日本蕎麦伝統技能保持者について
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【日本蕎麦伝統技能保持者規約】
「日本蕎麦伝統技能保持者」とは伝統的な日本蕎麦の食文化を継承、発展させるために、日本蕎麦保存会が設けた、蕎麦打ち技術者を評価する資格です。アマチュア、プロフェッショナルを問わず、認定を受けることができます。
日本蕎麦の基本となる伝統的な技法は、麺棒を一本だけ使って打つ「一本棒・丸延し」です。蕎麦切りが日本で始まった初期の段階から行われてきたと考えられています。
この伝統的な蕎麦打ちの技術を未来に伝えるために、日本蕎麦保存会が2014年に創設したのが、「日本蕎麦伝統技能保持者」認定制度です。
古くから伝えられてきた蕎麦打ちの技術を習得した人を、「日本蕎麦伝統技能保持者」と認定します。
【一本棒・丸のしの技術の特徴とは】
一本棒・丸延しの打ち方は、日本で古くから行われてきた、そばの打ち方の最も基本となる技術です。麺棒を一本だけ使って、そばの生地を丸くのすため、このように呼ばれます。
この打ち方は「蕎麦のおいしさを引き出すことができる」という特徴を持っています。丸くのす際に、生地を麺棒で強く圧迫しないので、食べたときに風味の良さを感じさせる麺を打つことができます。
本来、生粉打ち(十割そばを打つ)のために工夫されてきた技術です。
親の時代に工夫された技術が、子供の時代に修正が加えられ、孫の時代に磨きあげられ、次の時代には、さらに効果的な技が編み出されてきました。
気の遠くなるような時間をかけて積み上げられた、私たちの祖先の知恵の結晶が、現代に伝えられている「一本棒・丸延し」の技なのです。
【どうしたら日本蕎麦伝統技能保持者になれるのか】
まずは、一本棒・丸延しとは、どういう打ち方かを知っていただくことから始まります。日本蕎麦保存会が東京で開催している「蕎麦のソムリエ講座」は、一本棒・丸延しの技を練習していただく、そば打ち教室です。
東京の講座で練習していただくと、東京をはじめ、長野県や福井県などで行う認定会への参加資格が得られます。
これらの認定会で合格すると、「日本蕎麦伝統技能保持者」として認定されます。
【認定基準】
日本蕎麦伝統技能保持者の認定は、そばを打つ技術水準が審査されるのと同時に、日本蕎麦保存会が提唱する蕎麦食文化についての理念を、どのように理解、実践しているかが重要な判断基準になります。
認定を受ける方は事前に、日本蕎麦保存会が運営する蕎麦打ち教室「蕎麦のソムリエ講座」において、蕎麦食文化についての理念を教示しているので、これを学んでください。
「蕎麦のソムリエ講座」で掲げているコンセプト『私が打つそばは、大切な人のための、おもてなしそばです』は、日本蕎麦伝統技能保持者認定制度にも共通して掲げられる基本理念です。この理念に則って、認定の合否を判定します。
〈認定段位、級位は10段階あります〉
3級、2級、1級
級位は、蕎麦を打つ技術試験と、食味試験のふたつで審査します。
受験者は、審査会場で蕎麦を打ったあと、自分で蕎麦を茹で、審査員に供して食味審査を受けます。
使用する蕎麦粉も、そばつゆも、受験者が用意します。
蕎麦粉、そばつゆは、必ずしも自家製である必要はありませんが、材料の食味は審査の対象になります。
食味審査の際に、審査員から質問がありますので、お答えください。
初段、2段、3段、4段、5段、6段、7段 (2024年度から6段、7段が加わりました)
段位も、技術試験と、食味試験のふたつで審査します。
受験者は、審査会場で蕎麦を打ったあと、自分で蕎麦を茹で、審査員に供して食味審査を受けます。
使用する蕎麦粉も、そばつゆも、受験者が用意します。
蕎麦粉、そばつゆは、必ずしも自家製である必要はありませんが、材料の食味は審査の対象になります。
食味審査の際に、審査員から質問がありますので、お答えください。
【名人、師範】
特別な大会での優勝者は「日本蕎麦伝統技能保持者・名人」として認定されます。また、技術の高さと、指導者としての人間性が認められると、「日本蕎麦伝統技能保持者・師範」の認定が受けられます。師範の認定を受けて初めて、蕎麦打ちを他者に教えることができます。
名人、及び師範の資格は、通常の認定会とは別に、日本蕎麦伝統技能保持者認定委員会が協議して認定する特別な位です。
