日本五大そばを知っていますか。日本三大そばは、わんこそば、戸隠そば、出雲そば・・/日本蕎麦保存会

日本蕎麦保存会

「日本三大そば」といえば、わんこそば、戸隠そば、出雲そばですね。
日本各地には、いろいろな蕎麦があります。この三つだけで終わらせるには、あまりにも惜しい!
では「日本三大そば」にもう一つ加える名蕎麦といえば、何があげられるでしょう。
ということで、そば好きの皆さんに推薦をお願いしたところ、たくさんのお返事をいただきました。
頂戴したメールのコメントの中で、特徴的だったのが、以下のご意見です。

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【お名前】
M・I
【あなたがお住まいの地域】
  北陸
【おすすめの蕎麦の名前】
  江戸そば
【コメント】
江戸蕎麦御三家(藪、砂場、更科)、さらには藪蕎麦御三家(かんだやぶそば、並木藪蕎麦、池之端藪蕎麦)をはじめとする老舗蕎麦屋は、日本蕎麦の食文化を発展させる原動力となったのは間違いのないところです。
 一つに絞るならば江戸そばを推しますが、個人的には福井そばも加えて五大蕎麦としたい気がします。在来種の保存・管理に県をあげて腐心し、北陸の地に一大蕎麦文化を築き、日本各地の蕎麦屋に福井在来蕎麦を供給していると思われるからです。
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こうしたご意見が多かったため、「日本四大そば」に、さらに一つ加えて、「日本五大そば」を選定することにしました。

日本蕎麦保存会では、ここに選んだ「日本五大そば」を中心に、日本そばの情報を世界に向かって発信していきます。
海外から日本を訪れるお客様に、「日本に行ったら、この蕎麦を食べてみよう!」と思っていただきたいのです。

日本蕎麦保存会会長・片山虎之介
協力・サライ編集部

 

⬇︎「日本蕎麦保存会jp」は、世界中からアクセスがあります。

 

《日本五大そば・その一》
わんこそば (岩手県)

そば処として知られる東北地方で、一際名高いのが「わんこそば」です。岩手県の盛岡や花巻が中心地となります。
お客さんの隣に、お給仕さんが立ち、空になったお客さんのお椀に、一口で食べられるほどのそばを、次々に投げ入れます。
「はい、じゃんじゃん」「ほいきた」「はいどうぞ」という掛け声も楽しい、ゲームのような食べ方です。
家族やグループで食べると、楽しい時間を過ごすことができます。
昔は、福島県や長野県、島根県にも、こうした食べ方はあったのですが、今ではすっかり忘れられて、岩手県以外の地域では、ほとんど見ることができなくなってしまいました。
「わんこそば」は、楽しさが評価されて、「日本五大そば」のトップバッターに選定されました。

 

 

 

 

 

⬇︎わんこそばの老舗、「直利庵」のわんこそば。おわん8杯で、もりそば一枚分の量。

 

《日本五大そば・その二》
江戸そば (東京都)

江戸時代、江戸の町では、そば切り(細い麺線のそばのこと)が、町人だけでなく、武士や大名にまで人気の食べ物になりました。新興都市の江戸には、大坂からそば切りの食文化が伝わってきて、華やかな黄金時代を築いたと考えられています。
世界一の人口を抱えるまでに大きくなった江戸の町には、数多くのそば屋がひしめき合い、腕と味を競って、そばの食文化を磨きあげました。
たくさんの店が生まれては消え、その中で現代に生き残ったのが、「砂場」「藪」「更科」などの老舗の暖簾です。
「日本三大そば」という言葉が知られていますが、その中になぜ、江戸そばが入っていないのかが不思議です。
今回、日本蕎麦保存会が選定した「日本五大そば」の、ある意味では代表格とも言える、粋の美学の江戸そばの世界をお楽しみください。

 

⬇︎手打ちを守り続ける「神田まつや」。店内はいつも混雑していて、江戸そばの基本の味を楽しむことができる。

 

