空のかおり(北海道札幌市)一軒家改装系の本格蕎麦屋。蕎麦前利用もOK!
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- カテゴリー: 北海道のおいしいそば屋, おいしいそば屋の食べ歩きレポート, ☆流れ星
今は便利な時代。SNSで新店オープンの情報を得て、お昼に向かってみることに。ここは厚別区の住宅街に新規オープンした本格派蕎麦屋である。住宅街という立地上割と解りづらい場所にあるのだが、カーナビ等を利用すればスムーズだろう。
店横には駐車場を2台分備えており、店は一軒家改装系、靴を脱いで二階に昇るという珍しいタイプ。フロアはきちんと店舗デザインが施されており、明るくて広々、ギターインストゥメンタルが穏やかに流れる快適空間だ。訪問時のメニューはオープン直後で一種類のみとの事だった。
ご主人の接客は温かくて気持ちが良い。まずは二種もりをオーダーして、大型のテレビモニターに移る景色を見ながら蕎麦を待つ。すると次々に常連さんと思われるお客が来店、席がどんどん埋まっていく。どうやら既に人気店のようだ。
まずは揚げ蕎麦とお茶が提供される。ポリポリと味わいながら、置かれた沢山の蕎麦雑誌の中から、北海道の蕎麦屋を特集したものをとり、読みながら時間を過ごすと、お待たせいたしました!の声と共に、蕎麦が提供された。お盆の上は華やかで豪華な構成だ。
「二種もり」900円
摩周産の蕎麦を石臼で挽いた、十割並粉と九割粗挽きの2種の相盛りは珍しいスタイル。いずれの蕎麦も水切り具合は適正だと感じる。分量としても十分であり、価格に対する満足度、コストパフォーマンスが良さそうだ。
十割並粉は良く繋がっており、エッジも綺麗だ。食感はシコシコ系で程よいコシ塩梅、風味はそこそこと言ったところだが悪くない。言わば脱個性型の優等生タイプの蕎麦だが、郊外型隠れ家系店では埋もれがちかもしれない。
粗挽き蕎麦が個性的で良い。マッティな食感だが、それが不快に感じない程度におさまっている。そして風味甘味がなかなか良好で見た目の雰囲気も上々で美味しい。これはこの店の強い武器になりそうだが、惜しむらくは蕎麦がやや繋がっていなかった事。これは今後の課題だろうか。
汁(つゆ)は中濃中口でコクがあるが、ポン酢系の酸味も強いタイプ、これは出汁感、そしてかえしの特徴までも消してしまっている感じもあり。これは手繰り手を選ぶ感じの汁だ。
蕎麦を汁につけてズルズルっと手繰ると、やはり良い風味が鼻に抜け、噛みしめるとほのかな甘味が追ってくる。そこに汁の旨味が良いハーモニーを奏でる感じ。
薬味は上々、蕎麦湯は開店直後だったが白濁の釜湯。付け合わせの豆腐が美味しい。そして手作り感のある茶わん蒸しも美味しく、サラダも手を抜かない印象。そして柑橘皮のシフォンも、ほのぼのとして良い感じ。コーヒーも蕎麦屋としてはまあ良いのではないだろうか。商品を含めた雰囲気は、求道的な蕎麦屋というよりは本格派蕎麦CAFEな印象。
蕎麦には技量と可能性を感じたが、汁(つゆ)はあまり好みになれなかった。しかし居心地の良い空間でフレンドリーかつ明るい接客… 色々な要素で今の状態をキープする事が出来れば、おそらくは早いうちに確固たる大人気店になるだろう。
蕎麦湯を呑んでまったりとした時間と余韻を楽しんでいると、蕎麦はどうでしたか?とご主人に感想を聞かれる。とても美味しかったです!と答えると、良かった・・・と一言。そこからしばし蕎麦談義に花が咲いた。もともと蕎麦打ちが好きで、退職後、その趣味を実益と夢に活かしたいと一念発起してこの店をオープンさせたという。そしてオープン間もない今は、お客の反応がとても気がかりだという事。今現在限定として縛っているメニューはこれからどんどん増えてくるようで、慣れてくれば天ぷらなどもラインナップに加えるつもりとの事なので楽しみだ。
主義主張の多い店。それが商売に上手く繋がるかは今後のさじ加減によるだろうが、メニューが増えた時は再度仕切り直し、その時こそこの店の真価が問われるステージになると思われるので要注目だ。
住宅街に本格派の蕎麦が登場。SNSでも積極的に情報発信をしており、蕎麦への思い入れは大変強いように感じる。今後が実に楽しみな店であるし、これからも応援していきたい。中々の満足感で店を後にした。
(レポート提出/☆流れ星)
【店 名】空のかおり
【 読 み (そらのかおり)】
【 店の電話番号 】011-898-5215
【 住 所 】北海道札幌市厚別区厚別東4条6-3-1
【 アクセス 】車がおすすめ
【 営業時間 】11:30~20:00
【 定 休 日 】火曜日
【ひとり分の平均的な予算】昼 1000円 夜1000円
【 予 約 】可
【クレジットカード】不可
【 個 室 】無
【 席 数 】 25席
【駐 車 場】 有
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】有
【店のホームページ】無