「牡丹そば」を知ったのだった。
さて、そう待たずにざるそばが運ばれてくる。
最近は盛り蕎麦形式のように、大きなざるに蕎麦が盛られている蕎麦屋が多いように感じるけれども、蕎麦游膳 阿部ではせいろに重なって出てくる。
写真は大盛だから3段。
時期柄新蕎麦では無いように思うけれども、うっすらと緑色で透明。 黒色の箸が透けて見えるほどだ。角だけ透明なのではなく全体が透明。
かといって薄くて細いのかと思うとそうでもない。しっかり存在感を感じる口当たり、噛むと僅かな歯ごたえを感じつつプッと切れる。品を感じる蕎麦。
味も甘みがあって美味しい。そばつゆもいらないくらいだ。
「せっかくそばつゆも出してくれているのだから、使おうか」といった気持になるくらい食べさせてくれる蕎麦。
しかしそばつゆも美味しい。濃い目。明らかにじゃぶじゃぶつければ辛すぎるだろう。あくまで蕎麦を食べて、そばつゆは少し味を変えるのに使えといった印象を受ける。私はそういうざるそばが好きだ。
大盛1,200円。安い蕎麦ではない。また、1時間に2本程度の少ない発着量しかない駅。大通り沿いではなくアクセスが良いとは言いにくい。
そんな蕎麦游膳 阿部だが、平日でも12時過ぎは混雑する。15時までの昼営業だが、蕎麦がなくなって終わっていたときもあった。
それだけ、品良し味良し、愛されている蕎麦屋なのだ。
3年前に福島移住を決めた後押しになったこの蕎麦屋、なにかまた迷うことがあれば、自分の振り返りも兼ねて訪れたい。
(レポート提出/Quon)
【 店 名 】蕎麦游膳 阿部
【 読 み (ひらがな)】そばゆうぜん あべ
【 店の電話番号 】024-554-5831
【 住 所 】福島県福島市鎌田字卸町3-1
【 アクセス 】阿武隈急行卸町駅からすぐ
【 営業時間 】11:30~15:00(L.O.14:30)
17:00~20:00(L.O 19:30)
【 定 休 日 】水曜日
【ひとり分の平均的な予算】1,000~2,000円
【 予 約 】可能
【クレジットカード】不可
【 個 室 】無し
【 席 数 】 38席
【駐 車 場】 あり 5台
【 煙 草 】不可
【アルコール】地酒・ビール・蕎麦焼酎
【店のホームページ】なし(リンク切れ)