⬇︎神田まつや所蔵の、大名がそばを食べる時に使ったと言われる、漆塗りの道具。江戸そばの歴史が形となった貴重な器だ。

 

⬇︎粋の美学に裏打ちされた、江戸そばの豊かな食文化の一例「たまごとじ」/かんだやぶそば

 

⬇︎江戸そばの基本、細打ちの「せいろうそば」/かんだやぶそば

 

⬇︎江戸そばの汁作りは、そば食文化の究極の技の一つ/浅草「並木藪蕎麦」

 

 

《日本五大そば・その三》
戸隠そば (長野県)

そば好きには良く知られた戸隠そばは、信州を代表するそばとして高い人気を誇っています。その特徴は、長野県の山深い地にありながら、つなぎに小麦粉を使うことにあります。つるりと喉越しの良い戸隠そばは、戸隠信仰の参拝客が、「戸隠に行ったら、そばが美味しかったよ」という土産話の種になり、日本中に評判が広まったと言われています。

 

⬇︎戸隠の老舗「山口屋」のそば。「ぼっち盛り」と呼ばれる独特の盛り方が、戸隠そばの特徴。

 

 

《日本五大そば・その四》
福井そば (福井県)

江戸時代には、日本中、どこの地域でも、そばは、その土地で栽培され続けてきた「在来種」のそばを使って打っていました。
在来種のそばは、現代の改良品種のそばと比べると、かなり味が異なります。香りが強く、食感は弾力があって、味も濃厚なのです。
しかし畑で収穫できる量が少ないことが、難点だと言われています。
たとえ少ししかとれなくても、そば好きは美味しいそばが食べたいもの。その願いを叶えてくれるのが福井県です。
今では本当に貴重になってしまった在来種のそばを、県をあげて熱心に栽培している、こういう県は、福井以外にありません。
そばの材料そのものの美味しさで言ったら、「日本五大そば」の中でも、福井がまさに代表格。江戸時代に人々が熱狂した、そばの本当の美味しさを味わえるのが、福井そばなのです。

 

⬇︎「森六」は福井在来を使い、自家製粉。手打ちの十割そばを供する。ウニなどを薬味につけた「スペシャルせいろ」

 

⬇︎福井独特の早刈りのそばの味を引き出して、魅力的なオリジナルメニューを創造する「たからや」の「蟹豆乳そば」。

 

⬇︎濃口醤油と淡口醤油が共存する独特の食文化の象徴とも言える「たからや」の美しい「かけそば」

 

⬇︎これが福井の在来種のそばの実。一般的な改良品種のそばより小粒だが、格段に美味しい。

 

⬇︎おろしそばに情熱を注ぐ「あみだそば」。福井在来の十割そばが楽しめる。

 

 

《日本五大そば・その五》
出雲そば (島根県)

出雲そばは、昔ながらのスタイルを守っているという意味では、右に出るものがありません。黒い殻に包まれたままの状態のソバの実を、丸ごと石臼に入れて製粉するのが出雲流。かなり個性の強い味になります。
松江のお殿様であった松平不昧公は、そば好きの大名茶人でした。気に入った茶器を集めて、大好きな出雲そばを食べれば、他に何も望むことはないとまで言い切った、趣味に生きた大名でした。
その美意識が反映されたことで、出雲そばは他の田舎そばの群れから抜け出して、至高の郷土そばとなったのです。
「日本五大そば」のトリを飾るのにふさわしい大名そばを味わいに、島根県を訪ねてください。

 

⬇︎出雲では「割子そば」が知られているが、地元の皆さんは「釜あげそば」が大好き。一度食べたら、忘れることは不可能。

 

⬇︎松江城のお堀の近く、出雲そばの人気店「神代そば」がある。個性が強い出雲そばの中でも、食べやすいそば。

 

⬇︎松平不昧公の居城であった松江城。出雲そばのシンボルとも言える。

 

 

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