【認定会、講習会のスケジュール】
「認定会」に先立ち「講習会」を実施します。これは一本棒・丸延しの技が、どういうものであるのかを、参加者に知っていただくための練習会です。
この「講習会」を受講すると、認定会の参加資格が得られます。
「講習会」から、数ヶ月後に「認定会」を実施します。これに合格すると、日本蕎麦伝統技能保持者として認定されます。
認定証が授与され、「日本蕎麦伝統技能保持者●級」、あるいは、「日本蕎麦伝統技能保持者●段」を名乗ることができます。
認定会の日時については、事前に参加を希望された方に、メールなどで通知しますが、現在のところ、2024年6月19日(水曜)を予定しています。
【費用について】
お申し込みいただいた方に、直接、お知らせします。
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【認定に際しての注意】
※日本蕎麦伝統技能保持者の認定を受けた方が、この名称を使うときは、「日本蕎麦伝統技能保持者1級」というように、必ず認定されている「級」や「段」を明記してください。
※日本蕎麦伝統技能保持者の名称を使って営業活動を行うときは、日本蕎麦伝統技能保持者認定委員会の承認が必要です。
※日本蕎麦伝統技能保持者の名称を使って、そばの講座など、技術や知識を教える活動をするためには、「師範」の認定が必要です。それ以外の認定者は教室などの運営を禁止します。
※「認定」とは、日本蕎麦伝統技能保持者運営委員会が、認定者の技術や人格を、日本蕎麦伝統技能保持者としてふさわしいと判断して保証するものです。規約違反や、認定者としてふさわしくない行動があった場合は、認定を取り消すことがあります。その場合、認定を取り消される本人の氏名を公表して、認定取り消しを告知します。
【認定試験の詳細】
●3級、2級、1級、初段、2段、3段、4段、5段、6段、7段、いずれの段、級でも、打っていただく蕎麦粉の量は自由です。300gでも、1kg、あるいは2kgでも、お好きな量を打ってください。蕎麦の美味しさを引き出すのに最適な量だと判断したら、それを実行してください。何の制約もありません。
●そばつゆは、自家製でも市販品でも構いません。ただし、他の蕎麦店で使っているそばつゆを提供してもらうのは禁止します。
●使用する蕎麦粉やそばつゆについての詳細を、審査員に説明していただきます。
●蕎麦の打ち方は自由です。必ずしも、一本棒・丸のしである必要はありません。
●制限時間も設けません。美味しさを引き出すために必要な時間をかけて打っていただきます。目安として40分程度で打ち上げることを想定していますが、それより長くかかるようでしたら、事前に認定委員会に申告してください。
●つなぎ、湯捏ねなどの技術についての制約はありません。美味しい蕎麦が打てる方法なら、どんな技術で打っても構いません。
疑問、不明点がございましたら、認定委員会にメールなどでご質問ください。
日本蕎麦伝統技能保持者認定会に参加お申し込みの方は、そば打ち教室「蕎麦のソムリエ講座」のご案内ページにあるメールフォームにご記入のうえ、送信してください。
メッセージ欄に「日本蕎麦伝統技能保持者希望」とお書きください。
下のアイコンをクリックすると「蕎麦のソムリエ講座」のページにリンクします。
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- 以下に、以前の認定会や講習会などの写真を掲載しますので、参考になさってください。
【福井認定会】
第8回 日本蕎麦伝統技能保持者 認定会 (終了しました)
「一本棒丸延し」の部 「福井認定会」
主催:日本蕎麦保存会
共催 : 福井そばルネッサンス推進実行委員会
実施団体:日本蕎麦伝統技能保持者 認定制度運営委員会
■ 開催日時:2020年1月21日(火曜)
一級・二級・三級・四級:11時05分~
初段・二段・三段・四段・五段・師範:11時50分~(予定)
■ 会 場: 福井県福井市成和2丁目308
福井麺類飲食協組共同製麺所
電話番号:0776-21-3142
日本蕎麦保存会事務局:080-5428-1730
■ 受験段位:四級・三級・二級・一級・初段・二段・三段・四段・五段・師範
■ 定 員:四級・三級・二級・一級 20名 初段・二段・三段・四段・五段 20名