そば処 老梅菴(庵) (三重県四日市市) 三重県ナンバー1のそば屋/ 日本蕎麦保存会
《全国 おいしい蕎麦屋ランキング》 写真と文=片山虎之介
そば処 老梅菴(庵) (そばどころ ろうばいあん)
十割蕎麦の魅力を大きく広げた名店
日本には、豊かな蕎麦の食文化が、昔から根付いている地域もあれば、蕎麦にはまったく縁がなかった地域もあります。また、昔は盛んに食べられていたのに、今では、そのことさえ忘れられてしまった地域もあります。
三重県四日市市は、蕎麦には縁の薄い土地です。蕎麦を好んで食べるという人の数も、多くありません。
この町に昭和61年創業の『そば処 老梅菴』があります。
主人の堀木栄司さんは、店を始めたときの様子を、次のように語ります。
「蕎麦を食べる習慣のない土地で、蕎麦店を始めようと思ったきっかけは、良い師匠に巡り合ったからです。真摯に蕎麦に取り組んでいる師匠の姿を見て感銘を受け、この方に学びたいと思ったのです」
教えを請うと師匠は、「将来、蕎麦屋を始めるつもりなら、いっそのこと、今始めてしまいなさい。私がその店に出向いて指導しましょう」と言ってくれました。それで堀木さんは、まずは店を開き、営業しながら師匠に蕎麦のことを教えてもらったのだといいます。
蕎麦について深く知るほどに、堀木さんはその魅力に引き込まれていきました。自分なりの理想の蕎麦を追い求めていくうちに、現在、行っている個性的なスタイルにたどりつきました。
十割で、在来種の美味しさを引き出す
『そば処 老梅菴』で使うソバの実は、地元の農家に依頼して、在来種を栽培してもらっています。
それを自家製粉して、手打ちで提供します。
蕎麦はすべて生粉打ち、つまり十割そばです。
「だから、うちには小麦粉がありません」と堀木さんは笑います。
毎朝、手打ちする蕎麦は二種類。殻のついたままの玄そばから製粉して作った蕎麦粉で打つ色の黒い蕎麦と、殻をむいた状態の丸ヌキから製粉して作った蕎麦粉で打つ、明るい色の蕎麦。メニューにより、二種類の麺を使い分けますが、ほとんどのメニューで、色の明るい麺を使っています。
しかし、もりそばは、黒い蕎麦を好む人が多いといいます。
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「梅そば」が、看板メニュー
人気のあるのが「梅そば」。『そば処 老梅菴』の屋号にも使われている「梅」を使った蕎麦を作りたいと考案したメニューですが、酸っぱさを抑えた味が好評で、今では店の看板メニューになっています。
蕎麦には縁の薄かったこの地で、『そば処 老梅菴』が発信する蕎麦の美味しさに、共感の輪が広がっています。
そば処 老梅菴
三重県四日市市西新地11-3
【 店の電話番号 】
059-351-9376
【 住 所 】
三重県四日市市西新地11-3
【 アクセス 】
近鉄四日市駅から徒歩約5分
近鉄四日市駅から約300m
東名阪道四日市ICから車で約15分
【 営業時間 】
11時から14時(ラストオーダー13時30分)
(昼は会席コースの予約が可能)
17時30分から21時(ラストオーダー20時30分)
【 定 休 日 】
月曜 (祝日の場合は営業) 、火曜が定休
【ひとり分の平均的な予算】
2,000円~6,000円
【 予 約 】
昼の会席コース予約可能
【クレジットカード】
支払い可能
【 個 室 】
あり
(4人、6人、8人、10~20人可能)
貸切 もできます(20人~50人ぐらい)
【 席 数 】
24席
(座敷14席を含む)
【駐 車 場】
3台あり、無料。
そのほか指定駐車場あり。1時間分駐車券発行します。
【 煙 草 】
禁煙
【アルコール】
おいしい日本酒、焼酎、ワイン、カクテルあります。
【店のホームページ】
【地図にリンク】
https://goo.gl/maps/wtMgevcaJhGumu3z6